「ごめんなさい」「いいよ」が言えるのは脳のエネルギー次第。イライラや許せない気持ちは性格のせいではありません

これは、5人の育児に加えて来客もあり(姉と姪っ子が泊まりに来ていたのですが)、少しお疲れ気味だった日の出来事です。

ワンオペで子どもたちを連れ、家から30分ほど先のイオンへ車で向かっていた時のことでした。

運転しながら「耳学」をしていたせいで、少し注意が散漫になっていたのだと思います。ふと気づくと、なんだか変な道に入り込んでしまい、いつものルートから外れてしまっていました。

「あれれ〜?」なんて思いながら走っていて、イオンの駐車場へと曲がる角が定かではなかった私の不安定な運転のせいで……なんと、後ろから来ていた車とぶつかりそうになってしまったのです!(驚!)

もちろん、後ろの方は急ブレーキを踏みつつ、大きくクラクションを鳴らされました。間一髪でぶつかることはなかったのですが、もう、こればかりは完全に私が悪い。(本当にごめんなさい!)

その後、なんとかイオンの駐車場に入ったのですが、驚いたことに、その車も私と全く同じエリアに入ってこられたのです。そして、私が進む方角へ、ピタリと一緒に進んでこられます。。。

「あああ〜〜怒っているのかな?そりゃ怒るよね。。。」

と冷や汗をかきながら車を停めると、その方も少し離れた場所、でもこちらがバッチリ見える位置に車を停められました。

「これは一言、ちゃんと謝らなきゃ!」

そう思った私は、子どもたちを降ろすより先に車から飛び出し、その方の車へと走り寄りました。

「先ほどの、後ろの車の方ですよね?」と声をかけると、
「ああ〜」と、少し探るような感じのお返事。

私は間髪入れずに、「本当にすみませんでした!!!!!」と深々と頭を下げました。

すると男性は、「あああ〜、よかよか!!!!」と言って、車の後部座席を覗き込み、乗っていたお子さん?の方を向いて何やら話しかけていらっしゃいました。

ホッとしつつ、「本当にすみませんでした!」ともう一度お伝えして、私はその場を立ち去りました。

これ、、、もし私がすぐに謝りに行かなかったら、その方は「一言文句を言ってやろう!」と待ち構えていたのかもしれないな、と思います。

でも、私がためらわずに謝罪に向かったことで(本当に申し訳ないとめちゃくちゃ反省していたので)、相手の方もコロッと気持ちを切り替えてくださったのかもしれません。

私は注意散漫だったけれど、それでも「すぐに謝ろう!」ととっさに動ける“脳のエネルギー”が残っていて本当によかったなああ〜〜〜〜と、心から思ったのでした。

この頃、脳の勉強をするにつけ、すべての司令塔である「脳」の状態を意識するようになっていました。

結局、円滑な人間関係は、お互いに「脳のエネルギー」があって初めて成り立つものだと実感しています。

1. 「心の広さ」ではなく「代謝」の問題

私たちは日常の中で、ついイライラしてしまったり、自分の非を素直に認められなかったり、あるいは他人の小さなミスを許せなかったりすることがありますよね。

これは「性格の問題」や「心の狭さ」として片付けられがちですが、実はもっとシンプルで物理的な理由が潜んでいることが多いのです。

それが「脳のエネルギー不足(代謝の低下)」です。

脳は、私たちの体の中で最もエネルギー(グルコース)を消費する器官です。エネルギーが十分に満ちている時、脳は「安全モード」で機能し、周囲を思いやる余裕、共感力、状況を客観的に判断する力、そしてこの時のように「理性的かつ素直に行動する」ことができます。

2. サバイバルモードでのコミュニケーション

しかし、ストレスや疲労、栄養不足などで脳のエネルギーが枯渇してくると、脳は「サバイバルモード(生存競争モード)」に切り替わります。

サバイバルモードの脳は、とにかく自分を守ることで必死になります。
・相手の行動を「攻撃」だと認識しやすくなる
・自分の非を認めるのが「負け」や「生命の危機」のように感じて防衛的になる
・感情のコントロールが効かず、怒りや不安が爆発する

もしあの日、私の脳が完全にエネルギー切れのサバイバルモードだったら、「あんなにクラクション鳴らさなくてもいいのに!」と逆ギレしたり、怖くて車から降りられなかったりしたかもしれません。

そしてもし、相手の男性の脳がエネルギー切れだったら、私の謝罪を受け入れられず、怒鳴り散らしていたかもしれません。

「ごめんなさい」と言えること。
「いいよ」と許せること。

これらは決して当たり前のことではなく、お互いの脳に豊かなエネルギー(糖がしっかり代謝され、ATPが生み出されている状態)があって初めて交わせる、とても高度なコミュニケーションなのです。

3. 最高の人間関係円滑化スキルとは?

最近、パートナーや子どもへのイライラが止まらない。
どうしても素直になれない。
他人の言動がいちいち気になって許せない。

そんな風に感じている時、自分を責める必要はありません。それはあなたの性格が悪いのではなく、単に「細胞レベルでのエネルギーが枯渇しているサイン」だからです。

心の余裕は、体のエネルギーから。

だからこそ、日々の食事でしっかりと代謝を回し、脳に十分なエネルギーを届けてあげることが、一番の「人間関係円滑化スキル」だと私は思っています。

あなたには今、素直に「ごめんなさい」や「ありがとう」と言える、脳のエネルギーが残っていますか?

体の回復は、人間関係の回復にも必ず繋がっていきます。
ぜひ、ご自身のエネルギー状態を意識してみてくださいね。


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長年の不調で「もう何を信じればいいかわからない」あなたへ。生化学が不安を「安心」に変える理由

ある日の午前中、嬉しい報告がありました。
「7日間チャレンジ」のフォローアップセッションを行っていた時のことです。

お話しさせていただいた方は、なんと7〜8年もの間、その体調不良に苦しんでおられました。
ずっと解決策を探し続けてきた中で、私のインスタのリール動画が目に留まったそうです。

『夜中に目が覚めるのは、脳のエネルギー不足。
燃料切れを起こした体が、無理やりアドレナリンを出して起こしているんですよ!』

この内容に、「これだ!」とピンときて申し込んでくださったとのこと。
その日のセッションでは、抱えていた疑問に一つずつお答えしていったのですが、
「これからがすごく楽しみです!」と、本当に晴れやかな表情で語ってくださいました。

