エンドトキシン。
なかなか聞き慣れない言葉かもしれません。
掃除されていない布団や寝具はエンドトキシンを含む微生物や塵埃が蓄積しやすい場所です。
エンドトキシンは、グラム陰性細菌から出される毒素。
これは実は人体の腸がリーキーガットだと身体に炎症をもたらすので、嫌な存在なのですが、実は、家庭のほこりや塵埃の中にも存在することがあるのです。
これらの細菌が死んだり破壊されたりすると、「エンドトキシン」が放出されます。
特に、湿気が高い環境や、定期的に掃除や日光消毒が行われていない布団は、細菌の増殖とエンドトキシンの蓄積につながりやすくなります。
エンドトキシンはアレルギーや喘息などの呼吸器系の症状を悪化させる可能性があるので、定期的な布団や寝具の清掃、天日干し、または布団乾燥機の使用などにより、これらのリスクを減らすことは健康にとっても大切なことになってきます。
また、布団カバーやシーツも頻繁に洗濯することで、エンドトキシンやアレルゲンの蓄積を防ぐことができます。
布団乾燥機でエンドトキシンは減るのでしょうか?
布団乾燥機を使用することで、布団や寝具の湿度を減らし、エンドトキシンを含むグラム陰性細菌の増殖を抑制する効果は期待できます。
乾燥機の熱によって細菌の一部が死滅し、その結果としてエンドトキシンの新たな発生を抑えることができる可能性があるのです。
でも、既に細菌が死滅して放出されたエンドトキシンを直接除去するわけではありませんので、その点は注意が必要です。
エンドトキシンは熱に対してとても安定しているため、布団乾燥機の使用だけで完全に除去することは困難かもしれません。
しかし、定期的な乾燥と清潔に保つことで、細菌の増殖を防ぎ、結果的にエンドトキシンの蓄積を抑制することが可能なのですね。
また、特に、湿度が高い環境、家畜がいる場所、または定期的な清掃が行われていない場所でも、エンドトキシン濃度が高くなりがちです。
加湿器や空気清浄機のフィルター、換気システムなど、空気中の微粒子を集める家庭用器具も、エンドトキシンが蓄積しやすい場所となり得ます。
なので、室内空気の質を改善し、健康リスクを最小限に抑えるためには、定期的な清掃と適切な換気が重要なのですね。
そして、空気清浄機。
独立型のポータブル空気清浄機(AP)は、人気が高まっています。
ホテルの部屋などにもおいてある場所多くなりましたよね。
実験で、HEPA(高効率微粒子空気)フィルターを備えたポータブルAPによる空気浄化前後の室内空気中のエンドトキシンレベルの変化について研究したものがあります。
以前に使用されたAPをオンにして空気を清浄化したとき、なんと、部屋の中のエンドトキシンが増加することが観察されたのです。
AP内のHEPAフィルターを交換することで、大きなサイズのエンドトキシンの増加傾向は少なくなったけど、小さなサイズのエンドトキシンの増加は緩和されませんでした。
その結果として、APの使用は特にわたしたちの肺胞領域の空気中のエンドトキシン沈着を増加させる可能性があるというのです。
つまり、フィルターにはカビが蓄積していきます。やがて、このフィルターからカビが放出されることで、より状況が悪化するのです。
実際に、空気中のエンドトキシンがフィルターに蓄積し、それが空気中にリリースされることで、より空気中のエンドトキシン濃度が高まるという悪循環になるのですね。
ホコリが溜まる場所、要注意です。