血液データは改善しているのに「眠気」が強くなる本当の理由。そのだるさは回復が始まったサインです

あるクライアントさんとの初回カウンセリングを行っていた時のことです。

ご自身でプロメタボリックアプローチを学び、一生懸命に食事や糖の摂取を実践されてきた方で、その時、最新の血液データを見せていただきました。

すると、以前は低下していた「肝臓を動かす数値」が正常化し、少しずつエネルギーが作れるようになってきているなど、体の中で確実に素晴らしい改善が起きていることがデータから読み取れたんです!

ただ、そんな素晴らしい変化の裏側で、ご本人はこんなふうにおっしゃっていました。
「最近、なんだかすごく疲れを感じやすかったり、眠気が強かったりするんです」

「体に良いことをして、確実に回復してきているのに、どうしてしんどく感じるの!?」
と不安に思われるかもしれませんが、実はこれ、体が本当の意味で根本から回復し始めている「大成功のサイン」なのです。

1. なぜ、回復しているのに「疲れ」を感じるの?

現代の多くの女性は、無意識のうちに「隠れ飢餓状態」になっています。
細胞のエネルギー(糖)が足りていないと、体は「アドレナリン」や「コルチゾール」というストレスホルモンを分泌して、無理やり体を動かそうとします。

実は、このホルモンのおかげで、私たちは「空元気」で頑張れてしまうんです。
体に鞭を打って、戦闘モードで走り続けている状態ですね。

しかし、プロメタボリックアプローチによってしっかりと糖や栄養が満たされてくると、体は「あ、もう無理して戦わなくていいんだ!」と安心し始めます。

今まで自分を支えていた「ストレスホルモンという無理やりの杖」をついに手放し、戦闘モード(交感神経)から、リラックスモード(副交感神経)へと切り替わります。
その結果、これまでアドレナリンで麻痺して隠れていた「本来の深い疲れ」が、強い眠気やだるさとしてドッと表に出てくるのです。

2. 安心して「休むこと」が最高の治癒になる

私たちの体は、副交感神経が優位なリラックスモードの時にしか、細胞の修復や回復を行えません。

つまり、「あぁ、私すごく疲れていたんだな。眠いな」と体の声を感じられるようになったのは、体が安心しきって、本気で治癒プロセスに取り組めている素晴らしい証拠なのです。

もし、あなたがこれからご自身の体を労わっていく中で、ふと強い眠気や疲れを感じることがあっても、「やり方が間違っているのかな?」「悪化したのかな?」と心配しなくて大丈夫ですよ。

「あ、順調に治り始めているサインなんだな」
と体を信頼して、どうかその時はたっぷり休ませてあげてくださいね。

体は絶対に、あなたのサポートに応えてくれますよ。


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「ごめんなさい」「いいよ」が言えるのは脳のエネルギー次第。イライラや許せない気持ちは性格のせいではありません

これは、5人の育児に加えて来客もあり(姉と姪っ子が泊まりに来ていたのですが)、少しお疲れ気味だった日の出来事です。

ワンオペで子どもたちを連れ、家から30分ほど先のイオンへ車で向かっていた時のことでした。

運転しながら「耳学」をしていたせいで、少し注意が散漫になっていたのだと思います。ふと気づくと、なんだか変な道に入り込んでしまい、いつものルートから外れてしまっていました。

「あれれ〜?」なんて思いながら走っていて、イオンの駐車場へと曲がる角が定かではなかった私の不安定な運転のせいで……なんと、後ろから来ていた車とぶつかりそうになってしまったのです!(驚!)

もちろん、後ろの方は急ブレーキを踏みつつ、大きくクラクションを鳴らされました。間一髪でぶつかることはなかったのですが、もう、こればかりは完全に私が悪い。(本当にごめんなさい!)

その後、なんとかイオンの駐車場に入ったのですが、驚いたことに、その車も私と全く同じエリアに入ってこられたのです。そして、私が進む方角へ、ピタリと一緒に進んでこられます。。。