お力になれたことが嬉しくて、私自身もとても心が温まる時間でした。

1. 「常識」の逆を行く驚きと、納得感の力

私がお伝えしている「プロメタボリックアプローチ」は、
世の中で一般的に言われている『栄養療法』とは、時には真逆のことをお伝えします。

「えっ、糖質を摂っていいの?」
「野菜ファーストじゃなくて大丈夫?」

最初は驚かれる方も多いです。
でも、それを「生化学(体の仕組み)」から丁寧に説明すると、
「なぜそうなのか」という理由がストンと腑に落ちます。

たとえ世間の常識と違っていても、自分の体の中で起きていることが科学的に理解できれば、
人は「安心して」進めるようになるのです。
不安を「安心」に変えるのは、根性でもポジティブシンキングでもなく、「正しい知識」です。

2. 私は「点と点」をつないでいるだけ

私がこうして自信を持ってお伝えできているのは、私が特別な能力を持っているからではありません。

私の先人である博士たちが、何十年も前から訴え続けてきた膨大な研究成果があるからです。
そして、それを実践し、実際に人生を変えてきた世界中の人たちが今この瞬間も存在しているからです。

私自身も博士たちの理論を必死で学び、生化学の知識を深めていく中で、
バラバラだった知識という「点」が、一つの大きな線としてつながりました。
「このやり方は正しい」という大いなる納得感と感動、そして、これを知らないと本当にヤバい!という危機感が、私の発信の原動力になっています。

3. 言語の壁を超えて、本質を届けたい

残念ながら、日本の栄養情報は世界から取り残されています。

アメリカやヨーロッパではすでに主流になり、実践者が増えている内容であっても、
日本には「言語の壁」があり、本質的な情報はなかなか届きません。
そもそも「そんな考え方があるなんて想像もできない」という方が、まだまだ多いのが現状です。

だからこそ、私はその壁を壊したいと思っています。
難解な英語の論文や理論を、誰にでもわかる言葉に変えて、
かつての私と同じように暗闇の中にいる方へ届けたい。

それが、私の使命だと思っています。

プロメタボリックアプローチに「脳の機能改善」という視点が加わってから、本当に、何段もレベルアップした感じがしています。
脳がエネルギー不足だと、私達は血糖値が上がるし、免疫が異常行動になるし、腸は動かなくなるし、思考はパニックになるし、不安感がでるし、ネガティブになるし、物忘れはするし、集中力はなくなるし、やる気は出ないし、自己信頼がなくなるし、、、、色々な不調がでてくるのです。
だから、本当にお伝えしたい。
あなたの不調は、あなたのせいではないのです。
エネルギー不足なだけですよ!と。

もしあなたが、長年解決しない体調不良に悩んでいて、
「もう何を信じればいいのかわからない」と感じているなら。

どうぞ、ご自身の「体の中で起きていること」を知ることから始めてみてください。
生化学の視点で見れば、あなたの体に起きている不調は、
あなたを苦しめるためのものではなく、懸命に生き延びるための「叫び」だとわかるはずです。

一緒に、その声に耳を傾けていきましょう!


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夜中に感情が爆発するのはなぜ?「脳の予算不足」と、回復し始めたからこそ起きる心の大掃除

ある日、身内の行事で少し緊張する場面がありました。
社交的な場で、周囲を気遣い、自分でも「今日はうまく振る舞えた」と思っていたんです。

ところが、その夜。
家に帰ってホッとしたはずの深夜に、家族に対して猛烈な怒りと悲しみが爆発してしまいました。
「なんであんな態度をとったの!」「私のことなんて、どうでもいいのね!」と。

昼間はあんなに冷静でいられたのに。
以前よりさらに、脳への栄養(グルコース)を意識して、心も体も安定してきたはずなのに。
なぜ、こんなに激しい感情に飲み込まれてしまったのか?

ここでは、その「感情が爆発するメカニズム」について、私がこの体験から得た、
とても重要で、救いになる「脳の真実」をシェアさせてください。

1. 「正しい認識」には、膨大なコストがかかる

脳にとって、思考は「経済」です。

「相手のあの態度は、私を軽んじているわけではない」
「私の価値は、誰に何をされても1ミリも揺るがない」

こうした「真実に基づいた正しい認識」を選ぶことは、脳にとって非常に「高級な、高コストな作業」です。
実行するには、たっぷりの燃料が必要です。

一方で、
「私は大切にされていない」「私なんて居場所がない」
といった「古くてネガティブな思考パターン」は、脳の中にすでに太い高速道路ができあがっているため、ほとんど燃料を使わず、オートマチックに再生されます。いわば「激安の思考」です。

私が昼間、平気なフリをして「正しい認識」を保てたのは、燃料がまだあったからです。
しかし深夜、燃料が底をついた時、私の脳は「高価な思考」を維持できなくなり、強制的に「激安のネガティブ思考」へと逃げ込んでしまいました。

深夜の爆発は、私が未熟だから起きたのではありません。
「脳の予算不足」が引き起こした、防衛反応なのです。

2. 回復し始めたからこそ、感情が激しくなる

「栄養を摂り始めてから、かえって感情が激しくなった気がする」
もし、そう感じている方がいたら、どうぞ安心してください。

それは、あなたの脳が活力を取り戻し、「人生の大掃除(リフォーム)」に着手した証拠だったりします。

燃料が足りなかったこれまでのあなたは、心の中にある「古いゴミ(誤った思い込み)」を処理するエネルギーさえありませんでした。だから、麻痺させて、無視して、ただ生き延びるのが精一杯だったのです。

でも今、燃料が供給されたことで、あなたの脳はこう判断したのです。
「今のあなたなら、このゴミを片付けられるはずだ」と。

脳があなたを信頼したからこそ、長年放置されていた「怒り」や「悲しみ」というゴミが、表層に浮かび上がってきているのです。今の感情の波は、あなたが「真実」へと一列に並ぶための、ポジティブな工期に他なりません。

3. 「ガソリン」と「ハンドル」をセットで

感情を安定させるには、「燃料(グルコース)」が必要です。
でも、それだけでは不十分なこともあります。

グルコースは「脳というエンジンを動かすためのガソリン」ですが、
認識の調整は「その車を正しく導くためのハンドル操作」です。

ガソリンだけを増やして、古いハンドル操作(私は価値がない、という思い込み)のままでいれば、車はより強力なパワーで、間違った方向へと突っ込んでしまいます。

だからこそ、私たちは「栄養を摂ること」と同じくらい、
「私の価値は、外部の状況では一切変わらない」という真実を、
一つ一つ自分に教えてあげる作業(アラインメント)が必要なのです。

あなたは、感情を爆発させてしまった後、自分を責めてしまうことはありませんか?

