ケトダイエットとは、炭水化物の摂取を極端に制限し、脂質の摂取を増やす食事法です。
このダイエットの目的は、体をケトーシス状態に導くことにあります。
ケトーシスとは、体が炭水化物(通常のエネルギー源)が不足すると、脂肪を分解してエネルギーを得る代謝状態を指します。この過程で、脂肪からケトン体という物質が生成され、これが新たなエネルギー源として利用されます。
具体的には、ケトダイエットする時には、日常の食事から炭水化物を大幅に削減し、その分を脂質で補うという考え方です。
たんぱく質の摂取量は適度に保ちつつ、全体のカロリー摂取の70%から80%を脂質が占めるように調整します。
炭水化物は通常、全体の5%から10%程度に抑えられます。
この食事法は、体重減少や糖尿病の血糖コントロール改善などに効果があるとされていて、
身体がケトン体をエネルギー源とすることでがん細胞も飢えさせることが出来る、とされているのですが、、、
本当でしょうか?
「ケトダイエットでがんと戦う」という本には以下のように書いてあります。
「ケトジェニックダイエットは、がんの予防と治療管理に使用できる自然で非毒性の科学的根拠に基づいたがん食です。
このダイエットが効果的なのは、がん細胞が生存するためには血糖(グルコース)の絶え間ない供給に依存しているのに対し、通常の細胞は代替燃料としてケトン体を使用できるが、がん細胞はそれができないためです。
ケトジェニックダイエットは血糖を下げながらケトン体レベルを上げるため、がん細胞を飢えさせつつ通常の細胞を栄養します。」
ーEllen Davis, MS, “Fight Cancer with a Ketogenic Diet
しかし、この主張は本当なのでしょうか?
プロメタボリックで健康を改善していくアプローチで、上げられている論文で示されていることによると、
糖を取り除いてケトン体を利用することでがん細胞を飢えさせることはできません。
がんはアミノ酸、脂肪酸、アセテート、ケトン体、そしてグルコースに依存して発展します。つまり、何だって栄養に出来るのです!
がんで死にゆく人々の顕著な特徴は、身体の衰弱があります。
がんはすべてを食い尽くしています。
がんはエネルギーがどこから来るのか、を気にしません。
それはただ燃料を求めているのです。
がん細胞は脂肪酸とケトン体も酸化することができ、これによってエネルギーを得ます。
さらに、ピート博士は腫瘍内での脂肪酸合成が活発に行われている点に注目しています。
腫瘍が脂肪酸合成を行うことで、グルコースが多量に消費されますが、この過程ではがん細胞はグルコースの酸化よりも脂肪酸の酸化を好むと説明されています。
つまり、腫瘍はグルコースを直接エネルギーとして利用するよりも、脂肪酸を生成し、それを酸化することでエネルギーを得ることを好むのです。
この過程で、グルコースが脂肪酸へと変換されるため、腫瘍内でグルコースの使用が促進されます。
結局、がんのリスクを減らす最善の方法は、ケトンダイエットではなく、強い免疫システムを持つことだと思っています。
ケトンダイエットは、糖が不足している状態なので、長期で見た時には身体は低代謝になり、胸腺が萎縮するので、免疫力も弱くなる、という結果になるのです。
強い免疫システムのためには、細胞レベルで活発な呼吸/代謝が必須です。
細胞呼吸を増加させる最良の方法は、体が糖/炭水化物/グルコースを利用する能力を高めることなのですね。
さて、みんなでしっかり細胞の糖代謝能力上げていきましょうね!
今日の話がなにか参考になったら嬉しいです!
