「旧石器時代の人類はケト食だった」は本当? 狩猟採集民の食事とミトコンドリアから考える糖質の話

ある時、実践講座の個別相談でこう言われました。

「やっぱりケトジェニックが正解なんじゃないかと揺れます。発信している人の言うことを聞くと、旧石器時代の人間はケト食だったって聞いて。糖質って、人間に本来必要ないんじゃないかって思い始めて……」

私は、しばらく黙りました。

(この人に、ちゃんと伝えなきゃ)

そう思って。

……少し前に、「知識よりも私のリアルを届けたい」って書いたばかりなのに(笑)、今日はがっつり生化学の話をします。

(でも、これが今の私のリアルなので!)

目の前のクライアントさんが、根拠の薄い情報を信じて、自分の体を追い詰めていく。生化学的なメカニズムを知らないと、どんどんその理論に惑わされていく。
それを見て、黙っていられない気持ちになります。

「旧石器時代の食事=ケト食」「だから糖質はいらない」。

今日は、この説に細胞レベルの視点から、反論させてください。

1. そもそも「旧石器時代の食事=ケト食」は本当か?

ケトジェニック食の支持者がよく言うのが、「人類は何百万年もケトン体で生きてきた」という話です。

でも、ちょっと待ってください。

これは、歴史的・人類学的に見ても、かなり粗い話なんです。

現在、最もよく研究されている現存の狩猟採集民のひとつ、タンザニアのハッザ族を見てみましょう。

彼らのカロリーの約40〜50%は、蜂蜜と果物から摂っています。

そう、糖質です。

しかも蜂蜜は、グルコース+フルクトース(果糖)の組み合わせ。Ray Peat博士が「理想的なエネルギー源」と呼ぶものそのものです。

アフリカの初期人類が暮らしていた熱帯・亜熱帯地域には、フルーツが一年中実っていた。

根菜類、塊茎、果物、蜂蜜……これらは「旧石器時代の食材」のまごうことなきメンバーです。

「旧石器時代人は肉しか食べていなかった」
「脂肪でケトン体を作り、それで生きていた」

これは、北極圏の一部の民族(イヌイットなど)をモデルにした非常に偏ったイメージです。

人類の全歴史を通じて見ると、糖質は常に主要なエネルギー源の一つでした。

2. 細胞は「糖」を好む──ミトコンドリアの真実

ここからが本題です。

では、体の細胞は本当は何を使ってエネルギーを作りたいのか?

Ray Peat博士(米国オレゴン大学・博士号取得、生化学・生理学の研究者)が数十年にわたって強調してきたのは、これです。

「ミトコンドリアにとって、糖は最も効率的な燃料である」

少し詳しく説明しますね。

ミトコンドリアの役割は、ATP(体のエネルギー通貨)を作ることです。

グルコースを燃やしてATPを作るとき、同時に二酸化炭素(CO₂)が発生します。

「え、CO₂って毒じゃないの?」と思うかもしれません。

ところがPeat博士は、このCO₂こそが、細胞の「守り神」だと言っています。

CO₂は:

・血管を拡張して、組織への酸素供給を増やす
・細胞のpHを安定させる
・ホルモンの働きをサポートする
・炎症を鎮める作用がある

グルコースを燃やすほど、CO₂が産生される。

つまり糖質をちゃんと代謝できている体は、CO₂が豊富な、健康な体なのです。

これが「プロメタボリック」の考え方の核心のひとつです。

3. 脂肪を燃やすとどうなるか?

「でも、ケトン体でもエネルギーは作れるでしょ?」

はい、作れます。

でも、ここが重要なんです。

脂肪酸をβ酸化でエネルギーに変えるとき、ミトコンドリアには何が起きるか。

フリーラジカルの産生が増え、ミトコンドリア膜への酸化ダメージが大きくなります。

しかも、脂肪酸(特に多価不飽和脂肪酸=プーファ)は、ミトコンドリアの呼吸連鎖の鍵を担う酵素を阻害することが示されています。

これはPeat博士が繰り返し強調してきたことでもあります。

「脂肪をメインに燃やす体」というのは、ミトコンドリアにとってはエネルギー効率が低く、ダメージリスクも高い状態なんです。

さらに。

糖質を極限まで制限すると、体はどうなるか。

コルチゾール(ストレスホルモン)が上がります。

コルチゾールは筋肉を分解して糖を作り出す(糖新生)という機能を持っています。

つまり「糖を食べない」は、「自分の体を食べる」に変わっていく。

長期的に糖質を制限すると:

・甲状腺機能が低下する(T4→T3への変換が落ちる)
・基礎代謝が下がる
・生殖機能が落ちる
・睡眠の質が下がる
・気分が不安定になる

これらはすべて、体が「飢餓状態」と認識したときのサバイバル反応です。

ケト食を続けて「元気になった!」という人もいます。

でもそれは多くの場合、「最初の数週間〜数ヶ月」の話。そして体が実はプーファの毒抜きをしていることで改善しているケースが多いと私は考えています。

長期的なケト食が体に何をしているか、もっと目を向ける必要があります。

3.5 【科学が示していること】「ケト食と甲状腺」の実際のデータ

「甲状腺が低下する」という話、私がずっと言ってきましたが、

「それ、ちゃんとした研究あるの?」

……そう思っている方のために、今日は実際の論文データをご紹介します。

PubMedという医学論文データベースで、私が実際に調べました。

─────────────────────────────
■ 研究① 2025年・医学論文レビュー(欧州)

「ケトジェニック食と甲状腺機能:デリケートな代謝のバランス」

複数の研究をまとめたこのレビューでは、こんなことが報告されています:

・ケト食を続けると、「活性型T3」という甲状腺ホルモンが低下する
(これが”代謝を動かす”ホルモンです)

・なぜか? インスリンが低い状態が続くと、T4(不活性型)を
T3(活性型)に変換する酵素の活性が下がるから

・コルチゾール(ストレスホルモン)が上がると、さらにこの変換が阻害される

・食物繊維が少なくなると腸内細菌が変わり、
T3変換を助ける酪酸産生菌が減ってしまう

・女性はもともとレプチン(脂肪を知らせるホルモン)が高めなので、
ケト食によるレプチン低下の影響を受けやすく、月経不順のリスクも

─────────────────────────────
■ 研究② 2024年・栄養学レビュー(国際共同研究チーム)

「肥満・肥満関連の甲状腺機能障害とVLCKD(超低カロリーケト食)」

このレビューで引用されている研究の中に、こんなものがあります:

▼ ランダム化クロスオーバー試験(健康な成人11名)
→ ケト食群でT3が統計的に有意に低下(p=0.003)
TSH・T4は変化なし

つまり「検査では異常なし」なのに、実際に細胞を動かすT3だけが下がっている。
これが「隠れた甲状腺機能低下」です。

▼ 小児てんかん患者の追跡研究(120名・1年以上)
→ なんと 16.7%(5人に1人) が甲状腺機能低下を発症
→ そのうち多くがレボチロキシン(甲状腺ホルモン薬)が必要な状態に

独立したリスク因子:「ベースラインのTSHが高め」「女性であること」

▼ 4585名の大規模横断研究(クロアチア)
→ 高糖質食の人ほどT3・T4が高く、甲状腺機能が良好
→ 高脂肪食の人は逆の相関
─────────────────────────────

数字で見ると、よりくっきりしますよね。

「ケト食でT3が下がる」は、今や研究者の間でかなり一致した見解です。

問題は「TSH(甲状腺の血液検査)は正常なのに、実際には機能が下がっている」
という状況が起きること。

病院で「甲状腺は異常なし」と言われても、体は冷え・疲れ・代謝低下を感じている。

……このギャップ、経験がある方、いらっしゃいませんか?