もしあれば、まずは温かい飲み物と糖分を摂って、こう自分に言ってあげてください。
「燃料が切れるまで、よく頑張って正しくあろうとしたね」
「今、脳が一生懸命リフォームをしてくれているんだね」

怒りはダメなものでも、失敗でもありません。
それは、あなたが自分自身の「最高の価値」を取り戻していくための、大切なデータなのです。

一緒に、その「大掃除」を進めていきましょう。


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何かを「当たり前」にしたいなら環境に身を置く|脳は周りの「ふつう」に自分を合わせていく

関西へ、2泊3日で出かけたときの話です。

目的のひとつは、勉強会に出ること。

仕事がどんどん煩雑になっていくなかで、AIに任せられるところは任せる、ということをやっていて、その効率化のために、もう一段学びを深めたかったのです。

もうひとつは、京都でお茶の学校をやっていて、2週間以上出張していた夫を訪ねること。

留守のあいだは、父がわざわざ福岡から長崎まで来てくれて、孫たちと3日間を過ごしてくれることになりました。

料理はたっぷり作って、これこれはいついつ食べて!と、冷蔵庫に入れて。

あとは、みんなで協力して頑張ってくれていたようです。

その勉強会の会場で、あらためて感じたことがあります。

20代と30代の中に、、、、

会場は、20代、30代の方がメインでした。

皆さんそれぞれ、いろんなお仕事をされている方たち。

その中に、私と、私のお隣の方。

実は私は52歳で、お隣の方は72歳。

私達の列が会場の平均年齢を上げていたのは間違いないのですが、

でもこのお隣の方が、もう、めっちゃ元気な方で、

本当に幅広くいろいろされていて、いい年の取り方をされている方だな〜と、話もすっかり盛り上がりました。

長崎から関西まで出てきていたのは、私くらいでしたけれども。

「ふつうの会話」の中に、知らない常識がある

その場にいて、いちばん強く思ったのは、これです。

何かを上手になりたいとき。

自分の中で、それを「当たり前」にしていきたいとき。

一番の近道は、その環境に身を置くこと。

その場で交わされているのは、特別な講義ではなく、ふつうの会話です。

でも、その「ふつうレベル」の中に、私が聞いたこともないことが、当たり前のように混ざっている。

その場にいなければ、その常識に触れることすらありません。

だから、自分の中でまだ達成できていないことがあるとき、それを一人きりで何とかするのは、やっぱりすごく難しい。

本を読んでも、動画を見ても、そこに書かれているのは「誰かが選んで、まとめたもの」です。

その人たちにとってあまりにも当たり前で、わざわざ言葉にされないことは、その場にいないと入ってこない。

環境の力って、本当に偉大だと思っています。

脳は、周りとずれると「エラー」を出す

これを、脳の側から見た研究があります。

2009年に『Neuron』に出た、オランダのドンダース研究所のグループの研究です(Klucharev et al., 2009)。

参加者に、たくさんの顔写真を見せて、魅力を点数で答えてもらいます。

答えたあとに、「ほかの人たち(集団)は、この顔をこう評価しました」という点数を見せる。

そして、そのときの脳の働きを、MRIで調べました。

すると、自分の評価が集団の評価とずれたとき、脳の中の2か所——前帯状皮質の前のほう(rostral cingulate zone)と、腹側線条体(ventral striatum)——に、ある反応が出ました。

それは、学習の研究で「予測誤差」と呼ばれている信号に、よく似た反応でした。

予想と現実がずれたときに出る、「あれ?ずれているよ」という合図です。

そしてこの反応が大きかった人ほど、あとで同じ顔をもう一度評価したとき、集団の評価に近づく方向へ、自分の判断を修正していました。

研究者たちは、集団の「ふつう」は、学習の仕組みを通して、私たちの判断を合わせさせている、とまとめています。

それどういうことかというと、

周りの「ふつう」と自分がずれていると、脳はそれを、ちょっとしたエラーとして受け取る。

そして、そのエラーを小さくする方向へ、自分を少しずつ調整していく。

これは、誰かに合わせようと意識してやっていることではありません。

脳が、勝手にやっていることなのです。

脳は「当たり前」に、一番労力なく合わせていく

以前、娘の計算の話を書きました。

8たす5が、くり返すうちに13にしか見えなくなる。

脳はくり返したことをパターンにして、エネルギーの無駄遣いを減らしている、という話です。

この話も、その続きだと思っています。

脳は、ひとつひとつを特別なこととして、毎回がんばって処理するよりも、

自分の水準の「当たり前」のところに、一番労力の少ない形で合わせていこうとします。

そして、その「当たり前」の水準を決めている大きなものが、周りの「ふつう」です。

毎日ふれている会話。

毎日見ている人の動き方。

毎日聞いている、何気ない言葉。

それが、くり返しになって、パターンになって、いつの間にか自分の「ふつう」になっていく。

だとしたら、

ひとりで「当たり前を変えよう」とがんばるのは、毎回ゼロから8たす5を手順で解こうとするようなものかもしれません。

その「ふつう」の中にいれば、脳は、勝手にそちらへ合わせていってくれる。

「当たり前を変える」って、よく言われますけれども、

それって、本当にこういうことなんだよな〜と、あらためて実感する旅でした。

だから、ひとつだけ気をつけたいこと

この仕組みは、両方向に働きます。

いい環境に入れば、その「ふつう」に引き上げられる。

でも、たとえば、

「糖はこわいもの」が当たり前の場所。

「疲れているのが当たり前」の場所。

「がまんするのが当たり前」の場所。

そこにずっといると、脳はやっぱり、そちらに合わせていきます。

それは、あなたの意志が弱いからではありません。

脳が、一番労力の少ない道を選んでいるだけなのですね。

そしてもうひとつ。

新しい環境に入って、ずれを感じて、自分を調整し直す——これには、それなりのエネルギーが要ります。

以前書いたとおり、パターンを作り直すのにも、エネルギーが要るのです。

だから私は、いい環境に身を置くことと、脳にちゃんと燃料を届けることは、セットだと思っています。

助けが得られるときは、動く

もちろん、いつでも家を空けられるわけではありません。

あのときも、父が福岡から来てくれたから、行けました。

助けが得られそうなときは、こうして動く。

そして、自分がレベルアップした分は、家族に還元したり、関わってくださっている方たちに還元したりする。

そんな形で、循環させていけたらいいなと思っています。

あなたが今、「当たり前」にしたいことは、何でしょう。

そしてそれは、どんな人たちの中に入れば、ふつうに転がっていそうでしょうか。

参考文献
Klucharev V, Hytönen K, Rijpkema M, Smidts A, Fernández G. Reinforcement learning signal predicts social conformity. Neuron. 2009;61(1):140-151.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19146819/


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トゲのある一言、「フレネミー」の正体は脳のエネルギー不足。振り回されないための距離のとり方

