さて、前回、低血糖症の根本原因が「甲状腺機能低下による肝臓の働きの鈍さ」にあるというお話をしました。
しかし、ここで大きな壁にぶつかる人がいます。
病院に行って血液検査を受けても、「甲状腺の数値は正常です」「血糖値に大きな異常はありません」と言われてしまうのです。
「こんなに辛いのに、異常なし?」
「やはり、私の精神的な問題なのだろうか?」
そう落ち込む前に、バーンズ博士が指摘する「現代医学の検査の落とし穴」と、自宅でできる「最も確実な診断法」を知ってください。
- 現代の検査では見逃される「不調のサイン」
一般的に行われる「ブドウ糖負荷試験(GTT)」や血液検査では、どうしても数値の「枠内」かどうかに注目しがちです。
しかし、数値が正常範囲内であっても、あなたが震えや動悸、異常な疲労感を感じていれば、それは身体からの切実なメッセージです。
バーンズ博士は、「患者の気分や体調が置き去りにされ、機械の数値に身体を合わせようとする現代医学の危うさ」に警鐘を鳴らしています。
数値で「異常なし」と言われた結果、本当は代謝の問題なのに「不安神経症」などと片付けられてしまうケースも少なくありません。
- 自分でもできる、最も確実な「基礎体温テスト」
では、どうすれば自分の状態を正しく把握できるのでしょうか?
バーンズ博士が提唱するのは、驚くほどシンプルで費用もかからない方法。
それは「起床時の基礎体温(Basal Temperature)」を測ることです。
甲状腺は身体の代謝(熱産生)の司令塔です。
体温が慢性的に低ければ、細胞レベルでエネルギーが不足しており、その結果として肝臓の機能も低下(低血糖を起こしやすい状態)していることを意味します。
【バーンズ式・基礎体温テストの方法】
① 準備:寝る前に体温計を枕元に用意しておきます。
② 測定:朝、目が覚めたらすぐに、布団の中で極力動かずに体温計を脇に挟みます。
③ 時間:そのまま10分間。深部体温を正確に測るために、じっくり時間をかけるのがポイントです。
④ 期間:2〜3日間続けて記録してください。
※生理のある女性は、ホルモン周期の影響を受けない「生理の2日目と3日目」に測定するのが最も正確です。
- 判定の基準:36.6℃の壁
バーンズ博士の基準は非常に明確です。
「もし起床時の基礎体温が 36.6℃ 以下であれば、甲状腺機能低下を疑うべきである」
もしあなたの体温がこれより低く、かつ空腹時のイライラや震え、抜けない疲労感があるのなら、たとえ血液検査が「正常」であっても、あなたの身体は丁寧なケアと治療を必要としています。
このシンプルなテストによって、これまで「原因不明」とされてきた多くの不調が、実は解決可能な代謝の問題だったと判明してきました。
体温が正常なラインに戻るにつれて、低血糖の辛い症状もしだいに消えていくといわれています。
「低血糖症だから、甘いものは一生禁止しないといけないの?」
そう不安に思っている方も多いかもしれません。
実は、甲状腺の機能がしっかり働くようになれば、厳しい食事制限なしでも症状が出なくなることがあります。
次回は、気になる「食事療法の真実」と、バーンズ博士が推奨する具体的なアプローチについて詳しくお伝えする予定です。
