「健康で長寿のためには粗食&少食が良い?」という質問をインスタで投げたことがありました。
このアンケートの結果は
「正しい」17%
「間違ってる」17%
「わからない」67%
と、「わからない」が多くを占めていました。
この素食、少食が健康長生き理論は、どこから来たのか、というと、
ライフレート理論(Life Rate Theory)というものです。
この理論によれば、
代謝が速い生物はエネルギー消費が多く、その結果、老化が早まり寿命が短くなる。
逆に、代謝が遅い生物はエネルギー消費が少なく、寿命が長くなる
というもの。
つまり、
「栄養たくさんあげて、代謝よくすると、早死するよ!」
「だから、粗食&少食で代謝は遅く、長くほそーく生きるのが良いのです!」
というのがこの【ライフレート理論】ってわけです。
じゃあ、この理論がどこから来たのか、というと、「ヘイフリック限界」という概念から来たといわれています。
これは、レオナルド・ヘイフリック博士が1960年代にヒトの繊維芽細胞を用いた研究で提唱したもので、
何をしたのか、というと、
「栄養をたくさん入れた試験管でも、細胞が50〜60回分裂したら、その細胞は老化して分裂を停止して死んでしまう。」
ということを発見したもの。
そこから、細胞には、分裂する回数に限界があるのだ、という結論になり、それは、「ヘイフリット限界」と呼ばれています。
分裂回数に限界あるなら、代謝を落としてゆっくり分裂してもらったほうが良いというわけ。
では、質問の角度を変えてみましょう。
「試験管で、50回で分裂をやめて死んでしまうのだから、人の細胞は50回しか分裂しない。だから、粗食&少食にして代謝落としてゆっくり50回の分裂をさせてあげたほうが良い」
◯か✗か
ここも議論が分かれるところだと思いますが、
Ray Peat博士を始めとしたプロメタボリックアプローチの理論では、これを 「 ✗ 」と見ています。
人の細胞は人体の中では試験管の中では得られない代謝を上げる微細なホルモン要因が入ることで、老化が遅くなり、細胞分裂のスピートも早くなる、細胞の分裂回数が50回と決まっていて、老化して分裂できなくなる、ということにはならない、という主張です。
試験管はこの自然な人体にある環境、ホルモン要因が入らないことで、細胞が老化していき、最終的に50回で分裂を止め、死んでしまうという風にみています。
つまり、代謝というエネルギーATP生産を潤沢にお越してくれるための【ホルモンが不在】だと、人の細胞はどんどん老化に向かっていく、と見ているのです。
そして、それは実際そうです。
細胞は試験管ではなく、人間の実際の体の中では、様々なホルモンに微細な変化よって影響を受けて代謝を上げもするし、落としたりもするのですね。
このヘイフリット限界の実験はそういう意味で、代謝を上げてくれるホルモンがなければ、人は老化することを実証した研究だとも言えるのかもしれません。
実際の人の体の中で代謝を起こしてくれるための、必須なホルモンが「甲状腺ホルモン」です。
このホルモンは、脳から刺激が行って、甲状腺でT4で出されて、さらにT3に変換されて初めて活性を持ち、代謝を上げるように働いてくれるのですが、ストレスホルモンと言われるコルチゾールが高いと、T4はT3にうまく変換されません。
だから、「ストレスで代謝は落ちる」という表現は、生化学的に正解なのです。
さてさて、
私達の体は、栄養に依存しているし、そして、そういう微細なホルモンに依存して動きが決まっていくのです。
微細なホルモンは、栄養がちゃんとあって初めて働きます。
なぜなら、それらを作るのにもエネルギーが必要だし、ホルモンそのものがタンパク質だから。
そこで、最初の質問「健康で長寿のためには粗食&少食が良い」は嘘かホントか?
なのですが、限られた食料の中で生きるのなら、【低代謝にして生き延びるしか無い】というのが体の本音です。
でも、その場合は、生体が持つエネルギー総量が低いので、肉体がやれることは少ないです。ムダ遣い出来ないのでね。
多分少食にもなっていきます。
たくさん食べるのは食べること、消化することにもエネルギー使うし、肝臓などの臓器も実際に小さくなっていくので、解毒能力も落ちていく。。。
少し食べ、静かに生きていく派の仙人のようなのが理想の人は、それが良いのかもしれません(わからないけど)
私のように、活力もってエネルギーをたくさん使って生きることをしたい場合は、違うところにも出かけて、違う菌を吸い込むこともあり、違う環境に身をさらしてしまうし、、、とにかく体は対処することが増えるわけです。
だから、エネルギーもっていないと、やってられない!のです。
「たくさん食べて、たくさんエネルギーを作って、沢山そのエネルギーを体内にも外の活動にも消費する事ができる体になろうよ!」と言っているのが、このプロメタボリックアプローチなのですね。
現代生活、何かと汚染物質は多いし、静かに生きようとしてても、体内に毒が溜まる環境なので、ちゃんと排出できるエネルギーを持つことが健康に繋がる理由で、そう考えると、やはり、代謝を上げることでしか健康への道はないと思うのでした。
今日の内容がなにか参考になったら嬉しいです!