これは「ある言葉」から考えさせられた、脳のエネルギーと心のあり方についてのお話です。

実は、もうすぐ中学生になる娘の制服を、遅ればせながら町のお店に受け取りに行った時のこと。

1. 「フレネミー」という言葉の鋭さ

町の小さなお洋服屋さん。そこは、地域のご年輩の方々の「たまり場」のようにもなっていました。
私と娘が制服を受け取りに行くと、お店の方と二人の女性が奥の方でお茶を囲んでお話しされていて。

私たちはその方々の目の前で店員さんとやり取りをすることになったのですが、最初、お一人の女性が「こんな若い子が、この店に何の用かしら?」と、なんとも怪訝そうな、冷ややかな視線を送ってきたのです。

やり取りが進み、中学校の制服を引き取りに来たのだと気づくと、
「あら、中学生になるとね?」と娘に話しかけられました。

娘が「はい…」と答えると、
「そんな風には見えんねえ(笑)」と一言。
娘は苦笑いするしかありません。

「お会計、85,050円です」と店員さんに言われ、お支払いをしていると、さらに追い打ちをかけるようにその女性が言いました。

「あんた、大きくなったら、しっかり稼いで、親に返さんばよ!」

その時点で娘はもう、その方の方を見ることなく、返事もしない状態になっていました(笑)

お店を出た後、娘がポロンとこぼした言葉が印象的でした。

「私、ついこの前、もうランドセル背負っているのが不自然なくらい(大きく)なったね!っておばあちゃんに言われたのに、今日は中学生に見えん、って言われた(涙)」

「ああいう人は、どんなことでもマイナスにしか言わないから、あなたがどうこうじゃないよ」となだめていると、娘が一言。

「それ……『フレネミー』やな」

フレネミー(Frenemy)。
「フレンド(友達)」と「エネミー(敵)」を組み合わせた造語だそうです。
「友達のふりをして近づいてくる敵」、あるいは「親しげに接しながら、チクリと攻撃してくる人」。

なるほど、現代の子供たちはそんな言葉で現象を捉えているのかと、その表現の鋭さに感心してしまいました。

2. 「不足感」の正体は、脳のエネルギー不足

なぜ、わざわざ他人の子供に対して、釘を刺したり、喜びを削ぐようなことを言ってしまうのでしょうか。

私は、その方の「心の状態」というよりも、根本的な「脳のエネルギーの枯渇」が原因だと思っています。

私たちの脳は、全身の中でも最もエネルギー(糖)を消費する臓器です。
そして、他者を思いやったり、未来をポジティブに捉えたり、広い視点を持つためには、相当な「脳のエネルギー量」を必要とします。

もし、脳のエネルギー代謝がスムーズに回っていなければどうなるでしょうか。

脳は「非常事態」だと判断し、まずは自分を守るために防衛本能を強めます。
視野は狭くなり、他人の幸せや成長を素直に喜ぶ「余裕」が失われます。

すると、自分自身の内側に「足りない」「満たされない」という【不足感】が慢性的に居座ることになります。
その不足感を埋めるために、自分よりもエネルギーに満ちた若い世代に対して「ダメ出し」をしたり、「批判」をしたりすることで、無意識にバランスを取ろうとしてしまうのです。

つまり、トゲのある一言は、その人の心の底にある「私は満たされていない」というSOSの裏返しでもあるのですね。

3. 丁寧に「交わらない場所」へ下がる

そんな「フレネミー」的な振る舞いに出会うと、どうしても残念な気持ちになったり、心がさざなみ立ったりするものです。

でも、こちらができる最善の策は、戦うことでも、相手を変えようとすることでもありません。

丁寧に、そっと、その方と「交わらない場所」へ下がること。

相手の言葉を自分の価値として受け取る必要はありません。
「ああ、この方は今、脳のエネルギーが足りなくて、世界が不足して見えているのだな」
そう客観的に捉えるだけで、自分を守るための境界線を引くことができます。

そして何より大切なのは、私たちは自分の脳と体に、たっぷりとエネルギー(糖)を満たしてあげること。

自分が満たされていれば、誰かに何かを言われても「そういうこともあるよね」と流せるし、他人の成長を「素晴らしいね」と心の底から応援できるようになります。

もうすぐ中学生になる娘には、
「世界にはいろんな視点の人がいるけれど、まずは美味しいものを食べて、自分のエネルギーをしっかり満たしておこうね」
そんな風に伝えた一日でした。

あなたの周りにも、もしチクリと言ってくる「フレネミー」が現れたら、それは相手のエネルギー問題。
ぜひ、甘い蜂蜜入りの紅茶でも飲んで、自分のエネルギーを優先してチャージしてあげてくださいね。


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「糖をやめたら若返った」は本当?エビアンの湧き水が教えてくれた、体が変わるための「時間」

これは、旅もいよいよ最終章、ゆっくり観光できる最後の日の話です。
結構私は痛めていた足が痛くって、びっこを引きながらの観光でした。

ローザンヌからエビアンにフェリーで渡って、エビアンの町を楽しみました。
エビアンはあのエビアンの水で有名な「エビアン」。

19世紀から「療養水」として使われてきたその水は、
カルシウムとマグネシウムが多い硬水です。

アルプスの雪や雨が地中に染み込み、氷河由来の地層を通り、
約15年かけてろ過され、ミネラルを含んで湧き出るそう。

その場所が港から近くだと知って、行ってみることに。
飲んでみると、確かに、なんだか届く感じの水でした。

水って不思議なものですよね。

無色透明で、形もない。
でも、その一滴がどこから来て、どんな道のりを辿ってきたのかを知ると、
私たちの体の中で起きている「奇跡」のようなメカニズムとも、
どこか重なる部分があるように思えてなりません。

ここでは、エビアンの湧き水から教わった、
「本当の癒し」と「体が変わるための時間」について。

15年かけて湧き出る「癒しの水」

エビアンの水が湧き出るまでには、
アルプスに降った雨や雪が、なんと15年もの歳月をかけて、
氷河の地層をじっくりと、じっくりと通り抜けてくるのだそうです。

15年ですよ、15年。

ただの「雨水」が、何層ものフィルターを通り、
アルプスの大地のミネラルをたっぷり抱え込んで、
ようやく「癒しの水」として地上に現れる。

このストーリーを聞いたとき、私は自分の「痛めた足」と、
今あなたと一緒に取り組んでいる「代謝改善」を
思い出さずにはいられませんでした。

私たちは、何か不調があったり、体が重かったりすると、
つい「すぐに」結果を求めたくなります。

あのサプリを飲めば。
この食事に変えれば。
明日には、魔法のように全部良くなるんじゃないか。

でも、本当の意味での「細胞の入れ替わり」や「体内環境の再構築」には、
やっぱり、それ相応の時間が必要なのです。

私たちがこれまで、意図せずとも長年取り込んできた、
古い油(PUFA)や、ストレスによる炎症のゴミ。

それらを一つ一つ手放して、
本来のエネルギー(糖代謝)がスムーズに回るようになる道筋は、
まさに、雨水がアルプスを通り抜けていく道のりのようです。

カルシウムとマグネシウムの絶妙なバランス

エビアンの硬水が「療養」として愛される理由の一つに、
「カルシウムとマグネシウム」の絶妙なバランスがあります。

Ray Peat博士の理論でも、
カルシウムはただ摂ればいいというものではなく、
細胞のエネルギー(ATP)を守る「マグネシウム」という存在があって初めて、
私たちの体(細胞内の水構造)を正しく保つことができると言われています。