─────────────────────────────
■ なぜ「血液検査では異常なし」になるのか?

ここには、ちょっと面白いメカニズムが隠れています。

本来ならこうなるはずです。

T3が下がる → 脳がそれを察知 → TSH(甲状腺刺激ホルモン)を増やして
→ 甲状腺に「もっと作れ!」と指令を出す

これが正常なフィードバックの仕組みです。

でもケト食では、コルチゾールがこのループを途中で断ち切ってしまいます。

コルチゾールは、視床下部という脳の司令塔に作用して、
「甲状腺に指令を出すホルモン(TRH)」の分泌そのものを抑えてしまいます。

するとTSHも上がらず、甲状腺も「刺激」を受け取れない。

つまり。

糖質を制限する
→ 血糖が下がる
→ コルチゾールが上がる(血糖を保とうとして)
→ コルチゾールが脳の司令塔を「黙らせる」
→ TSHが上がらない
→ 甲状腺はT3をちゃんと作れない
→ でも「TSHは正常」だから血液検査は「異常なし」

これが、「病院では問題なし、でも体は絶不調」という謎の答えです。

コルチゾールが、検査を欺いているんですね。
─────────────────────────────

4. 果物と蜂蜜が答えだった

Peat博士が理想的な糖質として推奨するのは、果物・蜂蜜・果糖とグルコースの組み合わせです。

なぜフルクトース(果糖)も大事なのか?

フルクトースは、肝臓でグルコースをリン酸化する酵素(グルコキナーゼ)を活性化します。
これによって、肝臓のグリコーゲン(糖の貯蔵)が満たされやすくなる。

グリコーゲンタンクが満タンに近い状態だと、体はストレスホルモンを分泌しにくくなります。

逆に、空腹時や糖質制限中にグリコーゲンが枯渇すると、体はコルチゾールやアドレナリンを出してなんとか血糖を維持しようとします。

これが慢性ストレス状態の体の正体です。

蜂蜜や熟した果物は、ただ「甘い」だけじゃない。

細胞を守り、ミトコンドリアを働かせ、ストレス反応を鎮める、とてつもなく精巧な食べ物なんです。

旧石器時代の人類が蜂蜜と果物を食べていたのは、本能が「これが体にいい」と知っていたから、ではないでしょうか。

5. 「人類の歴史=ケト食」という神話の終わり

まとめましょう。

「旧石器時代の人はケト食だった」は、

① 人類学的に見て不正確(狩猟採集民は果物・蜂蜜・根菜を大量に食べていた)

② 細胞生化学的に見て不合理(ミトコンドリアはグルコースの方が効率よくATPを産生する)

③ 長期的な健康に反する(糖質制限はコルチゾール↑・甲状腺↓・代謝↓を招く)

糖質は、まったくもって体の敵ではありません。糖質で体調が悪くなるのは、それをうまく処理できない身体になってしまっているからであって、糖質そのものが悪ではないのです。

熟したフルーツを食べること。良質な蜂蜜を舐めること。ご飯を食べること。

これは、人間として何百万年もかけて設計された、体の設計図に沿った食べ方です。

「ケト食こそ本来の人間の食べ方」という言葉に出会ったとき、ぜひ今日の話を思い出してみてください。

細胞は、ちゃんと知っています。

自分が何を必要としているかを。

今日も読んでくださって、ありがとうございました。

「そうか、糖を食べていいんだ」

……そう思えた方がいたら、とても嬉しいです。


この記事は、石井恵子のニュースレターでお届けした内容をもとにしています。
脳と代謝のお話を、メールでお届けしています。

▶ ニュースレターの無料登録はこちら
https://rondo-form.mentalbeauty.workers.dev/

怒りで頑張れるのはなぜ?アドレナリンは体の「前借り」——仮想敵がいないと動けないとき

SNSを見ていて、気になったことがありました。

誰かと戦うことで、すごく頑張れている人たちがいるなぁ、と。

あの人が自分を狙っている。
このままだったら、蹴落とされる。
あの人の言っていることは、間違っている。

そういう「敵」を置いて、そこに向かっていくことで、自分を奮い立たせている。

見ていると、そういう方向でやっている人が、けっこういるのですよね。

そして、戦うモードのときって、実際にすごくモチベーションが上がるのです。

ここでは、その「上がる」の中身の話をさせてください。

「やられるかも」という予測が、スイッチを入れる

脳は、いつも先を予測しながら動いています。

「このままだと、やられるかもしれない」「負けるかもしれない」

予測がそこにはまると、脳はそれを「危機」として扱います。

すると、交感神経を通して副腎からアドレナリンが出る。

アドレナリンが出ると、肝臓は蓄えていたグリコーゲンを分解してブドウ糖を血液に出し、脂肪組織からは脂肪酸が放出されます。

心拍が上がり、頭が冴えて、体が前のめりになる。

つまり、エネルギーを回すスイッチが、強制的に入るのです。

だから私たちは、アドレナリンで頑張れてしまうのですね。

怒りや敵意で「やる気」が出るのは、気のせいではありません。体の中で、実際にエネルギーが動員されているのです。

ただし、それは前借りでできている

ここで大事なのは、そのエネルギーがどこから来ているか、です。

普段の食事から入ってきた燃料が、余裕をもって回っているわけではない。

足りない分を、体の中の蓄えから引き出している。

そして、緊急事態が長引くと、もうひとつのストレスホルモン、コルチゾールが前に出てきます。

コルチゾールは、筋肉などのたんぱく質を分解して、そのアミノ酸から肝臓でブドウ糖を作らせる(糖新生)方向に働きます。

ひとことで言えば、自分の体を取り崩して、燃料に変えているのです。

私たちの体には、それができる能力がちゃんと備わっています。

いざというときに命を守るための、本当に大事な仕組みです。

でも、本来は「いざというとき」用の仕組みなのですね。

これを毎日の動力にしてしまうと、1ミリずつでも、体を取り崩し続けることになります。

Ray Peatは、ストレスホルモンで回っている状態を、代謝がうまく回っていないことの裏返しとして捉えていました。燃料がちゃんと届いていれば、そもそも非常用の仕組みを毎日引っぱり出す必要はない、という見方です。

