なぜアレルギーが起こるのか?
アレルギーの主な原因としてIgE(免疫グロブリンE)が注目されることが多いですが、
実はIgEはアレルギーの「原因」であると同時に、「結果」でもあります。
つまり、どういうこと?
っていうと、IgEの産生は体内の環境に大きく依存しており、単に遺伝的な要因だけで説明できるものではないのです。
例えば、骨髄由来のB細胞がIgE抗体を作るかどうかは、体内のシグナルによって決定されます。
その中でも最も強力なシグナルがヒスタミンです。
あ〜ヒスタミンね!!って思った方も多いかも。
ヒスタミンはアレルギーでは有名ですね。
そう、そのヒスタミンが、B細胞にIgE抗体を作るよう指示し、アレルギー反応を引き起こします。
つまり、逆を言えば、ストレスや炎症によってヒスタミンが過剰に分泌されなければ、IgEのレベルはそれほど上がらないということです。
では、問題のヒスタミンの分泌を促すものは何でしょうか?
そう。。。
その答えの一つがこのニュースレターやインスタの発信でもお伝えしているポリ不飽和脂肪酸(PUFA)です!
PUFAがアレルギーを悪化させるメカニズムPUFAは、プロスタグランジン(特にPGE2)の
産生を促進し、マスト細胞の増殖やヒスタミンの分泌を加速させます。
これが慢性的なアレルギー反応の引き金になっています。
最近の研究では、アレルギーを持つ母親の赤ちゃんは、ポリ不飽和脂肪酸の含有量が高い状態で生まれる傾向があることが分かっています。
そして、なんと、そのような赤ちゃんは幼少期にアレルギーを発症しやすいことも示されています。
さらに、PUFAは「健康に良い」とプロパガンダとして言われて来たHDL(善玉コレステロール)を増加させ、LDL(悪玉コレステロール)を減少させる働きを持っています。
しかし、実際にはHDLの高い人ほどアレルギーを発症しやすいというデータがあるのを知っていますか。
一方で、LDLが高い人はアレルギーを発症しにくい傾向があるのです。
PUFAは長年「健康的な脂肪」とされ、食事に推奨されてきましたが、現在では欧米でのアレルギー急増の原因の一つと考えられています。
なぜなら、PUFAは炎症を引き起こすシグナルを発するため、体内の免疫系に悪影響を及ぼすからです。
アレルギーを抑えるには「糖代謝」を高めることが重要。
PUFAがアレルギーを悪化させる大きな理由の一つは、細胞のエネルギー代謝(酸化代謝)を阻害することにあります。
細胞の代謝が低下すると、炎症を抑えるためのエネルギーが不足し、アレルギー症状が悪化しやすくなります。
レイ・ピート博士は、「エネルギー不足こそが、最終的に深刻なアレルギー問題を引き起こす主な要因」と述べています。
では、どうすればエネルギー不足を防ぎ、アレルギーを抑えることができるのでしょうか?
ざっとまとめてみますね!
糖代謝を高めてアレルギーを改善する方法
✅ 糖(果糖・ショ糖)をしっかり摂る
- 砂糖(ショ糖)は、肝臓で効率よくエネルギーに変換されるため、代謝を高めるのに最適です。
- オレンジジュースや蜂蜜は、アレルギー症状の改善に役立つ可能性があります。
✅ PUFAの摂取を減らす
- 植物油(大豆油・コーン油・キャノーラ油)を避ける。
- ナッツや種子類の過剰摂取を控える。
- 飽和脂肪酸(バター・ココナッツオイル・牛脂)を摂る。
✅ ビタミンEを摂取する
- ビタミンEはPUFAの酸化を防ぎ、炎症を抑える働きがあります。
- 卵黄・バター・レバーなどに含まれる天然のビタミンEを意識的に摂取しましょう。
✅ 甲状腺をサポートする - 甲状腺ホルモンは糖代謝を活性化し、ヒスタミンの過剰な分泌を抑える働きがあります。
- 適切な塩分摂取(ナトリウムはストレスホルモンを抑える)も甲状腺の機能を助けます。
✅ 腸内環境を整える
- ゼラチン・コラーゲン(骨スープ・グミ)を摂る。
- ニンジン・熟成チーズを適度に摂取する。
- 不要な食物繊維を摂りすぎない(過剰な発酵が腸内炎症を促すため)。
結論:「エネルギー不足を防ぐことが、アレルギー改善の鍵」
アレルギーは単にIgEの問題ではなく、エネルギー代謝の問題と深く関係しています。
特に、PUFAの摂取を減らし、糖代謝を高めることが、アレルギー症状を抑えるカギとなります。
もし、アレルギーに悩んでいるなら、
・ 糖質をしっかり摂る
・PUFAの摂取を控える
・代謝をサポートする栄養を摂る(ビタミンE、甲状腺ホルモン、ナトリウム)
といったシンプルな対策を試してみてください。
補足:サプリだけで解決するのは危険!?
「じゃあ、必要な栄養はサプリで摂ればいいんですか?」
これは、私がよくいただく質問のひとつです。
これ、イエスであり、ノーなので、最後に一言お伝えしておきますね。
確かに、サプリが役立つ場面はあります。
でも、実はサプリメントを自己判断で摂ることにはかなりのリスクもあるってことが栄養のことを学んでいくと恐ろしいほどわかっていくんです。
なぜなら、体には「栄養を奪いたがっている機会主義的な病原菌」が存在しており、
基盤(=代謝や腸内環境)を整えずにサプリを摂ると、それらの病原菌が逆に増強して、健康を害することもあるからです。
実際、クライアントさん一人ひとりの状態をモニターしながら、適切なタイミングや量を調整することが重要になってきます。
そのため、このような皆様に向けた形のニュースレターなどでは、「どんな人にでも安全に実践できる方法」にフォーカスしてお伝えしています。
サプリ入れればいいってもんじゃない、ってことも頭の片隅に置いておいてくださいね!
今日の内容がなにかの参考になったら嬉しいです!!