「あああ〜〜怒っているのかな?そりゃ怒るよね。。。」

と冷や汗をかきながら車を停めると、その方も少し離れた場所、でもこちらがバッチリ見える位置に車を停められました。

「これは一言、ちゃんと謝らなきゃ!」

そう思った私は、子どもたちを降ろすより先に車から飛び出し、その方の車へと走り寄りました。

「先ほどの、後ろの車の方ですよね?」と声をかけると、
「ああ〜」と、少し探るような感じのお返事。

私は間髪入れずに、「本当にすみませんでした!!!!!」と深々と頭を下げました。

すると男性は、「あああ〜、よかよか!!!!」と言って、車の後部座席を覗き込み、乗っていたお子さん?の方を向いて何やら話しかけていらっしゃいました。

ホッとしつつ、「本当にすみませんでした!」ともう一度お伝えして、私はその場を立ち去りました。

これ、、、もし私がすぐに謝りに行かなかったら、その方は「一言文句を言ってやろう!」と待ち構えていたのかもしれないな、と思います。

でも、私がためらわずに謝罪に向かったことで(本当に申し訳ないとめちゃくちゃ反省していたので)、相手の方もコロッと気持ちを切り替えてくださったのかもしれません。

私は注意散漫だったけれど、それでも「すぐに謝ろう!」ととっさに動ける“脳のエネルギー”が残っていて本当によかったなああ〜〜〜〜と、心から思ったのでした。

この頃、脳の勉強をするにつけ、すべての司令塔である「脳」の状態を意識するようになっていました。

結局、円滑な人間関係は、お互いに「脳のエネルギー」があって初めて成り立つものだと実感しています。

1. 「心の広さ」ではなく「代謝」の問題

私たちは日常の中で、ついイライラしてしまったり、自分の非を素直に認められなかったり、あるいは他人の小さなミスを許せなかったりすることがありますよね。

これは「性格の問題」や「心の狭さ」として片付けられがちですが、実はもっとシンプルで物理的な理由が潜んでいることが多いのです。

それが「脳のエネルギー不足(代謝の低下)」です。

脳は、私たちの体の中で最もエネルギー(グルコース)を消費する器官です。エネルギーが十分に満ちている時、脳は「安全モード」で機能し、周囲を思いやる余裕、共感力、状況を客観的に判断する力、そしてこの時のように「理性的かつ素直に行動する」ことができます。

2. サバイバルモードでのコミュニケーション

しかし、ストレスや疲労、栄養不足などで脳のエネルギーが枯渇してくると、脳は「サバイバルモード(生存競争モード)」に切り替わります。

サバイバルモードの脳は、とにかく自分を守ることで必死になります。
・相手の行動を「攻撃」だと認識しやすくなる
・自分の非を認めるのが「負け」や「生命の危機」のように感じて防衛的になる
・感情のコントロールが効かず、怒りや不安が爆発する

もしあの日、私の脳が完全にエネルギー切れのサバイバルモードだったら、「あんなにクラクション鳴らさなくてもいいのに!」と逆ギレしたり、怖くて車から降りられなかったりしたかもしれません。

そしてもし、相手の男性の脳がエネルギー切れだったら、私の謝罪を受け入れられず、怒鳴り散らしていたかもしれません。

「ごめんなさい」と言えること。
「いいよ」と許せること。

これらは決して当たり前のことではなく、お互いの脳に豊かなエネルギー(糖がしっかり代謝され、ATPが生み出されている状態)があって初めて交わせる、とても高度なコミュニケーションなのです。

3. 最高の人間関係円滑化スキルとは?

最近、パートナーや子どもへのイライラが止まらない。
どうしても素直になれない。
他人の言動がいちいち気になって許せない。

そんな風に感じている時、自分を責める必要はありません。それはあなたの性格が悪いのではなく、単に「細胞レベルでのエネルギーが枯渇しているサイン」だからです。

心の余裕は、体のエネルギーから。

だからこそ、日々の食事でしっかりと代謝を回し、脳に十分なエネルギーを届けてあげることが、一番の「人間関係円滑化スキル」だと私は思っています。

あなたには今、素直に「ごめんなさい」や「ありがとう」と言える、脳のエネルギーが残っていますか?

体の回復は、人間関係の回復にも必ず繋がっていきます。
ぜひ、ご自身のエネルギー状態を意識してみてくださいね。


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長年の不調で「もう何を信じればいいかわからない」あなたへ。生化学が不安を「安心」に変える理由

ある日の午前中、嬉しい報告がありました。
「7日間チャレンジ」のフォローアップセッションを行っていた時のことです。

お話しさせていただいた方は、なんと7〜8年もの間、その体調不良に苦しんでおられました。
ずっと解決策を探し続けてきた中で、私のインスタのリール動画が目に留まったそうです。

『夜中に目が覚めるのは、脳のエネルギー不足。
燃料切れを起こした体が、無理やりアドレナリンを出して起こしているんですよ!』

この内容に、「これだ!」とピンときて申し込んでくださったとのこと。
その日のセッションでは、抱えていた疑問に一つずつお答えしていったのですが、
「これからがすごく楽しみです!」と、本当に晴れやかな表情で語ってくださいました。