なので、アドレナリンで頑張っている人は、しばらくは頑張れちゃうのです。

でも、どこかの時点で、中長期的にガタがき始めます。

これは、「ネガティブをばらまいたから、自分に返ってくる」というような、ふわっとした話ではありません。

体のメカニズムから考えて、そうなるよね、そうなるだろうなぁ、ということなのです。

仮想敵は、燃料切れのサイン

何かにイライラしている。
誰かの揚げ足を取らないと、気が済まない。
文句や愚痴を言っているときのほうが、なぜか元気が出る。

そういうところを自分のモチベーションにしてしまうのは、

エネルギーが枯渇しているからこそ、そっち側に頼ろうとしている、ということなのです。

燃料が足りないから、アドレナリンという非常用のスイッチを入れないと動けない。

だから、仮想敵が必要になる。

性格がきついからでも、意地が悪いからでもなく、、、、燃料の話なのですよね。

そして、長年それで回してきた人ほど、自分がアドレナリンに頼っているということに、そもそも気づいていなかったりします。

それが「自分のやる気」であり、「自分の性格」だと、ずっと思ってきたのだから、当然です。

以前、罪悪感が脳の燃料を食べていく話を書きました。

罪悪感は燃料を内側から削り、仮想敵は燃料の足りなさを外側への怒りで埋めようとする。

向きは逆に見えても、根っこは同じ「脳の燃料の残り具合」なのだと思います。

スイッチを切ると、いったんだるくなる

そういう方が、プロメタボリックな食事や、脳機能回復の取り組みを始めると、ちょっと面白いことが起こります。

体が、ストレス系に頼らない回し方へと、移行していくのです。

極力、アドレナリンやコルチゾールを使わずに回そうとする。

すると、今までストレス系で回していた分が、オフになる。

その結果、すごくだるさが出る方がいらっしゃるのですね。

「え、良くなるはずなのに、なんでだるいの?」と。

でもそれは、今までそれだけストレス系に頼ってやってきていた、ということの裏返しでもあるのです。

ずっとアクセルを踏みっぱなしだった足を、ようやく離した。

離した瞬間に、今までの疲れが、やっと表に出てくる。そんな感じでしょうか。

移行の時期は、一人だと揺れる

この時期は、一人だと本当に不安になります。

何が起きているんだろう。
やっぱりこのやり方は、私に合わないんじゃないか。

そう思って、元のやり方——つまり、ストレス系で自分を叩き起こすやり方——に戻ってしまう方も少なくありません。

だから私は、この時期こそ伴走が大事だと思っています。

伴走していく中で、そういう不安は抜けていって、体のほうも、ストレス系じゃない状態で回すことを、だんだんし始めるようになっていきます。

そうなると、文句や、人の愚痴や、仮想敵で、エネルギーをひねり出す必要がなくなってくる。

だから、心が平安になっていくのですよね。

エネルギーがあれば、人は勝手に頑張る

かといって、頑張らなくなるわけではないのです。

むしろ、エネルギーを持つと、人はみんな勝手に頑張るようになります。

私たちはもともと、より良く生きようとする生き物です。

脳は、エネルギーさえもらえば、拡大していくのですね。

縮こまっていく、萎縮していくというのは、どうしてもエネルギー不足の結果として起こっていくこと。

そうではなく、エネルギーを入れていけば、機能は上がり続けていくものなのです。

敵がいるから頑張る、のではなく、燃料があるから自然と前に進む。

同じ「頑張る」でも、中身がまったく違うのです。

ムチを打つしかないとき

でも、エネルギーがないまま、それでも頑張らないと生きていけない。

そうやって自分にムチを打つやり方をしているときは、

どうしても、仮想敵を作ってしまう。

ああ、そういうことをやってしまうのが、私たちなんだよなぁ〜。

と、SNSを眺めながら、しみじみ感じたのでした。

あなたにも、「怒っているときのほうが動ける」「誰かに負けたくない気持ちで、なんとか踏ん張っている」という感覚はありませんか?

もしそうなら、それはあなたが戦い好きだからではなく、燃料の残り具合のサインなのかもしれません。


この記事は、石井恵子のニュースレターでお届けした内容をもとにしています。
脳と代謝のお話を、メールでお届けしています。

▶ ニュースレターの無料登録はこちら
https://rondo-form.mentalbeauty.workers.dev/

夜中の2時、3時に目が覚めるのは肝臓からのSOS。朝まで眠るための肝臓強化5つのコツ

これは、1泊2日で福岡に行き、はじめましての方たちと新しいAI技術を使って作業する勉強会に参加した時の話です。
1級建築士の方、税理士の方、デザイナーの方、保育士の方……と、本当に様々な業種の方との時間でした。

さて、プロメタボリックアプローチをやっていき、更に脳機能回復もやっていくと、どんどん自分のキャパが増えていくことを実感します。

プロメタボリックアプローチって、それをやって、疲れがさっと取れる身体、頭がキレキレに働く脳、イライラしない心、そういう状態になって、そして、「あなたは何をしたい???」ってところに行くのだと思っています。

逆に言うと、何をやるにも、私達は「この自分の身体」を通してしか世の中を楽しむことも、活動することも出来ないので、この身体を整えておくことがポテンシャルよく、楽しみ、活動するための最大に重要なことになるのです。

その時、お話させていただいた中で、やはり色んな方がいて、

「AIを使うための教材は買ったけど、でも、まだ読めて無いから導入出来ていないんだよねー、そもそも勉強が嫌いすぎて、、、」とおっしゃっている方もいらっしゃいました。

話を聞くと、私と同じ時期に同じ教材を購入してる。

これを使って、もっと仕事を進めよう!と言う想いは同じであっても、そして、その方向に足を踏み出している、ということは同じでも、もう漫画作ったり、ホームページ作り変えたり、いろんなシステムを動かし始めている私と、その、まだ導入さえしていない、と、その作業会のときに教科書を読んで、うわ〜文字がきつい〜(泣)となっている方との違いはなんでしょう?

私は、本当に、単純に、脳のエネルギー差なだけだって思っています。

その方は、栄養にも気を使っているし、朝からプロテインも飲んでいる。でも同時に、「夜中に目が覚めてしまう(夜間覚醒)」ともおっしゃっていました。

実は、この「夜中の目覚め」というエネルギー漏れを止めることこそが、脳をキレキレに動かすための最大の鍵なんです。

夜中にパッと目が覚めること、ありませんか?

夜中の2時、3時にパッと目が覚めてしまうこと、ありませんか?