「なんだか細胞まで届く気がする」

そう感じたのは、きっとその水が、
私たちの細胞が「心地よい」と感じる、
自然で力強い「構造(ストラクチャー)」を持っていたからかもしれません。

「糖を辞めたら若返った」の落とし穴

ところで、ある時インスタのリールに、こんなコメントをいただきました。

「糖を辞めたら、肌も綺麗になって若返った!
だからやっぱり、糖は人類にとって悪いものなんじゃないですか?」

といった内容です。

確かに、甘いもの(特に酸化した油や添加物がたっぷり入った、質の悪い市販のスイーツなど)をバッサリ辞めると、
一時的に体が軽くなったり、肌にハリが出たように感じたりして、
「若返った!」と嬉しくなる時期があるのは事実です。

でも、ここには大きな「代謝の落とし穴」が隠されています。

まず、甘いものと一緒に摂っていた「悪い油」や添加物を辞めることで、
一時的に「体の中のゴミ」による炎症が引くため、
不調が消えたように見えることがあります。

いわば、工事現場から一旦ゴミを撤去したような状態です。

そしてもう一つ、多くの方が悩まれている「カンジダ菌」の問題。
これも、「糖を抜けばカンジダが死んで解消する」と思われがちですが、
実はここに大きな落とし穴があります。

カンジダ菌は、餌である「糖」が供給されなくなると、
大人しく死んでくれるわけではありません。

むしろ、生き残るために「菌糸形」という、
深く根を張るような、より攻撃的な形態へと変身するのです。

糖がないなら、あなたの腸の粘膜を突き破って、
血液中から直接エネルギーを奪い取ろうとする。

これが腸を傷つけ、さらなる炎症や未消化物の流入を招き、
体力をじわじわと削っていく原因になります。

つまり、糖を抜くことは、カンジダを「殺す」のではなく、
「飢えさせてより凶暴にさせている」だけかもしれないのです。

ですが、そこからがさらに本質的な問題。
エネルギー源である「糖」を絶たれた時、私たちの体は
「緊急事態!」と判断して、アドレナリンやコルチゾールといった
ストレスホルモン(戦闘ホルモン)をドバドバと出し始めます。

これらのホルモンには、
「無理やり細胞を奮い立たせ、高揚させる」という働きがあります。

この時のシャキッとした感覚や、張り詰めた感じを、
多くの人が「本来の元気」や「若返り」だと勘違いしてしまう。

でもそれは、いわば「明日の分のエネルギーを前借りしている」
借金まみれの状態なのです。

アルプスの山を削り取って、無理やり水を絞り出しているようなもの。
やがて山は枯れ、体は冷え、細胞の構造を保つ力そのものが
損なわれていってしまいます。

焦らず、でも着実に

本当の意味での「若さ」とは、
カンジダに怯えて食事を制限することや、
ストレスホルモンで無理をさせることではありません。

細胞一つ一つに十分なエネルギー(ATP)が満ち溢れ、
免疫が正しく機能して、菌と調和していられる環境があること。

エビアンの湧き水が15年の歳月をかけて「構造」を作っていくように、
「良い糖」でエネルギーを回し、少しずつ体内環境を整えていく。

その先に待っているのが、
何年経っても枯れることのない、本物の潤いと健やかさなのです。

もし、今あなたが、
「なかなか体が変わらないな」
「結果が出るまで、あとどれくらいかかるんだろう?」
と不安になっているとしたら、
ぜひ、エビアンの15年という歳月を思い出してみてください。

地道に「良い糖」を摂り、ミネラルをバランスよく取り入れ、
体内環境をじっくりと『本来の健やかさへと研ぎ澄まして』いく。

そのプロセスこそが、
数年後のあなたを支える、混じり気のない「湧き水」を作っていることなのだと思います。

焦らず、でも着実に。
あなたの体という「大自然」の力を、信じてあげてくださいね。


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計算が速くなるのは頭の良さではない|脳はくり返しを「パターン」にしてエネルギーを節約している