お力になれたことが嬉しくて、私自身もとても心が温まる時間でした。

1. 「常識」の逆を行く驚きと、納得感の力

私がお伝えしている「プロメタボリックアプローチ」は、
世の中で一般的に言われている『栄養療法』とは、時には真逆のことをお伝えします。

「えっ、糖質を摂っていいの?」
「野菜ファーストじゃなくて大丈夫?」

最初は驚かれる方も多いです。
でも、それを「生化学(体の仕組み)」から丁寧に説明すると、
「なぜそうなのか」という理由がストンと腑に落ちます。

たとえ世間の常識と違っていても、自分の体の中で起きていることが科学的に理解できれば、
人は「安心して」進めるようになるのです。
不安を「安心」に変えるのは、根性でもポジティブシンキングでもなく、「正しい知識」です。

2. 私は「点と点」をつないでいるだけ

私がこうして自信を持ってお伝えできているのは、私が特別な能力を持っているからではありません。

私の先人である博士たちが、何十年も前から訴え続けてきた膨大な研究成果があるからです。
そして、それを実践し、実際に人生を変えてきた世界中の人たちが今この瞬間も存在しているからです。

私自身も博士たちの理論を必死で学び、生化学の知識を深めていく中で、
バラバラだった知識という「点」が、一つの大きな線としてつながりました。
「このやり方は正しい」という大いなる納得感と感動、そして、これを知らないと本当にヤバい!という危機感が、私の発信の原動力になっています。

3. 言語の壁を超えて、本質を届けたい

残念ながら、日本の栄養情報は世界から取り残されています。

アメリカやヨーロッパではすでに主流になり、実践者が増えている内容であっても、
日本には「言語の壁」があり、本質的な情報はなかなか届きません。
そもそも「そんな考え方があるなんて想像もできない」という方が、まだまだ多いのが現状です。

だからこそ、私はその壁を壊したいと思っています。
難解な英語の論文や理論を、誰にでもわかる言葉に変えて、
かつての私と同じように暗闇の中にいる方へ届けたい。

それが、私の使命だと思っています。

プロメタボリックアプローチに「脳の機能改善」という視点が加わってから、本当に、何段もレベルアップした感じがしています。
脳がエネルギー不足だと、私達は血糖値が上がるし、免疫が異常行動になるし、腸は動かなくなるし、思考はパニックになるし、不安感がでるし、ネガティブになるし、物忘れはするし、集中力はなくなるし、やる気は出ないし、自己信頼がなくなるし、、、、色々な不調がでてくるのです。
だから、本当にお伝えしたい。
あなたの不調は、あなたのせいではないのです。
エネルギー不足なだけですよ!と。

もしあなたが、長年解決しない体調不良に悩んでいて、
「もう何を信じればいいのかわからない」と感じているなら。

どうぞ、ご自身の「体の中で起きていること」を知ることから始めてみてください。
生化学の視点で見れば、あなたの体に起きている不調は、
あなたを苦しめるためのものではなく、懸命に生き延びるための「叫び」だとわかるはずです。

一緒に、その声に耳を傾けていきましょう!


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夜中に感情が爆発するのはなぜ?「脳の予算不足」と、回復し始めたからこそ起きる心の大掃除

ある日、身内の行事で少し緊張する場面がありました。
社交的な場で、周囲を気遣い、自分でも「今日はうまく振る舞えた」と思っていたんです。

ところが、その夜。
家に帰ってホッとしたはずの深夜に、家族に対して猛烈な怒りと悲しみが爆発してしまいました。
「なんであんな態度をとったの!」「私のことなんて、どうでもいいのね!」と。

昼間はあんなに冷静でいられたのに。
以前よりさらに、脳への栄養(グルコース)を意識して、心も体も安定してきたはずなのに。
なぜ、こんなに激しい感情に飲み込まれてしまったのか?

ここでは、その「感情が爆発するメカニズム」について、私がこの体験から得た、
とても重要で、救いになる「脳の真実」をシェアさせてください。

1. 「正しい認識」には、膨大なコストがかかる

脳にとって、思考は「経済」です。

「相手のあの態度は、私を軽んじているわけではない」
「私の価値は、誰に何をされても1ミリも揺るがない」

こうした「真実に基づいた正しい認識」を選ぶことは、脳にとって非常に「高級な、高コストな作業」です。
実行するには、たっぷりの燃料が必要です。

一方で、
「私は大切にされていない」「私なんて居場所がない」
といった「古くてネガティブな思考パターン」は、脳の中にすでに太い高速道路ができあがっているため、ほとんど燃料を使わず、オートマチックに再生されます。いわば「激安の思考」です。

私が昼間、平気なフリをして「正しい認識」を保てたのは、燃料がまだあったからです。
しかし深夜、燃料が底をついた時、私の脳は「高価な思考」を維持できなくなり、強制的に「激安のネガティブ思考」へと逃げ込んでしまいました。