「年齢のせいかな」「ストレスかな」と思っている方、多いと思います。

でも実はこれ、肝臓からのSOSかもしれません。

ここでちょっと、その仕組みと対策をお伝えしますね。

1. 夜中に目が覚める「本当の原因」

結論から言います。

夜中に目が覚めるのは、「血糖値が下がりすぎた」サインです。

私たちの体は、寝ている間も脳にエネルギー(ブドウ糖)を送り続けなければなりません。

脳は体の中で一番の「大食漢」で、体重の2%しかないのに、全エネルギーの約20%を消費します。

この寝ている間の脳への燃料供給を担っているのが、肝臓なんです。

肝臓は「グリコーゲン」という形で糖を貯蔵していて、寝ている間、少しずつそれを血液に放出して、脳の「電気代」を払い続けてくれています。

2. 肝臓の「貯金」が底をついたとき

ところが、この肝臓の「グリコーゲン貯金」が少ないと、夜中にエネルギーが足りなくなります。

すると体は「大変だ!脳への燃料が切れる!」と大パニック。

ここで登場するのが、アドレナリンとコルチゾールです。

この2つのストレスホルモンが緊急出動して、体の筋肉や組織を分解してまで糖を作り出そうとします。

Ray Peat博士(レイ・ピート博士)はこの状態を、こう表現しています。

「体がエネルギー不足に陥ると、自分自身の組織を燃やしてでもエネルギーを確保しようとする。それがコルチゾールの役割であり、それは本来、短期的な緊急措置であって、毎晩繰り返されるべきものではない」

つまり、夜中にパッと目が覚めるあの瞬間は、体が「サバイバルモード」に入った証拠なのです。

アドレナリンが出れば、心拍は上がり、体は覚醒し、目が冴えてしまう。

これは体の不具合でも、精神的な問題でもありません。

単純に、肝臓の「貯金」が足りなかった。

それだけなんです。

3. なぜ肝臓の貯金が減るのか

じゃあ、なぜ肝臓のグリコーゲンが十分に貯まらないのでしょうか。

大きな原因は3つです。

✔ 糖質を十分に摂っていない(糖質制限やファスティングをしている)
✔ 肝臓の機能が落ちている(脂肪肝、PUFAの蓄積、エンドトキシン負荷)
✔ 甲状腺機能が低下している(代謝全体が落ちてグリコーゲンを作る力が弱い)

特に私がカウンセリングで多く見るのが、「健康のために糖質を減らしている」方のパターンです。

糖質を減らせば減らすほど、肝臓のグリコーゲンは貯まりません。

当然、夜中の血糖値の底打ちが早くなり、コルチゾールの出番も早くなります。

Peat博士は繰り返しこう伝えていました。

「十分な糖質の摂取は、ストレスホルモンの必要性を減らし、体を安全な状態に保つための最も基本的な方法だ」

つまり、「糖質を減らして健康になろう」と頑張っているその行為が、皮肉にも、肝臓の貯金を空にして、夜中のコルチゾール爆発を引き起こしている可能性がある、ということなのです。

4. 肝臓を強化する「5つのコツ」

では具体的にどうすればいいのか。

今日から試せる肝臓強化のコツをお伝えしますね。

① 寝る前に少しの糖質+脂肪+タンパク質を摂る

Peat博士が繰り返しすすめていたのが、寝る前の「ちょい食べ」です。

ハチミツ小さじ1をなめる。
温かいミルクにハチミツを溶かして飲む。
チーズをひとかけ食べる。

これだけで、肝臓のグリコーゲンがほんの少し補充されて、夜中のコルチゾール発動を遅らせることができます。

牛乳のカゼインタンパク質はゆっくり消化されるので、長時間にわたってアミノ酸を供給してくれるのもポイントです。

② 日中の糖質を十分に摂る

夜の対策だけでは不十分です。

肝臓のグリコーゲンは日中の食事で「貯金」されます。

果物、ジュース、はちみつ、白米など、消化しやすい糖質を日中しっかり摂ること。

これが夜中のエネルギー切れを防ぐ一番の土台です。

特にオレンジジュースは、Peat博士が「肝臓に最も優しいエネルギー源の一つ」として推奨していたものです。

③ PUFAを減らす

多価不飽和脂肪酸(PUFA)は、肝臓に蓄積すると肝機能を低下させます。

植物油(サラダ油、キャノーラ油、ごま油など)を減らし、バター、ココナッツオイルなどの飽和脂肪酸に置き換えていくこと。

PUFAは肝臓のグリコーゲン貯蔵能力を直接的に妨害します。

また、遊離脂肪酸として血中に出てくると、ミトコンドリアでの糖の燃焼を邪魔してしまいます。

「良い油」と言われているものが、実は肝臓の「貯金力」を奪っているケースがとても多いのです。

④ 塩を味方にする

Peat博士は、塩がアドレナリンを抑える効果があると述べていました。

寝る前に少し塩気のあるものを摂る(チーズ、味噌汁など)と、アドレナリンの暴走を抑えて、夜中の覚醒を防ぐ助けになります。

塩を減らしすぎると、体はアドレナリンを余計に出してナトリウムを保持しようとします。

適度な塩は体にとっての「安心材料」なのです。

⑤ ゼラチンで肝臓をサポートする

ゼラチン(コラーゲン)に含まれるグリシンというアミノ酸は、肝臓の解毒機能をサポートし、抗炎症作用もあります。

Peat博士はゼラチンを「最も肝臓に優しいタンパク質源」として推奨していました。

ボーンブロス(骨スープ)やゼラチンパウダーを日常に取り入れることで、肝臓の負担を減らし、グリコーゲン貯蔵のキャパシティを広げてあげることができます。

5. 夜中に目が覚めるのは「体質」ではない

最後にこれだけは伝えたいのですが。

夜中に目が覚めるのは、「体質」でも「年齢」でもありません。

それは、体からの明確なメッセージです。

「エネルギーが足りないよ」「肝臓が疲れているよ」と。

そして、そのメッセージに正しく応えてあげれば、体はちゃんと変わります。

実践講座の生徒さんでも、日中代謝が上がる食材をしっかりとってもらい、さらに寝る前のハチミツミルクを始めると「初めて朝まで一度も起きずに眠れました!」という方が本当に多いんです。

それくらい、シンプルなことで体は変わります。

「食べること」を恐れないでください。

寝る前に糖質を摂ることに罪悪感を持たないでください。

あなたの肝臓は、あなたが食べてくれた糖質を、夜通しかけて脳に届けてくれるのです。

それは体への最高の「おやすみなさい」です。

今夜、ハチミツ小さじ1から、始めてみませんか?


この記事は、石井恵子のニュースレターでお届けした内容をもとにしています。
脳と代謝のお話を、メールでお届けしています。

▶ ニュースレターの無料登録はこちら
https://rondo-form.mentalbeauty.workers.dev/

イェール大学の研究でわかった「腸内細菌がエストロゲンを再利用する」という事実と、ニンジンサラダの理由

ここでは、私がちょっと興奮してしまったニュースをあなたにシェアさせてください。

実は娘がイェール大学に通っているご縁で、大学の最新研究ニュースレターが定期的に届くのですが、ある時届いた内容が衝撃的でした。

結論から言います。

「現代人の腸内細菌は、非工業社会の人々と比べて、最大7倍もエストロゲンを再利用している」

……7倍ですよ?

