これは、旅もいよいよ最終章、ゆっくり観光できる最後の日の話です。
結構私は痛めていた足が痛くって、びっこを引きながらの観光でした。
ローザンヌからエビアンにフェリーで渡って、エビアンの町を楽しみました。
エビアンはあのエビアンの水で有名な「エビアン」。
19世紀から「療養水」として使われてきたその水は、
カルシウムとマグネシウムが多い硬水です。
アルプスの雪や雨が地中に染み込み、氷河由来の地層を通り、
約15年かけてろ過され、ミネラルを含んで湧き出るそう。
その場所が港から近くだと知って、行ってみることに。
飲んでみると、確かに、なんだか届く感じの水でした。
水って不思議なものですよね。
無色透明で、形もない。
でも、その一滴がどこから来て、どんな道のりを辿ってきたのかを知ると、
私たちの体の中で起きている「奇跡」のようなメカニズムとも、
どこか重なる部分があるように思えてなりません。
ここでは、エビアンの湧き水から教わった、
「本当の癒し」と「体が変わるための時間」について。
15年かけて湧き出る「癒しの水」
エビアンの水が湧き出るまでには、
アルプスに降った雨や雪が、なんと15年もの歳月をかけて、
氷河の地層をじっくりと、じっくりと通り抜けてくるのだそうです。
15年ですよ、15年。
ただの「雨水」が、何層ものフィルターを通り、
アルプスの大地のミネラルをたっぷり抱え込んで、
ようやく「癒しの水」として地上に現れる。
このストーリーを聞いたとき、私は自分の「痛めた足」と、
今あなたと一緒に取り組んでいる「代謝改善」を
思い出さずにはいられませんでした。
私たちは、何か不調があったり、体が重かったりすると、
つい「すぐに」結果を求めたくなります。
あのサプリを飲めば。
この食事に変えれば。
明日には、魔法のように全部良くなるんじゃないか。
でも、本当の意味での「細胞の入れ替わり」や「体内環境の再構築」には、
やっぱり、それ相応の時間が必要なのです。
私たちがこれまで、意図せずとも長年取り込んできた、
古い油(PUFA)や、ストレスによる炎症のゴミ。
それらを一つ一つ手放して、
本来のエネルギー(糖代謝)がスムーズに回るようになる道筋は、
まさに、雨水がアルプスを通り抜けていく道のりのようです。
カルシウムとマグネシウムの絶妙なバランス
エビアンの硬水が「療養」として愛される理由の一つに、
「カルシウムとマグネシウム」の絶妙なバランスがあります。
Ray Peat博士の理論でも、
カルシウムはただ摂ればいいというものではなく、
細胞のエネルギー(ATP)を守る「マグネシウム」という存在があって初めて、
私たちの体(細胞内の水構造)を正しく保つことができると言われています。
「なんだか細胞まで届く気がする」
そう感じたのは、きっとその水が、
私たちの細胞が「心地よい」と感じる、
自然で力強い「構造(ストラクチャー)」を持っていたからかもしれません。
「糖を辞めたら若返った」の落とし穴
ところで、ある時インスタのリールに、こんなコメントをいただきました。
「糖を辞めたら、肌も綺麗になって若返った!
だからやっぱり、糖は人類にとって悪いものなんじゃないですか?」
といった内容です。
確かに、甘いもの(特に酸化した油や添加物がたっぷり入った、質の悪い市販のスイーツなど)をバッサリ辞めると、
一時的に体が軽くなったり、肌にハリが出たように感じたりして、
「若返った!」と嬉しくなる時期があるのは事実です。
でも、ここには大きな「代謝の落とし穴」が隠されています。
まず、甘いものと一緒に摂っていた「悪い油」や添加物を辞めることで、
一時的に「体の中のゴミ」による炎症が引くため、
不調が消えたように見えることがあります。
いわば、工事現場から一旦ゴミを撤去したような状態です。
そしてもう一つ、多くの方が悩まれている「カンジダ菌」の問題。
これも、「糖を抜けばカンジダが死んで解消する」と思われがちですが、
実はここに大きな落とし穴があります。
カンジダ菌は、餌である「糖」が供給されなくなると、
大人しく死んでくれるわけではありません。
むしろ、生き残るために「菌糸形」という、
深く根を張るような、より攻撃的な形態へと変身するのです。
糖がないなら、あなたの腸の粘膜を突き破って、
血液中から直接エネルギーを奪い取ろうとする。
これが腸を傷つけ、さらなる炎症や未消化物の流入を招き、
体力をじわじわと削っていく原因になります。
つまり、糖を抜くことは、カンジダを「殺す」のではなく、
「飢えさせてより凶暴にさせている」だけかもしれないのです。
ですが、そこからがさらに本質的な問題。
エネルギー源である「糖」を絶たれた時、私たちの体は
「緊急事態!」と判断して、アドレナリンやコルチゾールといった
ストレスホルモン(戦闘ホルモン)をドバドバと出し始めます。
これらのホルモンには、
「無理やり細胞を奮い立たせ、高揚させる」という働きがあります。
この時のシャキッとした感覚や、張り詰めた感じを、
多くの人が「本来の元気」や「若返り」だと勘違いしてしまう。
でもそれは、いわば「明日の分のエネルギーを前借りしている」
借金まみれの状態なのです。
アルプスの山を削り取って、無理やり水を絞り出しているようなもの。
やがて山は枯れ、体は冷え、細胞の構造を保つ力そのものが
損なわれていってしまいます。
焦らず、でも着実に
本当の意味での「若さ」とは、
カンジダに怯えて食事を制限することや、
ストレスホルモンで無理をさせることではありません。
細胞一つ一つに十分なエネルギー(ATP)が満ち溢れ、
免疫が正しく機能して、菌と調和していられる環境があること。
エビアンの湧き水が15年の歳月をかけて「構造」を作っていくように、
「良い糖」でエネルギーを回し、少しずつ体内環境を整えていく。
その先に待っているのが、
何年経っても枯れることのない、本物の潤いと健やかさなのです。
もし、今あなたが、
「なかなか体が変わらないな」
「結果が出るまで、あとどれくらいかかるんだろう?」
と不安になっているとしたら、
ぜひ、エビアンの15年という歳月を思い出してみてください。
地道に「良い糖」を摂り、ミネラルをバランスよく取り入れ、
体内環境をじっくりと『本来の健やかさへと研ぎ澄まして』いく。
そのプロセスこそが、
数年後のあなたを支える、混じり気のない「湧き水」を作っていることなのだと思います。
焦らず、でも着実に。
あなたの体という「大自然」の力を、信じてあげてくださいね。
この記事は、石井恵子のニュースレターでお届けした内容をもとにしています。
脳と代謝のお話を、メールでお届けしています。
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