頑張るほど動けなくなるのはなぜ?体の「ブレーキ」を外すのはムチではなく、代謝という潤滑油

「もっと頑張らなきゃ」
「もっと生産的に動かなきゃ」

そう思ってアクセルをグッと踏み込んでいるのに、なぜか車(体)が重くて、ちっとも前に進まない……。

そんな風に感じること、ありませんか?

もしあなたが今、そんな「停滞感」の中にいるとしたら。

それはあなたが「怠けている」からでも、「根性が足りない」からでもありません。

あなたの体が、あなたを守るために「ブレーキ」をかけているだけかもしれないんです。

1. なぜ、アクセルを踏むほど疲れるのか?

私たちはついつい、「動けないのは気合が足りないからだ」と自分にムチを打ってしまいがちです。

でも、生化学的な視点で見ると、全く違う景色が見えてきます。

体が「低代謝(省エネモード)」になっているとき、それは細胞が「今は燃料が足りないから、大きな活動は禁止!」と強力なブレーキをかけている状態なんです。

エンジンオイルが切れて、金属同士がキリキリと擦れ合っている車を想像してみてください。

そんな状態で、もっと速度を出そうとアクセルを力いっぱい踏んだら……どうなるでしょうか?

火花が散って、最後にはエンジンそのものが焼き付いて壊れてしまいますよね。

体も同じです。エネルギー(ATP)が足りない状態で無理に頑張ろうとすると、脳と体は「これ以上は危険だ!」と判断して、さらに強いブレーキ(強制終了)をかけてくる。

これが、頑張れば頑張るほど動けなくなるパターンの正体です。

2. ストレスホルモンという名の「無理やり加速装置」

でも、私たちは「本当は動けないはずの体」を、無理やり動かす方法を知っています。

それが、カフェインだったり、強い意志の力(=アドレナリンやコルチゾール)だったりします。

これは、壊れかけのエンジンにニトロをぶち込んで、一時的に爆速で走らせるようなもの。

その時は動けるかもしれません。でも、その代償として細胞のダメージはさらに深まり、ブレーキはもっと重く、深くかかるようになってしまいます。

気づいた時には、「何をしても楽しくない」「朝、起き上がるのがやっと」という状態になってしまうこともあるんです。

3. 必要なのは「ムチ」ではなく「潤滑油」

もし今、あなたが「頑張りたいのに、頑張れない」というブレーキを感じているのなら。

今必要なのは、アクセルをさらに踏み込むことではありません。

キリキリと音を立てている細胞たちに、たっぷりの「潤滑油」を注いであげること。

その潤滑油とは、ズバリ「代謝(エネルギー代謝)」です。

・脳が安心して働けるだけの、十分な糖(グルコース)
・甲状腺をサポートして、細胞の火を消さない環境
・「今は安全だよ、動いても大丈夫だよ」という脳へのサイン

これらが整ってくると、あんなに重かったブレーキが、スルスルと自然に外れていきます。

頑張らなきゃ!と踏ん張らなくても、気がついたら軽やかに動き出している。
そんな感覚です。

無理に走ろうとするのを、一度お休みしてみませんか?

「どうして私はできないんだろう」と自分を責める代わりに、
「私のブレーキはどこにあるのかな? 何を欲しがっているのかな?」
と、自分の細胞たちの声に耳を傾けてみてください。

潤滑油さえ満ちれば、あなたはまた、本来の輝きを持って勝手に走り出しますから。

「頑張る」の定義が、我慢することから「自分を満たすこと」に変わる。
そんな視点で、今日の自分を労ってあげてくださいね。

代謝高く、軽やかな一日を。


この記事は、石井恵子のニュースレターでお届けした内容をもとにしています。
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