これを読んだ瞬間、私の頭の中で「やっぱり! Peat博士が言っていた通りじゃないですか!」という声が鳴り響きました。

1. イェール大学が明かした「腸内細菌とエストロゲン」の衝撃

この研究は、世界24地域のデータを分析し、狩猟採集民、農村、都市住民の腸内細菌を比較した大規模な調査です。

そこで分かったのが、

「工業化社会の人々の腸内細菌は、エストロゲンを体外に排出させるのではなく、体内に再吸収させる能力が異常に高い」

ということ。

つまり、本来は体から出ていくはずのエストロゲンが、腸内細菌の手によって何度も何度も血液中に戻されている。

しかも、この差は乳児期から始まっているというのです。

人工ミルクで育った赤ちゃんは、母乳で育った赤ちゃんと比べて、エストロゲンの再利用能力が2〜3倍高い。

生まれてすぐの選択が、腸内細菌のパターンを決め、そしてホルモン環境を変えていく。

これは、とてつもなく重大な発見です。

2. エストロゲンの「再利用」とは何が起きているのか?

少し仕組みを整理しますね。

私たちの体では、役目を終えたエストロゲンは肝臓で処理されて、腸に排出されます。

本来であれば、そのまま便と一緒に体外に出ていくはずです。

ところが、腸内細菌の中に「β-グルクロニダーゼ」という酵素を出す菌がいます。
この酵素がエストロゲンを「復活」させ、再び血液中に戻してしまうのです。

工業化社会の腸内環境は、この「復活」能力が極端に高い。

食生活の変化、運動不足、衛生環境の変化、抗生物質の使用……これらが腸内細菌の構成を大きく変えてしまい、結果として「エストロゲン過多」の体を作り上げている可能性があるのです。

3. Ray Peat博士は、もうずっと前からこのことを言っていました

ここからが、プロメタボリックを学んでいるあなたに一番お伝えしたいことです。

Peat博士は何十年も前から、こう言い続けていました。

「エストロゲンは生殖に必要なホルモンだが、過剰になれば細胞を増殖させ、炎症を起こし、がんの土壌を作る」

「現代人はエストロゲン過多の状態にある」

「腸内環境が悪化すると、エストロゲンの排出がうまくいかず、体内を何度も循環する」

まさに、このイェール大学の研究が証明したことと、完全に一致しています。

Peat博士が「ニンジンサラダが大事だ」と繰り返し強調してきた理由も、ここに繋がります。

ニンジンの不溶性食物繊維は、腸内でエストロゲンを吸着して便と一緒に排出させる働きがあります。
つまり「再吸収させない」ためのお掃除役。

これは経験則ではなく、まさにこの「エストロゲン再利用メカニズム」を断ち切るための、極めて理にかなった戦略だったのです。

4. 「知らないうちにホルモンが変わっている」ことの怖さ

この研究で、研究者がこう語っています。

「現代の生活や乳児期の選択が、知らないうちに腸内細菌を通じてホルモンに影響を与えているのは非常に興味深い」

私はこの言葉を読んだとき、少しゾッとしました。

食べているもの。
育児の方法。
日々の生活習慣。

これらが「意識しないまま」に腸内細菌を変え、ホルモンのバランスを変え、そして乳がんや卵巣がんなどのリスクにまで影響している可能性がある。

でも裏を返せば、

「腸内環境を整えることで、ホルモンのバランスは自分で変えられる」

ということでもあります。

これこそが、プロメタボリックアプローチの核心です。

3歳で腸が破裂した私が、今では腸のことで全く悩まなくなったように。
腸内環境は、いつからでも変えられます。

まずは今日の食卓に、ニンジンサラダを一品。
それだけで「エストロゲンの不要な再吸収」を少しずつ防ぐことができます。

世界最高峰の大学が今になって証明したことを、Peat博士はずっと前から知っていた。

私たちは、正しい道を歩いています。


この記事は、石井恵子のニュースレターでお届けした内容をもとにしています。
脳と代謝のお話を、メールでお届けしています。

▶ ニュースレターの無料登録はこちら
https://rondo-form.mentalbeauty.workers.dev/

早朝に「ヤバい!」と飛び起きるのは肝臓の糖切れ。服選びがストレスになる「脳の燃費」の話

あなたは、忙しい日に限って「どうでもいいこと」に猛烈なストレスを感じた経験はありませんか?

実はある日、私は早朝に飛び起きました。

「ヤバい!!自分が何を着るか決めていない!!!」

…何の話?って、、これ、結婚式の話です。

実は、夫の会社のスタッフの結婚式が2日後に控えていて、その一週間ずっと「子どもたちに何を着せよう?」と悩んで、ブラウスを買ったりしていたのです。

そしてその朝、ハッと気づきました。

自分の服のことを、完全に忘れていた。(笑)その日が出発日なのに。

実はその日は、朝からバッタバタ。
インターン生の方と一緒に朝ごはんを食べて、お掃除をして、メッセージの返信をして、午後は学校の行事。そしてその後ダッシュで戻って、関西行きのフェリーに飛び乗りました。

その日から3泊4日の関西だったのです。義父の四十九日とその「結婚式」が目的です。

こんなバタバタが目に見えている中で、「パーティーの服を決めなきゃ」というのが私にとってどれほどストレスだったか…。

結局、このバタバタな中、服を着てはChatGPTに写真を見せて意見をもらい、アクセサリーを決めました。(AI時代ですね。笑)

さて、ここからが本題です。

この「早朝にパニックで飛び起きる」という現象と、「服を選ぶのがストレスすぎる」という感覚。

これ、性格の問題でもメンタルの問題でもありません。
完全に「生化学」で説明がつきます。

夜中の「非常ベル」の正体

あなたは、夜中や早朝に、理由もなくハッと目が覚めた経験はありませんか?

あれ、実は「肝臓のグリコーゲン(糖の貯金)」が底をついたサインです。

私たちの脳は、眠っている間もものすごい量のエネルギーを消費しています。
その燃料は「グルコース(糖)」です。

肝臓にグリコーゲンの貯金が十分にあれば、睡眠中もゆっくり糖を放出して、脳は穏やかに眠り続けられます。

ところが、この貯金が夜中に底をつくとどうなるか。

体は「緊急事態だ!」と判断して、アドレナリンとコルチゾールを一気に放出します。

アドレナリンというのは、本来ライオンに襲われたときに逃げるためのホルモンです。
心臓がバクバクして、筋肉に血液が集中して、頭がギンギンに冴えます。

…そう。あの「ヤバい!」という早朝の覚醒は、体が自分の筋肉を分解してまで糖を作り出そうとする「非常ベル」なのです。

だから、飛び起きた瞬間に「あれもやらなきゃ、これも忘れてた!」とパニック思考が走り出す。

これは不安症でもなんでもありません。
アドレナリンが脳を「戦闘モード」にしているだけです。

私自身、あの朝はまさにこれでした。
前日の夜、外食でタンパク質多めな食事で、寝る前に十分な糖を補給できていなかったのだと思います。

「おしゃれが面倒」は怠慢ではなく、脳の燃費の問題

そしてもうひとつ。

「服を決めるのがストレス」「おしゃれのための我慢が苦手」という、あの感覚。

あれ?って思いませんか?
なぜ、ある日は「どうでもいい」と投げやりになって、ある日は楽しく選べるのか。

答えは「脳の燃費」です。

私たちの脳は、一つ決断を下すたびに、グルコースを消費します。

朝から「子どもの準備」「講座生への返信」「PTAの引き継ぎ資料」「授業参観の段取り」…と決断を重ねるたびに、脳の糖はどんどん減っていきます。

以前、「雨漏り」のお話でもお伝えしましたが、エネルギーの予算が底をつくと、脳は「生存に直結しないこと」を真っ先にカットします。

「パーティーで何を着るか」は、命に関わりません。

だから、エネルギーが足りないとき、脳は本能的に「もう楽な服でいいじゃん」という結論に持っていこうとします。(自動で!)

