前回、ALSの方の背中から魚の臭いがでてきた、というお話で、魚の脂もPUFAの油ですよ、って事をおつたえしたら、驚かれた方がいらっしゃいました。
メッセージで驚かれたとの感想を頂きました。
その中で、日本人って昔から魚を食べているから、日本人には魚が合っている説についてのメッセージをいただいたのですが、私は、そう考えてはいません。
興味深い研究があります。
イヌイット人の食事を真似た「エスキモーダイエット」は低炭水化物、高脂質、高脂肪、高タンパク質の食事で、食事内容は魚や海獣類の肉をです。
寒冷地対の海獣類の脂質はオメガ3のPUFA主体なのです。
で、このイヌイットの人たちは心臓病が少ない、健康だと言う説は、1970年頃から始まっているのですが、2004年にDiscover誌が「イヌイットのパラドックス」という記事を書いたことから、確立された感じになったのですね。
それ以来、「PUFA良くないよ、魚の脂はPUFAだよ」というと、「だってイヌイットは健康だって言われてる!オメガ3は健康に良い!」と反論に使われているのが現状。。。
でもね、実はこの節はもうすでにひっくり返ってます。
デンマークとカナダの研究者チームが、イヌイットの伝統食を食べている人たちの病気や健康に関する様々な研究を調査したのですが、
「イヌイットが伝統的な海産物中心の食生活を送る中で虚血性心疾患の発生率が低いという考えは、広く信じられているが、その科学的証拠は弱い。」
という結論です。
彼らはグリーンランドの疫学の父と考えられるベルティルソンを指摘しています。彼は1940年に次のように述べました。
「動脈硬化症(動脈の詰まり)と心筋変性(心筋の変性)は、イヌイットの間でかなり一般的な状態です。特に人口の平均年齢が低いことを考えると」
実際、ロシアのデータによると、1800年代のイヌイットの平均寿命は43.5歳ということです。
このイヌイットの人たちが健康で心臓病も少ない説は、ミイラ研究でも覆されています。他の地域のミイラよりも動脈硬化の跡が見られるのです。
結局のところ、魚油業界が自分たちの数十億ドル規模の魚油オメガ3産業を推進するための完璧なPRキャンペーンとしてこれに飛びついたのでなければ、今日私たちはこの話をしていなかったかもしれません。
一人の油の研究者が100日間このイヌイットの食事【エスキモーダイエット】を自ら試したそうです。
つまり、魚油の人体実験となったのですが、
この結果、100日後に血中のマロンアルデヒドというアルデヒドが50倍になったそうです。
そして、この研究者の精子数が0になってしまったということです。
ちなみに、マロンアルデヒドは子の奇形にも繋がる恐れがあるものなのだそうですが、それ以前に子供ができなくなってしまうってすごいですね。
でも、あれ?っておもいませんか?
健康情報追いかけていたら、エスキモーが魚ばっかり食べても健康な人たちだから、低炭水化物、高脂質、高タンパク質ダイエットは健康によい例として挙げられていたのではなかったでしょうか?
そうなんです。
それが、健康業界、栄養業界なのだ、と、知っていかなければなりません。
西洋文化が入ってきたから、彼らは不健康になったんだ〜と表現されたりするけど、実際はすでにPUFAまみれで不健康体だったのだと思われます。
実際、イヌイットのことを研究したヴィルジャルマー・ステファソンという人類学者はエスキモーに関して、【20代で老化の兆候が見られる、60代で西洋人の80歳くらいに見える】と記述しているのですよね。
でもね、これらの情報はちょっとやそっと調べたくらいでは、出てこないのです。
残念ながら数年前まで出てきていた論文さえも、検索しても出てこなくなっているのがこのPUFA関連の話です。
わたしはチャットGPT(AI)にヴィルジャルマー・ステファソンについて聞いてみました。
最初は、チャットGPTは【ヴィルジャルマー・ステファソンは典型的なエスキモーの食事は健康だと発見しました。】とふつーに返事してきました(笑)
そこで、【それは間違っています。彼は年齢の割に老化していると言っているのではないですか?】と伝えたら、
【私が間違っておりました。ヴィルジャルマー・ステファソンはエスキモーの人は若くして老化の兆候を見せると言いました】と訂正してきました(笑)
私達は、かなり情報操作の起こりつつある世界に生きている事を知って、納得行くまで調べる事、自分の頭でも考えることをしていかなければならないな、と思った出来事でした。