小2の娘が、繰り上がりのある足し算で、ずっともたついていた時期がありました。

8たす5。5たす8。

答えは出るのです。でも、頭の中でゆっくりゆっくり考えてから、やっと出てくる。

そこで、計算の練習アプリを作りました。

計算カードでもよかったのですが、スマホなら、いつでもパッと渡して「はい、ちょっと練習どうぞ〜」ができるので。

何秒かかったかが出て、間違えたら「ブブー」、合っていたら「ピンポン」。

それだけのアプリです。

娘はせっせっせっせと、ちょこちょこ練習するようになりました。

最初は40問に5分かかっていたのが、3分台になり、やがて1分台に。

この「必ず速くなる」ことの裏で、脳が何をしているのかの話です。

そしてそれは、計算だけの話ではありません。

手順で解く脳、取り出して答える脳

最初の娘の頭の中は、たぶん、こうです。

「8に2を足したら10。5から2を取ったら、あと3。だから….13」

ひとつひとつ手順を踏んで、やっと13にたどり着く。

それを何度も何度もくり返していくうちに、「8たす5」は、もう13以外に見えなくなります。

考えるより先に、答えのほうが出てくる。

毎日同じ道を車で通っていると、ほとんど何も考えずに職場まで着いてしまうのと、同じことですね。

この変化を、脳の画像で追いかけた研究があります。

2014年に『Nature Neuroscience』に出た、スタンフォード大学のグループの研究です(Qin et al., 2014)。

7〜9歳の子どもたちを、時間をあけて何度もMRIで調べ、算数を解いているときの脳の働きを追いかけました。

子どもたちの解き方は、成長とともに、「数えて解く」やり方から、「記憶から答えを取り出す」やり方へと移っていきます。

その移り変わりにあわせて、記憶に関わる海馬の働きが増え、手順を一つずつ組み立てるときに使う前頭葉・頭頂葉の働きは減っていった。

研究者たちは、この海馬の働きが、子どもの認知の発達の大きな節目——手順で解く段階から、記憶で解く段階への移行——の要になっている、とまとめています。

それどういうことかというと、

娘の「8たす5」が13にしか見えなくなったとき、娘の脳の中では、使う場所そのものが入れ替わっているのです。

毎回ゼロから組み立てていた作業が、「取り出すだけ」の作業に置き換わった。

なぜ脳は、パターンにしたがるのか

ここで、私がいちばん大事だと思っていることがあります。

脳が、くり返したことをどんどんパターンにしていくのは、エネルギーの無駄遣いを減らすための作戦だ、ということです。

脳は、体重の数パーセントしかない臓器なのに、体全体のエネルギーのかなりの部分を使っています。

そんな大食いの臓器が、同じ問題を毎回ゼロから手順を踏んで解いていたら、とても燃費が悪い。

一度パターンにしてしまえば、同じ答えを、ずっと少ない手間で出せる。

だから脳は、パターンにできることは、なんでもパターンにしていきます。

勉強はある意味、「いかにくり返させるか」の勝負です。

頭がいい、悪いの問題ではない。

くり返せば、必ずそうなる。

それが脳の仕組みなので、娘にもそのまま話しています。

「頭がいいとか悪いとかじゃないよ」

「やっていたら、必ずそうなるよ」

「それが、脳の仕組みなんだよ」

いつの間にか、「何たす何は?」と聞かれたら、スッと答えが出るようになって。

瞬時に答えられることが、本人もやっぱり面白かったらしく、とても楽しそうでした。

できるようになることは、それ自体が楽しい。

これも、見ていて面白いところでした。

ただし、パターンを作るのにもエネルギーが要る

ひとつだけ、見落とされやすいことがあります。

パターンを作る作業そのものにも、エネルギーは要る、ということです。

パターンができあがってしまえば、その後はずっと省エネで回る。

でも、そこにたどり着くまでの「くり返し」の期間は、脳にとって、むしろエネルギーを使う時期です。

だから、脳に栄養が足りていない状態でいくら練習しても、パターンになるのが遅い。

同じだけ練習しているのに、覚えられる子と、なかなか覚えられない子がいる。

それを「頭の良し悪し」で片づけてしまう前に、その子の脳に、パターンを作る余力があるかどうかを見てあげたいのです。

しっかり栄養をとらせた上で、くり返させてあげる。

順番は、こちらです。

大人も同じです。

私自身、英語で行われている脳機能の講義を、自分の理解に落とし込むために、自分用の教材を作っています。

入り組んだ内容を、くり返し聞いて、くり返し訳して、やっと自分の言葉で説明できるようになる。

大人になっても、くり返しでしか身につかないのは、変わりません。

パターンにしてほしくないものまで、脳はパターンにする

脳は、パターンにできることは、なんでもパターンにしてしまいます。

計算のように、パターンにしてほしいものだけではなく。

パターンにしてほしくないものも。

たとえば、

あの人がこう言ったら、それはきっと、こういう意味。

チラッと見られたら、「どうせ私のこと、変なやつだと思ってるんでしょ」。

こういう嫌な気持ちは、「その場で考えて出した結論」のように感じますよね。

でも実際には、脳の「予測」の結果として、先に生まれてきています。

8たす5が、考えなくても13に見えるのと同じように、

チラッと見られただけで、考えるより先に「きっと嫌われている」が出てきてしまう。

脳にとっては、どちらも同じ「省エネの自動処理」なのです。

それって、生きていく上で、とても生きづらいですよね。

なんというか、愛のない世界です。

本当は、そうではないことが、真実かもしれない。

相手はただ、ぼんやりこちらを見ていただけかもしれない。

でも、自分の脳がそうパターン化してしまっていたら、もうそれが真実だとしか思えないのです。

セッションのあとで、また同じ考えに戻る理由

だから、書き換えが必要になります。

カウンセリングやセッションで「こう捉え直してみましょう」と話して、その場ではとてもいい気持ちになった。

新しい見方が、ちゃんと腑に落ちた気がした。

でも、日常に戻って数日すると、やっぱりまた同じ考え方に落ちていく….。

そういう経験をされた方は、多いと思います。

どうして、パターンが外れないのか。

私は、書き換えるためのエネルギーが、脳に足りていないことが多いのだと見ています。

パターンを作るのには、エネルギーが要る。

できあがったパターンを外して、新しく作り直すのにも、同じようにエネルギーが要ります。

しかも、古いパターンは、省エネで勝手に回ってくれる。

エネルギーが足りない脳にとっては、慣れた古い道のほうが、ずっと楽なのです。

これは、意志の弱さではありません。

燃料の足りない脳が、いちばん燃費のいい道を選んでいるだけなのですね。

エネルギーが届くと、脳は自分から軌道修正する

逆に言えば、

脳にしっかりエネルギーが届いていると、脳は、新しい受け取り方——捉え直した言葉や出来事、本来の自分に合っていること——のほうへ、自分から軌道修正していこうとします。

新しいパターンを作る余力があるからです。

体の不調であっても。

心のクセであっても。

根っこにあるのは、やっぱり脳のエネルギーなのだな〜と、娘の計算を横で見ながら、改めて思いました。

あなたの脳が、いつの間にかパターンにしてしまっている「きっとこういう意味」は、何でしょう。

それは、本当に真実でしょうか。

それとも、燃費のいい、慣れた道なだけでしょうか。

参考文献
Qin S, Cho S, Chen T, Rosenberg-Lee M, Geary DC, Menon V. Hippocampal-neocortical functional reorganization underlies children’s cognitive development. Nature Neuroscience. 2014;17(9):1263-1269.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25129076/


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「水漏れ」事件の続編。理由がわかれば破壊工事ですら安心に変わる。体の変化も同じです

ローザンヌの宿で起きた「水漏れ」事件の続きをお話しさせてください。
(実はさらなるハプニングが……笑)

その翌日は、夫が仕事で出かける日でした。
午前中に夫を送り出し、私は子どもと近くの大聖堂に歩いていったり、買い物したりしようと思っていたのですが、その後、少し経ってから、またドアをドンドンドン!とノックする音。

少しドキドキしながら「はろー?」と声をかけると、
「昨日の水漏れのことで、下の住人から頼まれて様子を見に来たものです!」
との男性の声。

恐る恐るドアを開けると、男の人が二人立っていました。

前の晩に水漏れがあったことを理解している様子で、その原因がどこにあるのかを私の部屋のバスルームから調べさせて欲しいとのことでした。

男性二人を女子供しかいない場所に入れても大丈夫かな?という思いも一瞬浮かんだのですが、ちゃんと状況をわかっている人たちで、確かにその事を解決しにきたんだろうな、と思い直し、家に入れることに。