「おしゃれのための忍耐」にストレスを感じるのは、怠慢でも、センスがないからでもありません。
脳が「その決断に回すエネルギー予算がもうないですよ」と、正直に教えてくれているだけなのです。

怖いのは「パターン化」されること

でもね、ここからが大事なところです。

この「糖が足りない → 決断できない → 自分を責める」のループ、放置すると、どんどんパターン化されていきます。(自動で!)

脳は省エネが大好きなので、一度このループに入ると、「私はおしゃれが苦手な人間だ」「私はストレスに弱い人間だ」という”自分像”を固定して、そこから抜け出せなくなっていきます。

これは数ヶ月、数年、下手をすると一生続きます。

「性格だから仕方ない」と思い込んでいるもののうち、驚くほど多くのことが、実は「慢性的なエネルギー不足が固定化させたパターン」だったりするのです。

自分のメンタルを責める前に、まず一口、蜂蜜でもフルーツでもオレンジジュースでも。
細胞にエネルギーを届けてあげてください。

すると、「自動パニックモード」だった脳が落ち着いて、物事の本当の意味を考える余裕が戻ってきます。

実践講座の受講生さんたちも、「忙しいときほど、こまめに糖を摂るようにしたら、夕方のイライラが嘘みたいに消えた」とおっしゃっています。

私もあの時、フェリーの中でオレンジジュースを飲みながら、肝臓のグリコーゲンを補充していました。

あなたも、もし明日の朝「ヤバい!」と飛び起きることがあったら…
それは肝臓からの「貯金が足りません」というお手紙だと思ってくださいね。


この記事は、石井恵子のニュースレターでお届けした内容をもとにしています。
脳と代謝のお話を、メールでお届けしています。

▶ ニュースレターの無料登録はこちら
https://rondo-form.mentalbeauty.workers.dev/

自己免疫疾患は「免疫の暴走」ではない?プロメタボリックの視点で見る、エネルギー代謝の真実

これは、実践講座生の方の伴走で、
医師によるプロメタボリックアプローチの
オンライン診療に同席させていただいた時の話です。

自己免疫疾患という、本当につらい病気。
現代医学では「症状が出ない状態(寛解)」を目指しますが、
実はそれは、本当の意味での「治癒」ではなかったりします。

だからこそ「一生、薬を取り続けることが必要だ」と言われてしまう。
でも、これって本当に絶望的なことなのでしょうか。

プロメタボリックにおける自己免疫疾患の考え方は、
一般的に言われていることと大きく違います。

さて、この記事の話題。
「自己免疫疾患の真実」についてお話しします。

結論から言いましょう。
自己免疫疾患の本質は、「免疫の暴走」ではなく
「エネルギー代謝の枯渇」です。

病院へ行くと「あなたの免疫が、自分自身の体を攻撃しています」
という絶望的な説明をされることがありますよね。
でも、冷静に考えてみてください。

私たちの体は、そんなに愚かなのでしょうか?
理由もなく、自分を壊し始めるなんてことがあるのでしょうか。

レイ・ピート博士の知見を紐解くと、
そこには明確な「生化学的な理由」が存在します。

ポイントを絞ってお伝えしますね。

1. 「PUFA(植物油)」が細胞を壊している

サラダ油やオメガ3などの酸化しやすい油は、体内で毒性の高い物質に変わります。
これが細胞のタンパク質を「異常な形」に変えてしまい、
免疫が「異物だ!」と判断して処理せざるを得なくなっているのです。

2. 「甲状腺機能(T3)」がバリアの鍵

エネルギー生産の司令塔である甲状腺ホルモンが足りないと、
細胞の「バリア機能」が維持できなくなります。
腸の壁がゆるみ、有害な「エンドトキシン」が血液に流れ込む。
これが全身の炎症の火種になっているのです。

3. 「エストロゲン」という炎症のアクセル

ストレス下で増えるエストロゲンは、炎症を悪化させ、免疫を過敏にします。
一方で、代謝を支える「プロゲステロン」や「CO2(二酸化炭素)」は、
細胞を保護し、暴走を鎮める「ブレーキ」の役割を果たします。

免疫を叩くのではなく、エネルギーを取り戻す

つまり、免疫を「薬で抑え込む」のは、火事の現場で
「火災報知器の音を止める」ようなもの。
肝心の「火」は消えていないのです。

私たちがやるべきことは、免疫を叩くことではありません。

正しい燃料(糖質)を細胞に届け、
代謝を阻害する「PUFA」を避け、
細胞が「自分で自分を修復できるエネルギー」を取り戻すこと。

「自分の体が自分を攻撃している」というストーリーを書き換えましょう。
体はいつだって、あなたを守ろうと必死に働いています。
ただ、そのための「エネルギー」が足りていないだけなのです。

もし、あなたが「もう一生、薬と付き合うしかない」と諦めかけているなら。
あるいは、頑張って食事制限をしているのに結果が出ないなら。

まずは「代謝のスイッチ」を入れ直すことから始めてみませんか?

未来の体は、今日のあなたの選択で変わります。


この記事は、石井恵子のニュースレターでお届けした内容をもとにしています。
脳と代謝のお話を、メールでお届けしています。

▶ ニュースレターの無料登録はこちら
https://rondo-form.mentalbeauty.workers.dev/

女性のヒゲ・抜け毛はなぜ起こる?犯人は男性ホルモンではなく「代謝」だった

クライアントさんとお話していて、「なんか、ヒゲ(?)が生えるのです…」というご相談がありました。
鏡を見ていて、「あれ?こんなところに太い毛が……」と驚いたそうです。

もしかしたら、これを読んでくださっている方のなかにも、あごの下にひょっこり現れた1本の「ヒゲ」に驚いたり、

あるいは、お風呂上がりの排水溝を見て、
「最近、抜け毛が増えたかも……」と不安になったりしているかも知れないな、と思ってこの記事を書いています。

これ、多くの女性が経験することですが、
一般的には「加齢のせい」とか「男性ホルモンが増えたから」と言われがちです。

でも、Ray Peat(レイ・ピート)博士の知見から紐解くと、
そこにはもっと深く、そして希望のある「代謝の真実」が隠されています。

ここでは、女性を悩ませる「ヒゲと抜け毛」の意外な正体についてお話ししますね。

1. 犯人は男性ホルモンではない?

