海外の格安通販サイトって、ご存知ですか?
雑貨でも服でも、とにかく何でも
海外から安く買えるサイトです。
私はずっと使ったことがなかったのですが、
子どもが「これ注文したい」と言い出したのがきっかけで、
一緒にサイトを眺めることになりまして。
見てみると、可愛い服が結構あるんですよ。
それで私も、濃いブルーの
ノースリーブのワンピースを1枚、頼んでみたのです。
届いてみたら、デザインがすごく良くて。
すっかり気に入ったのだけど….。という話をさせてください。
布が当たっていた所にだけ出た発疹
初めてそれを着て出かけた日のことです。
子どもの映画に付き合って、
上映の間、私はカフェで仕事をしていました。
途中から、なんだか体がゾワゾワしだして。
気がついたら、ポツポツと何か出はじめている。
家に帰って確かめてみて、びっくりしました。
首のラインから体中に、
細かい赤い発疹が、ザーッと出ていたのです。
面白かったのは、その出方でした。
出ているのは、ワンピースの布が
肌に当たっていた部分だけ。
ブラのところ、パンツのところ——
布が直接肌に触れていなかった場所には、
ひとつも出ていませんでした。
犯人は、どう見てもこのワンピース。
私はもともと、繊維そのものに
反応する体質ではないんです。
だから、染めている塗料なのか、
布に使われている薬剤なのか。
正体は分からないけれど、その「何か」に、
私の体がはっきり反応した、ということでした。
体の中で起きていたこと
染料や加工剤のような小さな化学物質は、
それ単体では、免疫にとって「敵」として小さすぎます。
ところが汗や体温で布から溶け出して皮膚に入り込むと、
皮膚のタンパク質とくっついて、
「見慣れない複合体」に変わります。
免疫は、これを異物として認識します。
いわば、体の検品係が
「このタンパク質、変なものが付いている。不合格」と
判定するわけです。
不合格の判定が出ると、皮膚に住んでいる
ランゲルハンス細胞という見張り役が、
その複合体を抱えてリンパ節まで運んでいきます。
そこで待っているのが、T細胞です。
見張り役は「この相手を覚えておいてください」と、
持ち帰った複合体をT細胞に見せて回ります。
覚え込んだT細胞は、次に同じものが皮膚に入ってきたとき、
現場に駆けつけて炎症を起こします。
この一連の手続きには、時間がかかります。
触れてから反応が出るまでに
24時間から72時間ほど遅れることもある。
だから着てすぐではなく、
途中からじわじわ来たのですね。
体は、手順どおりに片づけていく
そこから私は、治っていく様子を
観察してみました。
(こういうときに観察を始めるのは、職業病ですね、笑)
最初の3日間くらいは、急性期。
しっかり反応が出ています。
そこからは、だんだん枯れていって、
かさぶたのようになって、
最後は元の皮膚に戻っていきました。
炎症は、出しっぱなしではありません。
異物の処理が進むと、今度は炎症を終わらせる
シグナルに切り替わって、現場が片づけられていく。
数日かけて出て、数日かけて引く。
この「ゆっくりした経過」そのものが、
T細胞が動いた反応の特徴でもあります。
体は、ちゃんと手順どおりに
片づけていくんですね。
1年後、もう一度着てみたら
そして、ここからが今回の本題です。
あれから1年、そのワンピースには
袖を通していませんでした。
でも、デザインは本当に可愛いんです。
あのあと何度も洗ったし、
薬剤ももう落ちているんじゃないかな。
そう思って、ある日のお出かけで
もう一度、1日着てみました。
結果は——やっぱり、出ました(涙)。
前ほどひどくはなかったけれど、
また同じように発疹が出て、
2〜3日反応して、枯れていく、というプロセス。
1年ぶりでも、体はちゃんと覚えていたのです。
一度覚えたT細胞は、体の中に長く残ります。
だから「久しぶりだから忘れているかも」は、
残念ながら通用しません。
洗っても落ちなかったことにも、理由がありそうです。
衣類の染料や、しわになりにくくするための樹脂加工は、
「洗濯しても落ちないこと」を目的に作られています。
だから、家庭の洗濯を何度か繰り返したくらいでは、
原因物質が抜けきらないことがあるのです。
前回より軽く済んだのは、洗濯を重ねたぶん
残っていた量が減っていたからかもしれません。
ああ、これはもう着られないんだな〜と、
やっと諦めがつきました。笑
体は、肌に触れたものを見張っている
でもね、この出来事に、
私はちょっと感動もしているのです。
体は、肌に触れたものを
ずっと見張ってくれています。
「これは、体に入れていいもの?」
「これは、まずいもの?」
そして「まずい」と判定したら、
T細胞が現場に駆けつけて、
赤みやかゆみという形で知らせてくる。
発疹って、困った症状に見えて、
実は「体の検品作業が正しく働いた」という記録なのです。
その1年半で、私の代謝はさらに上がっていました。
それでも体は「これはダメ」と、
ちゃんとNOを出してきました。
体って、本当にサボらないんだな〜と、
しみじみ思った出来事でした。
そして、これは皮膚だけの話ではありません。
朝、起きた瞬間からのだるさ。
午後になると働かなくなる頭。
夜中にふっと目が覚めること。
それも全部、体が理由があって
出しているサインです。
意志が弱いのでも、年齢のせいでもありません。
ちなみに例のワンピース、
娘には「もう着ないの?」なんて聞かれますが、
体の判定には、逆らわないことにします…
この記事は、石井恵子のニュースレターでお届けした内容をもとにしています。
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