二人のうち、一人はフランス語しか話せず、私が状況を伝えても「わからない!」ってジェスチャーで伝えてくるだけだったのですが、一人はわかりやすい英語を話してくれる方で、

今がどういう状況なのか、
今後、何が起きるのか、

など、丁寧に説明しながらことを進めてくれて、安心することが出来ました。

私の心配ポイントは、「そのビルの、私達が借りている部屋のオーナーはこのことをすべて知っているのか?」ということでした。

なので、訪れた二人が「バスルームのタイルを一部壊して、中の状況を確認するから、今から大きな音出して破壊工事するね」って言った時には、
え?それって、私が許可したことが後から問題になってくるのかしら?と思い、

「これって、この家のオーナーは知っているんだよね? 許可していることだよね?」

と確認しました。
すると、この家のオーナーより上の、このビル全体のオーナーがこの問題を解決するように、自分たちを雇っているので、これをするのは問題ないことですよ、と説明してもらい、その後の大きな破壊音にも耐えることが出来ました。

その時は、お風呂の浴槽に大きな穴が空いていて、本当に、とんだハプニングだったな、って思いました(笑)。

「今、何が起きているのか」がわかると心配が減る

でも、この出来事で思ったことは、
「今、何が起きているのか」、そして「次に何が起きるのか」を理解できていると、本当に心配が少ないってこと。

身体のメカニズムも、まさに同じ。
私の講座の中では、脳回復のプロトコールも行うのですが、その過程で起きることは、理解しているのと、理解していないのとでは、捉え方や不安が全く変わるのです。

でも、ややもすると、私達って、その理由をきちんと理解せず、表面的なことだけ見て、大騒ぎしがちです。

例えば、この時起きたことも、「男性二人が泊まっていた宿に突然入ってきて、浴槽をボコボコに壊して行った」という出来事だけを並べたら、「なんてひどい!!!」ってことにも取れるわけです。

でも、その理由や、なぜそれをする必要があるのか、なぜそれが起きているのかを理解したら、「それは起きるべくして起きていることだな」って、冷静にその過程を見ることができるわけです。

体の「工事」を、理由を知って見守る

代謝改善って、そういう部分あるよなーって思うのです。

今、体に起きている「一見不快な反応」や「変化の波」。
それは、体が壊れているサインなのか?
それとも、本来の自分に戻るために必要な「修復(工事)」なのか?

その理由(メカニズム)を理解できれば、闇雲に不安になることはなくなります。
「ああ、今、私の体もタイルを剥がして調査中なのね(笑)」と、どっしりと構えていられる。

理解は、安心を生み、安心は代謝をさらに加速させます。
あなたも、自分の体の「工事」を、理由を知ることで、安心して見守ってあげてくださいね。


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ローザンヌで起きた「水漏れ」事件。ハプニングを楽しめるかどうかは、代謝の底力で決まる

これは、電車を乗り継いで3時間の旅で、ローザンヌへ行った時の話です。

その時の夫の仕事(お茶)にお声がけくださった方が、ご主人と一緒に駅までお迎えに来てくださって、車がないとなかなか行きにくい場所を色々と案内してくださいました。

オードリー・ヘップバーンが晩年を過ごした村や家、そして教会。
広大な葡萄畑の中にそびえ立つヴュフラン城……。自分たちだけでは到底行き着けないような美しい景色を目の当たりにして、本当に感激の連続でした。

ただ、実は私……。
前日のアイガーグレイシャーからのソリで、どうやら膝を本格的に痛めてしまったようで(泣)。
まっすぐの角度で歩いている時はなんとか大丈夫なのですが、ちょっと変な方向にひねると「ズキン!」と疼くのです。

そんな不自由な体でしたが、そのご夫婦が私の歩調に合わせ、温かく案内してくださったことが、心からありがたかったです。

そして、夕方にローザンヌの街中の宿に到着したのですが……。
ここからが「旅の醍醐味(!?)」の始まりでした。

宿主から事前に連絡が来ていた入口の番号を押しても、ドアが全く開かないのです……。
慌てて連絡を取ってみたら、なんと全く違う番号を伝えられていたことが判明(汗)。なんとか無事に入ることはできましたが、最初からドキドキのスタートでした。

でも、入ってみればとっても綺麗な宿で、立派なキッチンも付いていました。
「ここなら3晩、快適に過ごせそうだな〜」と一安心。差し入れていただいた夕飯をホッとしていただき、家族で「じゃあ、オードリー・ヘップバーンの『ローマの休日』でも見ようか」と、映画を楽しみ始めました。

……が、私はあまりの疲れと心地よさに、途中でうたた寝。
その間に夫と子供たちはシャワーを浴びていたようなのですが、突然、
「ドンドンドン!!!」
という激しいノックの音で目が覚めたのです。

「誰かがドアを叩いている……!」
怖くなって、シャワー室の夫に声をかけると、夫が急いで出てくれました。

恐る恐る「ハロー?」とドア越しに返事をしたところ、女性の声で、
「下の階のものだけど、上から雨漏りしてきているの! 20分くらい前からずっと。そちらの様子はどう?」
とのこと!

20分前……。
まさに、夫と子供がシャワーを使い始めたタイミングでした。

ドアを開けると、そこには女性が二人。
でも、彼女たちはとてもフレンドリーで、「私たちは今日からここに泊まり始めたばかりで、確かに20分前からシャワーを使い始めました。すぐにオーナーに連絡しますね」と伝えると、
「あら、日本からの旅行者なの? これはあなたたちのせいではないと思うわ。でも一応、連絡だけでもしておいてくれるかしら」
と、非常に丁寧に連絡先を教えてくださいました。

1. ハプニングを「楽しめる」かどうかは代謝次第

あの旅を通じて、改めて感じたことがあります。
それは、「旅(人生)にはアクシデントが付きものだ」ということ。

膝の痛み、ドアが開かないトラブル、そして深夜の雨漏り……。
これらが重なった時、私たちの体の中で何が起きているでしょうか?