「女性なのにヒゲが生える=男性化している」
とショックを受ける方も多いのですが、実は主犯は別にいます。

それは、「エストロゲン(卵胞ホルモン)の過剰」と「プロラクチン(催乳ホルモン)」です。

ピート博士は、エストロゲンが過剰になり、それを打ち消す「プロゲステロン(黄体ホルモン)」が不足している状態(エストロゲン優位)こそが、女性の体に様々な「ストレスサイン」を出す原因だと指摘しています。

2. なぜヒゲが生え、髪が抜けるのか?

そのメカニズムを簡単に説明すると、こうなります。

① 甲状腺機能の低下:ストレスや食事の影響で代謝(甲状腺)が落ちる。
② エストロゲンの蓄積:代謝が低いと、肝臓でエストロゲンを処理できず、体内に溜まっていく。
③ プロラクチンの上昇:過剰なエストロゲンが脳に伝わり、「プロラクチン」というホルモンを増やします。
④ 組織へのストレス:このプロラクチンやストレスホルモン(コルチゾールなど)の組み合わせが、毛根に悪影響を与えたり、本来生えない場所に毛を増やす「異常信号」になる。

つまり、ヒゲや抜け毛は、あなたの体が「今、ものすごくエネルギー不足で、ストレスがかかっています!」という叫び声を上げているサインなんです。

3. 体の「エンジン」を再始動させよう

では、どうすればいいのか?

ピート博士の答えはいつもシンプルです。
「細胞のエネルギー生産(代謝)を元に戻すこと」。

毛抜きで抜いたり、育毛剤を塗ったりするのは「枝葉」の対処です。
「根っこ」を解決するために、今日から意識できるポイントは3つ。

① 「糖質」を怖がらない:熟した果物や蜂蜜は、甲状腺をサポートし、エストロゲンの排出を助けます。
② 「PUFA(植物油)」を避ける:サラダ油などの多価不飽和脂肪酸は、甲状腺ホルモンの働きを直接ブロックし、エストロゲンの毒性を強めてしまいます。
③ 「プロゲステロン」を守る:十分な日光浴や、質の高い睡眠、そしてビタミンEなどは、エストロゲンを抑えてくれる味方です。

4. 体からのメッセージを受け取って

あごに生えた1本のヒゲも、排水溝に溜まった髪の毛も、あなたの体が「もっと自分をケアして!」と教えてくれているメッセージ。

「もう年だから……」と諦める必要はありません。

代謝というエンジンをしっかり回せば、ホルモンバランスは自然と整い、体は本来の輝きを取り戻します。

まずは今日、甘くて美味しいフルーツを一口食べることから始めてみませんか?


この記事は、石井恵子のニュースレターでお届けした内容をもとにしています。
脳と代謝のお話を、メールでお届けしています。

▶ ニュースレターの無料登録はこちら
https://rondo-form.mentalbeauty.workers.dev/

「若返りホルモン」DHEA-Sが2年で178→235に。ストレスから体を守るDHEAとプロゲステロンの力

私がプロメタボリックアプローチ(生化学に基づいた代謝改善)を本格的にやり始めて、ちょうど2年くらいが経った頃のことです。

この2年間、体感として一番分かりやすく変わったのが「肌」でした。
以前のような乾燥やしぼんだ感じがなくなり、内側から潤っているような、いい感じのツヤが出てきたんです。

「あぁ、私の体、喜んでるんだろうな」

と体感では思っていたのですが、その頃、その感覚が「気のせいではなかった」ことが証明されました。

それは、血液データの「DHEA-S」という数値です。

1. 2年間で劇的に変わった「若返り数値」

DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)は、いわゆる「若返りホルモン」や「マザーホルモン」と呼ばれ、ストレスに対抗したり、私たちの体の材料となったりする非常に重要な保護ホルモンです。

実は私のデータ、
2023年には「178」だったのが、
2026年の値では「235」まで上がっていたのです!

加齢とともに下がるのが当たり前と言われているこの数値が、2年間のアプローチを経て、劇的に向上していました。

これを見た時、本当にプロメタボリックアプローチに取り組んでいてよかったな、と心から思いました。

2. 最強のストレスプロテクター

なぜ、この数値が上がることがそれほど重要なのか?

それは、DHEAやプロゲステロンといったホルモンが、私たちの体の中で「最強のストレスプロテクター」として働いてくれるからです。

私たちが日々さらされているストレス、そしてそれに対抗しようとして分泌されるコルチゾール(ストレスホルモン)。
コルチゾールは短期的なサバイバルには必要ですが、出っぱなしになると細胞を破壊し、老化を早め、免疫を下げてしまいます。

そのコルチゾールの暴走を食い止め、細胞を守ってくれるのが「DHEA」や「プロゲステロン」なのです。

村元先生のオンライン診療資料の中でも、「エストロゲンやコルチゾールのブロック(抑制)は、免疫能を回復させ、細胞の環境を整える」ということが強調されていました。

3. 自分の体の中に「盾」を作る

外からのストレスに振り回されるのではなく、自分自身の体の中で「ストレスに対抗できる盾(ホルモン)」をしっかり作れる状態にすること。

そのためには、
・エネルギー代謝の炎を絶やさないこと(糖の摂取)
・ホルモンの材料を酸化させないこと(PUFAの回避)
・ミトコンドリアが喜ぶ栄養を満たすこと

この積み重ねが、血液データに、そして肌の潤いとして現れてくるのです。

「最近、ストレスに弱くなった気がする」
「肌の潤いがなくなってきた」

もしそう感じているなら、それはあなたの根性の問題ではなく、体内の「保護ホルモン」が不足しているサインかもしれません。

生化学を知ることは、自分を責めるのをやめて、体を賢くケアする方法を知ること。
私のデータの変化が、あなたが自分の体と向き合う勇気や希望になれば嬉しいです。


この記事は、石井恵子のニュースレターでお届けした内容をもとにしています。
脳と代謝のお話を、メールでお届けしています。

▶ ニュースレターの無料登録はこちら
https://rondo-form.mentalbeauty.workers.dev/

デトックスのための断食が、実は逆効果になる理由。解毒の主役「肝臓」には糖と栄養が要る

これは、関空から中国北京経由でスイスのジュネーブに飛んだ旅の途中、
北京の待ち時間に書いた話です。

インスタを開くと、ファスティングを広めるインフルエンサーの発信が目に飛び込んできました。
そういえば、昔、「飛行機ではあえて機内食を食べず、デトックス時間に当てる」
と言っている方もいたな〜なんてことも思い出しました。

あの頃は私もそれが正しいことって思っていました。「デトックスのために、食べないほうが良い」
それを信じて疑いませんでした。

でも、今ではそれは大きな間違いだとわかっています。

春先などの時期になると、「デトックス」を目的に断食(ファスティング)やジュースクレンズなどに挑戦される方が増えますね。

一時的な胃腸のお休みとしてなんとなくスッキリする感覚はあるかもしれませんが、
長期的にみた「毒素を排出する」というデトックスの観点から考えると、ちょっと待ってください!!とお伝えしたくなります。

実は、デトックスのための断食は、少し考えると長期にわたってはネガティブな結果を招いてしまいます。

ここでは、その理由について体のメカニズムの視点からさっくりお話ししたいと思います。

デトックスの主役は「肝臓」

体の中で解毒(デトックス)を担っているのは、ご存知の通り「肝臓」です。

体に溜まったゴミや、代謝の過程で出た不要なもの、さらには環境からの毒素などを
無害な状態に変えて外に出してくれるのが肝臓の働きです。

しかし、ここでとても重要な事実があります。

この「肝臓がちゃんと解毒機能を発揮するため」には、なんと、
めちゃくちゃたくさんの「糖」と「栄養」が必要なのです!

