ある日、身内の行事で少し緊張する場面がありました。
社交的な場で、周囲を気遣い、自分でも「今日はうまく振る舞えた」と思っていたんです。
ところが、その夜。
家に帰ってホッとしたはずの深夜に、家族に対して猛烈な怒りと悲しみが爆発してしまいました。
「なんであんな態度をとったの!」「私のことなんて、どうでもいいのね!」と。
昼間はあんなに冷静でいられたのに。
以前よりさらに、脳への栄養(グルコース)を意識して、心も体も安定してきたはずなのに。
なぜ、こんなに激しい感情に飲み込まれてしまったのか?
ここでは、その「感情が爆発するメカニズム」について、私がこの体験から得た、
とても重要で、救いになる「脳の真実」をシェアさせてください。
1. 「正しい認識」には、膨大なコストがかかる
脳にとって、思考は「経済」です。
「相手のあの態度は、私を軽んじているわけではない」
「私の価値は、誰に何をされても1ミリも揺るがない」
こうした「真実に基づいた正しい認識」を選ぶことは、脳にとって非常に「高級な、高コストな作業」です。
実行するには、たっぷりの燃料が必要です。
一方で、
「私は大切にされていない」「私なんて居場所がない」
といった「古くてネガティブな思考パターン」は、脳の中にすでに太い高速道路ができあがっているため、ほとんど燃料を使わず、オートマチックに再生されます。いわば「激安の思考」です。
私が昼間、平気なフリをして「正しい認識」を保てたのは、燃料がまだあったからです。
しかし深夜、燃料が底をついた時、私の脳は「高価な思考」を維持できなくなり、強制的に「激安のネガティブ思考」へと逃げ込んでしまいました。
深夜の爆発は、私が未熟だから起きたのではありません。
「脳の予算不足」が引き起こした、防衛反応なのです。
2. 回復し始めたからこそ、感情が激しくなる
「栄養を摂り始めてから、かえって感情が激しくなった気がする」
もし、そう感じている方がいたら、どうぞ安心してください。
それは、あなたの脳が活力を取り戻し、「人生の大掃除(リフォーム)」に着手した証拠だったりします。
燃料が足りなかったこれまでのあなたは、心の中にある「古いゴミ(誤った思い込み)」を処理するエネルギーさえありませんでした。だから、麻痺させて、無視して、ただ生き延びるのが精一杯だったのです。
でも今、燃料が供給されたことで、あなたの脳はこう判断したのです。
「今のあなたなら、このゴミを片付けられるはずだ」と。
脳があなたを信頼したからこそ、長年放置されていた「怒り」や「悲しみ」というゴミが、表層に浮かび上がってきているのです。今の感情の波は、あなたが「真実」へと一列に並ぶための、ポジティブな工期に他なりません。
3. 「ガソリン」と「ハンドル」をセットで
感情を安定させるには、「燃料(グルコース)」が必要です。
でも、それだけでは不十分なこともあります。
グルコースは「脳というエンジンを動かすためのガソリン」ですが、
認識の調整は「その車を正しく導くためのハンドル操作」です。
ガソリンだけを増やして、古いハンドル操作(私は価値がない、という思い込み)のままでいれば、車はより強力なパワーで、間違った方向へと突っ込んでしまいます。
だからこそ、私たちは「栄養を摂ること」と同じくらい、
「私の価値は、外部の状況では一切変わらない」という真実を、
一つ一つ自分に教えてあげる作業(アラインメント)が必要なのです。
あなたは、感情を爆発させてしまった後、自分を責めてしまうことはありませんか?
もしあれば、まずは温かい飲み物と糖分を摂って、こう自分に言ってあげてください。
「燃料が切れるまで、よく頑張って正しくあろうとしたね」
「今、脳が一生懸命リフォームをしてくれているんだね」
怒りはダメなものでも、失敗でもありません。
それは、あなたが自分自身の「最高の価値」を取り戻していくための、大切なデータなのです。
一緒に、その「大掃除」を進めていきましょう。
この記事は、石井恵子のニュースレターでお届けした内容をもとにしています。
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