デトックスのための断食が、実は逆効果になる理由。解毒の主役「肝臓」には糖と栄養が要る

これは、関空から中国北京経由でスイスのジュネーブに飛んだ旅の途中、
北京の待ち時間に書いた話です。

インスタを開くと、ファスティングを広めるインフルエンサーの発信が目に飛び込んできました。
そういえば、昔、「飛行機ではあえて機内食を食べず、デトックス時間に当てる」
と言っている方もいたな〜なんてことも思い出しました。

あの頃は私もそれが正しいことって思っていました。「デトックスのために、食べないほうが良い」
それを信じて疑いませんでした。

でも、今ではそれは大きな間違いだとわかっています。

春先などの時期になると、「デトックス」を目的に断食(ファスティング)やジュースクレンズなどに挑戦される方が増えますね。

一時的な胃腸のお休みとしてなんとなくスッキリする感覚はあるかもしれませんが、
長期的にみた「毒素を排出する」というデトックスの観点から考えると、ちょっと待ってください!!とお伝えしたくなります。

実は、デトックスのための断食は、少し考えると長期にわたってはネガティブな結果を招いてしまいます。

ここでは、その理由について体のメカニズムの視点からさっくりお話ししたいと思います。

デトックスの主役は「肝臓」

体の中で解毒(デトックス)を担っているのは、ご存知の通り「肝臓」です。

体に溜まったゴミや、代謝の過程で出た不要なもの、さらには環境からの毒素などを
無害な状態に変えて外に出してくれるのが肝臓の働きです。

しかし、ここでとても重要な事実があります。

この「肝臓がちゃんと解毒機能を発揮するため」には、なんと、
めちゃくちゃたくさんの「糖」と「栄養」が必要なのです!

Peat博士が指摘する「肝臓のエネルギー」

Ray Peat博士の文章にも、この肝臓のデトックス機能の仕組みについて明確に書かれています。

博士によれば、肝臓が毒素を処理し、無毒化して排出するというプロセスには、
膨大なエネルギー(糖)と十分な甲状腺ホルモン、そして良質なタンパク質などの栄養素が不可欠です。

十分な量の「糖」や栄養が肝臓にストックされていて初めて、
肝臓はその素晴らしい本来のデトックス能力を発揮できるようになるのです。

断食(エネルギー不足)が及ぼす影響

では、デトックスのためにと「何も食べない」断食をするとどうなるでしょうか?

体に入ってくる糖や栄養が途絶えると、肝臓のエネルギーはあっという間に枯渇してしまいます。
肝臓はエネルギー不足に陥り、解毒するためのエンジンを回せなくなってしまうのです。

さらに、エネルギー不足の危機を感じた体はストレスホルモンを分泌し、
筋肉を分解したり、脂肪を遊離させたりして、なんとかエネルギーを作り出そうとします。
このストレス状態自体が、肝臓や甲状腺の働きを大きく低下させてしまいます。

結果として、肝臓は毒素を処理できなくなり、本来出されるべきゴミが体内に長居することに……。
デトックスのために始めた断食が、むしろ解毒できない体を作ってしまうという皮肉な状態になってしまうのです。

本当のデトックスとは?

もし「ちゃんとデトックスできる体」を作りたいのなら、やるべきことはエネルギーを「抜く」ことではありません。

肝臓がフル回転できるように、十分な糖(エネルギー)と、ミネラルやビタミン、良質なタンパク質を「与える」ことです。
豊かな栄養と糖で満たされることで、肝臓は初めてしっかりと機能してくれます。

代謝を上げるということは、つまり「肝臓の処理能力を最大化すること」でもあります。

「抜く」のではなく「満たす」アプローチで、本物のデトックスができる体を目指していきましょう!

今日も美味しいエネルギーを、しっかり体に届けてあげてくださいね。

代謝高く、軽やかな一日を。


この記事は、石井恵子のニュースレターでお届けした内容をもとにしています。
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