Peat博士が指摘する「肝臓のエネルギー」

Ray Peat博士の文章にも、この肝臓のデトックス機能の仕組みについて明確に書かれています。

博士によれば、肝臓が毒素を処理し、無毒化して排出するというプロセスには、
膨大なエネルギー(糖)と十分な甲状腺ホルモン、そして良質なタンパク質などの栄養素が不可欠です。

十分な量の「糖」や栄養が肝臓にストックされていて初めて、
肝臓はその素晴らしい本来のデトックス能力を発揮できるようになるのです。

断食(エネルギー不足)が及ぼす影響

では、デトックスのためにと「何も食べない」断食をするとどうなるでしょうか?

体に入ってくる糖や栄養が途絶えると、肝臓のエネルギーはあっという間に枯渇してしまいます。
肝臓はエネルギー不足に陥り、解毒するためのエンジンを回せなくなってしまうのです。

さらに、エネルギー不足の危機を感じた体はストレスホルモンを分泌し、
筋肉を分解したり、脂肪を遊離させたりして、なんとかエネルギーを作り出そうとします。
このストレス状態自体が、肝臓や甲状腺の働きを大きく低下させてしまいます。

結果として、肝臓は毒素を処理できなくなり、本来出されるべきゴミが体内に長居することに……。
デトックスのために始めた断食が、むしろ解毒できない体を作ってしまうという皮肉な状態になってしまうのです。

本当のデトックスとは?

もし「ちゃんとデトックスできる体」を作りたいのなら、やるべきことはエネルギーを「抜く」ことではありません。

肝臓がフル回転できるように、十分な糖(エネルギー)と、ミネラルやビタミン、良質なタンパク質を「与える」ことです。
豊かな栄養と糖で満たされることで、肝臓は初めてしっかりと機能してくれます。

代謝を上げるということは、つまり「肝臓の処理能力を最大化すること」でもあります。

「抜く」のではなく「満たす」アプローチで、本物のデトックスができる体を目指していきましょう!

今日も美味しいエネルギーを、しっかり体に届けてあげてくださいね。

代謝高く、軽やかな一日を。


この記事は、石井恵子のニュースレターでお届けした内容をもとにしています。
脳と代謝のお話を、メールでお届けしています。

▶ ニュースレターの無料登録はこちら
https://rondo-form.mentalbeauty.workers.dev/

「代謝が高い」は痩せやすいことではない。知っていれば一生モノの「代謝と健康の真実」

以前、お肌のトラブルをテーマに書いた時、「本当に目からウロコでした!」「洗顔フォームやめてみました!」というメッセージをたくさんいただきました。
読んでくださって、ありがとうございます!

さて、今日は少し大きなテーマでお話ししたいと思います。
私たちのコミュニティでもよく使う「代謝(メタボリズム)」という言葉。
世間でも「代謝を上げましょう!」とはよく言われますが…あなたは「代謝」ってそもそも何だと思いますか?

「汗をかきやすいこと?」
「太りにくい体質のこと?」

実は、生化学において「代謝」とは、もっともっと深くて、私たちの「生きる力そのもの」なんです。
今日は、知っていれば一生モノになる、代謝と健康の根本的な真実をお伝えしますね!

1. 代謝=「細胞のエネルギー工場」の稼働率

「代謝が高い」というのは、単に痩せやすいということではありません。
私たちの体は、約37兆個の細胞でできています。その一つ一つの細胞の中にある「エネルギー工場(ミトコンドリア)」が、どれくらい活発に動いて、私たちの活動エネルギー(ATP)を生み出しているか。

これこそが、「代謝」の正体です。

エネルギーがたっぷり作られていると、体はポカポカ温かくなります。
髪はツヤツヤになり、肌のターンオーバーは正常に働き、胃腸はしっかりと食べ物を消化し、心は穏やかでドーパミンや幸せホルモンが満ち溢れます。

逆に代謝が落ちると…?
体温は下がり、冷え性になり、髪は抜け、肌は乾燥し、ちょっとしたことでイライラしたり、不安になったりします。
そう、あらゆる不調の根っこは「代謝の低下(エネルギー不足)」にあるんです。

2. なぜ、世間の「健康法」で代謝が落ちるのか?

ここで、多くの方が陥る罠があります。
「健康になりたい」「痩せたい」と思って、私たちがよくやってしまうこと。

・糖質制限(お米や果物を抜く)
・ファスティング(朝食を抜く、極端な空腹を作る)
・過酷な運動

実はこれらすべて、細胞からすると「大変だ!エネルギー(糖)が入ってこないぞ!飢餓状態だ!」という強烈なストレス(緊急事態)なんです。
すると体は、生き延びるためにアドレナリンやコルチゾールといったストレスホルモンを出して、自らの筋肉や組織を壊してエネルギーに変えようとします。
そして、「これ以上エネルギーを無駄遣いしないように」と、工場の稼働率をギリギリまで落とします。

これが、低体温であり、低代謝です。
良かれと思ってやっていた「制限」が、自分で自分の代謝ブロックを作ってしまっていたんですね…。
顎が外れそうなくらいびっくりしませんか?

3. 代謝を高く保つための「たった一つのシンプルな答え」

それは、細胞という工場が「安心してエネルギーを作れる環境」を整えてあげることです。

私たちが目指す「プロメタボリック(代謝を促進する)アプローチ」の答えは、とてもシンプルです。
細胞のエネルギー工場が喜ぶ「安全なエネルギー源(糖)」と「栄養」を、ストレスなく、絶え間なく届けてあげること。

✔ 恐れずに、良質な「糖(デンプンやフルーツ)」を摂る
✔ 砂糖やフルーツを悪者にしない
✔ ストレスホルモンを出さないために、こまめに栄養を補給する
✔ 十分な睡眠と、安心できる環境を作る

長年「制限」を頑張ってきた方は、最初は糖を摂ることに恐怖心があるかもしれません。
でもね、それって本当なのでしょうか。
私たちの体は、食べたものを燃やしてエネルギーに変えるようにデザインされています。

低体温な方は、伸びしろ沢山あるな、って思っておいてくださいね!
一歩一歩、進んでいけば必ず細胞は応えてくれます。

食べて整える。食べて代謝を上げる。食べて、自由になる。
これが、私たちが一生使える「代謝と健康の真実」です。

体は毎日変化していきます!
何かの参考になったら嬉しいです!


この記事は、石井恵子のニュースレターでお届けした内容をもとにしています。
脳と代謝のお話を、メールでお届けしています。

▶ ニュースレターの無料登録はこちら
https://rondo-form.mentalbeauty.workers.dev/