牛乳、健康業界で結構叩かれていますよね。
「そんな中で牛乳って健康に良いよ!」とお伝えすると、「え〜でも、牛乳飲むと骨粗鬆症になるって言うじゃん?」とのコメントが帰ってきます。
でも、それって本当なのでしょうか。
プラントミルクのほうが健康に良い!!って豆乳をせっせと飲んだりしていませんか?
この「牛乳飲むと骨粗鬆症になる」という説、今日はこの節についてお伝えしたいと思います。
この説の背景には2つの誤解があります。
一つには、【酸性負荷理論】という説。
これは、「過剰なタンパク質摂取が骨に悪いという仮説」です。
この説では、高タンパク質食品(特に乳製品や肉)が体内で酸性の環境を作り出し、その酸性度を中和するために骨からカルシウムが動員されるから、とされています。
これ、根拠として引用された研究があって、それは、過去の短期的な研究で、高タンパク質摂取後に尿中カルシウム排泄量が増加することが観察されました。
これが「乳製品やタンパク質が骨に悪い」という説の根拠になりました。
でも、実際これは、誤解です。
そもそも、短期でみて、「こうなる!!!」というのは違うのです。
最新の研究や長期的な視点では、「高タンパク質摂取はむしろ骨密度を高める」
ことが示されています。
タンパク質はカルシウム吸収を促進し、骨形成をサポートするため、
短期的な尿中排泄だけをもって骨密度低下と結びつけるのは誤りなのです。
そして、もう一つは
乳製品のリンとカルシウムのバランスの問題
一部の批判者は、乳製品に含まれる「リン酸塩」が骨に悪影響を及ぼすと主張していて、
リンがカルシウムと拮抗関係にあるため、リンの摂取過多がカルシウム吸収を妨げる可能性があるとされました。
確かに、リンは過剰だと健康に悪影響です。
ただ、乳製品はカルシウムが豊富なので、リンとカルシウムのバランスは最適なのです。
カルシウムって大事って言うのはみんなわかっていることなのですが、
この栄養も血中濃度が維持されている必要があるものなのです。
それが下がってしまうと、副甲状腺が反応して、骨からカルシウムを出してきてしまいます。
ほとんどのカルシウムは骨や歯に存在しているけど、微量なカルシウムが体内ではめちゃめちゃ必要な働きをしているんです。
だから、血中にちゃんと一定量のカルシウムが必要なのです。
「カルシウムのために牛乳飲むなんて、そんなの古い考え方だ!!」と信じて、
1回目の子育て(もう長男は24歳)のときには牛乳は悪だ!!と飲ませなかったことが今はとっても悔やまれます。
本物のミルク(動物から搾ったもの)は栄養の宝庫なのです!
骨を強くするカルシウム、マグネシウム、カリウム、セレン、ビタミンA、B、D、K
が豊富に含まれている。
牛乳(全乳)の成分は、約87%が水分、4.6%が糖(乳糖)、3.4%がタンパク質、
4.2%が脂肪(ほとんどが飽和脂肪と一価不飽和脂肪—つまり「良い脂肪」です。
ただ、「そっか〜牛乳良いんだね!!」といきなり1リットルとか飲むのはやめてくださいね。
今まで牛乳をやめていた人は腸内のラクターゼがうまく分泌されていないかもしれないので、少しずつ(1日30ミリ)などで体に慣らしていく必要があるかもしれません。
また、チーズのほうが消化がしやすいので、チーズからスタートするのもありです。
また、市販のものだと反応しちゃうけど、良質なものを取り寄せたら大丈夫だった、
という方もいるので、ご自身に合うものを根気強く見つけてみてください。
真実とは違う食の神話やマーケティングの嘘に騙されないように。
