Q:更年期でエストロゲンが減っているのに、なんでホルモンの影響で不調になるんですか? という質問を頂きました。
お答えとしては、
A:血中のエストロゲン値が減っても、“組織内”ではむしろ増えていることが多いからです。
なのですが、今日はそのへんのことをもう少し詳しくかいてみます!
多くの女性が更年期になると、「エストロゲンが減っているから、不調が出る」
と言われ、ホルモン補充療法(HRT)を提案されます。
でも、これは半分正解で、半分は大きな誤解です!!
実は、血液中のエストロゲンが減っていても、組織内にはエストロゲンが溜まっていることがよくあります。
これは肝臓の解毒力や、代謝の低下によって、「排泄されるべきエストロゲンが体内に滞る」ことで起きる現象です。
では、どうしてそんなことが起きるのでしょう?
理由①:代謝が落ちて、エストロゲンの“排泄”がうまくいかないからエストロゲンは肝臓で代謝され、胆汁から排出されるホルモンです。
でも、甲状腺機能が落ちていたり、ストレスが多い生活をしていると、
この排泄ルートが滞り、結果的に体内に「エストロゲン様作用」が蓄積されていくんです。
理由②:エストロゲンの代謝物が炎症や浮腫、気分の不安定を引き起こす代謝されにくくなったエストロゲンは、体内で強力な炎症因子のように働くことがあります。
例えば、
- むくみ
- 頭痛
- イライラや不眠
- 子宮や乳房のハリ
など、いわゆる「エストロゲン過剰」として知られる症状が、 「実際には足りていないはずなのに」起こるのはそのためです。
理由③:プロゲステロンが圧倒的に足りない
エストロゲンに対抗するホルモンであるプロゲステロンは、ユースホルモンと言われて若さの秘訣なのですが、実は、これが年齢と共に急激に減少します。
これが、相対的エストロゲン過剰(Estrogen Dominance)という状態を生み出します。
つまり、「量」よりも「バランス」が重要なのです。
身体って、このプロゲステロンがエストロゲンのネガティブな作用を打ち消してくれていたからバランス取れていたのです。
それがなくなる更年期は、『エストロゲンが減ったから』ではなく、『プロゲステロンが減ったから』不調になってる、というわけです。
そんなわけなので、【重要】血中の数値だけで判断しない事。
「血液検査でエストロゲンが低い」と言われても、それだけで“補充すべき”と判断するのは本当に危険です。
大切なのは、
- 自分の代謝がしっかり機能しているか
- エストロゲンを「出していける」身体か
- そのバランスをとるプロゲステロンや代謝ホルモン(甲状腺など)が整っているか
という「全体の代謝バランス」を見ることです。
そうそう、結局、「代謝」というキーワードに行き着くのですね^^
今日の話が参考になったら嬉しいです!!
