「没頭して、時間を忘れて動き続けてしまう」とき、私たちの体の中では何が起きているのでしょうか?
逆に、「もっと頑張らなきゃいけないのに、どうしても動けない……」と感じてしまうとき、何が起きているのか?
今日はそんな、私たちの生命維持に関わる、体の中にある「ブレーキ」と「潤滑油」についてお話したいと思います。
▶ 1. なぜ、アクセルを踏むほど疲れるのか?
私たちはついつい、「動けないのは気合が足りないからだ」と自分にムチを打ってしまいがちです。
でも、生化学的な視点で見ると、全く違う景色が見えてきます。
体が「低血糖(省エネモード)」になっているとき、それは細胞が「今は燃料が足りないから、大きな活動は禁止!」と強力なブレーキをかけている状態なんです。
エンジンオイルが切れて、金属同士がキリキリと擦れ合っている車を想像してみてください。
そんな状態で、もっと速度を出そうとアクセルを力いっぱい踏んだら……どうなるでしょうか?
火花が散って、最後にはエンジンそのものが焼き付いて壊れてしまいますよね。
体も同じです。エネルギー(ATP)が足りない状態で無理に頑張ろうとすると、脳と体は「これ以上は危険だ!」と判断して、さらに強いブレーキ(強制終了)をかけてくる。
これが、頑張れば頑張るほど動けなくなるパターンの正体です。
▶ 2. ストレスホルモンという名の「無理やり加速装置」
でも、私たちは「本当は動けないはずの体」を、無理やり動かす方法を知っています。
それが、カフェインだったり、強い意志の力(=アドレナリンやコルチゾール)だったりします。
これは、壊れかけのエンジンにニトロをぶち込んで、一時的に爆速で走らせるようなもの。
その時は動けるかもしれません。でも、その代償として細胞のダメージはさらに深まり、ブレーキはもっと重く、深くかかるようになってしまいます。
気づいた時には、「何をしても楽しくない」「朝、起き上がるのがやっと」という状態になってしまうこともあるんです。
▶ 3. 必要なのは「ムチ」ではなく「潤滑油」
もし今、あなたが「頑張りたいのに、頑張れない」というブレーキを感じているのなら。
今必要なのは、アクセルをさらに踏み込むことではありません。
キリキリと音を立てている細胞たちに、たっぷりの「潤滑油」を注いであげること。
その潤滑油とは、ズバリ「代謝(エネルギー代謝)」です。
・脳が安心して働けるだけの、十分な糖(グルコース)
・甲状腺をサポートして、細胞の火を消さない環境(十分な糖とお塩、体温を下げないことなど)
・「今は安全だよ、動いても大丈夫だよ」という脳へのサイン(低血糖を防ぐこまめな補食や、深いリラックスなど)
これらが整ってくると、あんなに重かったブレーキが、スルスルと自然に外れていきます。
頑張らなきゃ!と踏ん張らなくても、気がついたら軽やかに動き出している。
そんな感覚です。
無理に走ろうとするのを、一度お休みしてみませんか?
「どうして私はできないんだろう」と自分を責める代わりに、
「私のブレーキはどこにあるのかな? 何を欲しがっているのかな?」
と、自分の細胞たちの声に耳を傾けてみてください。
潤滑油さえ満ちれば、あなたはまた、本来の輝きを持って勝手に走り出しますから。
「頑張る」の定義が、我慢することから「自分を満たすこと」に変わる。
そんな視点で、今日の自分を労ってあげてくださいね。
ということで、今日の話も代謝高く行こうね!という話に落ち着くわけです。
明日の自分も、軽やかに動き出せますように。