エネルギー(代謝)が枯渇している状態だと、こうしたハプニングはすべて「脅威」として認識されます。
アドレナリンが噴出し、イライラしたり、不安で眠れなくなったり、せっかくの旅行が「最悪の思い出」に変わってしまうこともあります。

でも、細胞に十分なエネルギー(ATP)があり、甲状腺機能がしっかり働いていると、同じ出来事も「面白いエピソード」や「旅の彩り」として捉えることができるのです。

階下の住人の方々との交流も、エネルギーに余裕があったからこそ、落ち着いてフレンドリーに対応でき、結果として「スイスの人の温かさ」を感じる機会になりました。

2. 身体の「修復力」とエネルギーの貯金

また、この時痛めてしまった私の膝もそうです。
アイガーでの「極限の冒険」は楽しかったですが、体にとっては大きな物理的ストレスでした。

この痛みをただの「不運」で終わらせるか、それとも素早く修復して次の目的地を楽しむエネルギーに変えられるか。
ここでも、日頃からの「代謝の底力」が試されます。

修復には、タンパク質だけでなく、それを組み立てるための膨大な「糖エネルギー」と「ミネラル」、そして「酸素」が必要です。
ハプニングが起きても、それに動じない「気力」と、体を立て直す「体力」。
その源は、私たちが毎日何を食べて、どうエネルギーを回しているかに直結しているのだと痛感しました。

3. 楽しむための「気力」を養う

「旅は体力勝負」とよく言われますが、それは単に筋肉があるかどうかではありません。
予期せぬ事態が起きた時に、どれだけ早く「安心(副交感神経)」の状態に戻り、その状況を面白がれる心の余裕を持てるか。

その「気力」の正体こそが、脳と全身を駆け巡る「代謝エネルギー」なのです。

せっかくの人生、ハプニングも含めて丸ごと楽しみたいですよね。
そのためにも、日々の食事でしっかりと細胞の火を燃やし、アクシデントを「最高のネタ」に変えていける心と体を作って行きたいなとまた改めて思ったのでした。

ローザンヌでの残りの滞在も、膝をいたわりつつ(笑)、楽しもうと思ったのでした。


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アイガーグレイシャーからの生還。極限の「安堵」のあとのスープが細胞まで染み渡った理由

これは、スイスのグリンデルバルドに滞在していた時の話です。
その日は、これ以上ないほどの晴天に恵まれました!

前日の山は午後から曇り出し、視界が本当に悪くて……。正直、「絶景のアルプスを見れたか」と言われたら、ちょっと不完全燃焼な体験だったのです。

ところがその日は、天気予報では「曇り」だったのに、蓋を開けてみれば雲一つない快晴!
私が目を覚ました時には、夫と子供たちはすでに「もう一回、アルプスでソリにチャレンジするぞ!」と、やる気満々になっていました(笑)。

前日の「視界ゼロ」の中でのソリで、私自身もそれなりの成功体験(というか生き残り体験?)を積んでいたので、「じゃあ、せっかくここまで来ているんだから、一番高いところまで登ろうか!」と決断。

私たちが滞在していたグリンデルバルドから、最も高いアクセスポイント、標高2333mの「アイガーグレイシャー」に挑むことにしました。

快晴の中、そびえ立つアイガーの北壁を間近に見ながら、標高940mの町まで約3時間をかけて滑り降りてくる……という、壮大な大冒険の始まりです。

ところが、その冒険の裏側には、想像を絶する「極限状態」が待っていました。

1. 「絶景」と「絶叫」の間で

前日のあんなに怖いアドレナリン全開状態から一転、この日は素晴らしい景色を味わう余裕も少しだけ出てきました。
目の前に広がる真っ白な山脈と青い空。
「ああ、サイコー!!」と心からの喜びが沸き起こり、子供たちも弱音を吐かずに頑張っている姿を見て、何とも言えない達成感を感じていました。

でも、この時身をもって分かったことがあります。
それは、ソリって、実はスキーよりもかなり危険なスポーツだということ……!

まず、スピードがとにかく出やすい。
そして、ブレーキが利きにくいので一度暴走し始めると止まらないし、カーブで吹っ飛びやすいのです。
実際にスイスでも怪我人が多いスポーツなのだとか。

実は、滑っている間に私と子供も何回か転んだのですが……
一度、ものすごく大きな「吹っ飛び」を経験しました。

きついカーブを曲がりきれず、コース外の斜面へ。
頭が坂下を向いた状態で、私と小学3年生の娘は深い雪の中に投げ出されました。
動こうとすればするほど体が雪に埋まってしまい、しばらく身動きが取れなくなってしまったのです。

2. 雪の中での「救出劇」と代謝の安堵感

「どうしよう、動けない……」
そう思っていた矢先、同じように親子連れのソリが私たちのところに吹っ飛んできました!

なんと、私の上にそのお母さんが落ちてきて、ほとんど重なり合うような状態に(汗)。
さらに5歳くらいの男の子が私の少し上側に落ちたことで、結果的に私たちがストッパーになって、それ以上滑り落ちるのが止まったのでした。

そのグループにはお父さんが一緒にいたので、私と娘もそのお父さんに助け出してもらうことができ、本当に命拾いしました。
もし自力だけだったら、あの状況から抜け出すには相当な時間がかかったはずです。

さらに、ゴールの直前でまた転びそうになった時、膝を大きく捻ってしまい……。
私は足を少々痛めてしまいましたが、子供たちがどこも怪我をせず、無事に降りてこられた時には、心底ホッとしました。

この「助けてもらった」という経験と、無事にゴールできたという「極限の安堵感」。
これこそが、実は代謝を劇的に動かすトリガーになるのです。

3. なぜ「スープ」が細胞まで染み渡るのか?

山から降りて、くたくたになった足を引きずって入ったお店で食べたスープ。
それがもう、驚くほど美味しかったのです……!

滑っている途中、代謝が切れないように「糖補給」は欠かさず行っていたのですが、それでもあのスープの温かさと味は、特別なものでした。

ここで私たちが学ぶべき代謝の真実は、
「食事の美味しさは、空腹感だけでなく、その時の感情(安心感)に大きく左右される」
ということです。

生化学的に言えば、危険にさらされている時は「交感神経(戦うための神経)」が優位になり、消化吸収の機能は後回しにされます。
しかし、「助かった」「終わった」という安堵感に包まれた瞬間、体は一気に「副交感神経(修復と消化の神経)」へと切り替わります。

安心という「代謝の気候」が整って初めて、細胞は栄養を心ゆくまで受け入れる準備ができるのです。
どんなに栄養価の高いものを食べても、心が不安や緊張で凍りついている状態では、その栄養は十分に活かされません。

「安堵」こそが、最高の調味料であり、代謝のブースター。
極限の冒険の後のスープは、私の細胞一つ一つに「もう安全だよ、エネルギーを蓄えていいよ」というメッセージを届けてくれたのでした。

あなたも、忙しい毎日の中で、食事の前に一つ呼吸を置いて、「あぁ、今日も安心だな」という時間を作ってみてくださいね。それだけで、お食事の代謝効率はぐんと変わってきますよ。


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