深夜の爆発は、私が未熟だから起きたのではありません。
「脳の予算不足」が引き起こした、防衛反応なのです。

2. 回復し始めたからこそ、感情が激しくなる

「栄養を摂り始めてから、かえって感情が激しくなった気がする」
もし、そう感じている方がいたら、どうぞ安心してください。

それは、あなたの脳が活力を取り戻し、「人生の大掃除(リフォーム)」に着手した証拠だったりします。

燃料が足りなかったこれまでのあなたは、心の中にある「古いゴミ(誤った思い込み)」を処理するエネルギーさえありませんでした。だから、麻痺させて、無視して、ただ生き延びるのが精一杯だったのです。

でも今、燃料が供給されたことで、あなたの脳はこう判断したのです。
「今のあなたなら、このゴミを片付けられるはずだ」と。

脳があなたを信頼したからこそ、長年放置されていた「怒り」や「悲しみ」というゴミが、表層に浮かび上がってきているのです。今の感情の波は、あなたが「真実」へと一列に並ぶための、ポジティブな工期に他なりません。

3. 「ガソリン」と「ハンドル」をセットで

感情を安定させるには、「燃料(グルコース)」が必要です。
でも、それだけでは不十分なこともあります。

グルコースは「脳というエンジンを動かすためのガソリン」ですが、
認識の調整は「その車を正しく導くためのハンドル操作」です。

ガソリンだけを増やして、古いハンドル操作(私は価値がない、という思い込み)のままでいれば、車はより強力なパワーで、間違った方向へと突っ込んでしまいます。

だからこそ、私たちは「栄養を摂ること」と同じくらい、
「私の価値は、外部の状況では一切変わらない」という真実を、
一つ一つ自分に教えてあげる作業(アラインメント)が必要なのです。

あなたは、感情を爆発させてしまった後、自分を責めてしまうことはありませんか?

もしあれば、まずは温かい飲み物と糖分を摂って、こう自分に言ってあげてください。
「燃料が切れるまで、よく頑張って正しくあろうとしたね」
「今、脳が一生懸命リフォームをしてくれているんだね」

怒りはダメなものでも、失敗でもありません。
それは、あなたが自分自身の「最高の価値」を取り戻していくための、大切なデータなのです。

一緒に、その「大掃除」を進めていきましょう。


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何かを「当たり前」にしたいなら環境に身を置く|脳は周りの「ふつう」に自分を合わせていく

関西へ、2泊3日で出かけたときの話です。

目的のひとつは、勉強会に出ること。

仕事がどんどん煩雑になっていくなかで、AIに任せられるところは任せる、ということをやっていて、その効率化のために、もう一段学びを深めたかったのです。

もうひとつは、京都でお茶の学校をやっていて、2週間以上出張していた夫を訪ねること。

留守のあいだは、父がわざわざ福岡から長崎まで来てくれて、孫たちと3日間を過ごしてくれることになりました。

料理はたっぷり作って、これこれはいついつ食べて!と、冷蔵庫に入れて。

あとは、みんなで協力して頑張ってくれていたようです。

その勉強会の会場で、あらためて感じたことがあります。

20代と30代の中に、、、、

会場は、20代、30代の方がメインでした。

皆さんそれぞれ、いろんなお仕事をされている方たち。

その中に、私と、私のお隣の方。

実は私は52歳で、お隣の方は72歳。

私達の列が会場の平均年齢を上げていたのは間違いないのですが、

でもこのお隣の方が、もう、めっちゃ元気な方で、

本当に幅広くいろいろされていて、いい年の取り方をされている方だな〜と、話もすっかり盛り上がりました。

長崎から関西まで出てきていたのは、私くらいでしたけれども。

「ふつうの会話」の中に、知らない常識がある

その場にいて、いちばん強く思ったのは、これです。

何かを上手になりたいとき。

自分の中で、それを「当たり前」にしていきたいとき。

一番の近道は、その環境に身を置くこと。

その場で交わされているのは、特別な講義ではなく、ふつうの会話です。

でも、その「ふつうレベル」の中に、私が聞いたこともないことが、当たり前のように混ざっている。

その場にいなければ、その常識に触れることすらありません。

だから、自分の中でまだ達成できていないことがあるとき、それを一人きりで何とかするのは、やっぱりすごく難しい。

本を読んでも、動画を見ても、そこに書かれているのは「誰かが選んで、まとめたもの」です。

その人たちにとってあまりにも当たり前で、わざわざ言葉にされないことは、その場にいないと入ってこない。

環境の力って、本当に偉大だと思っています。

脳は、周りとずれると「エラー」を出す

これを、脳の側から見た研究があります。

2009年に『Neuron』に出た、オランダのドンダース研究所のグループの研究です(Klucharev et al., 2009)。

参加者に、たくさんの顔写真を見せて、魅力を点数で答えてもらいます。

答えたあとに、「ほかの人たち(集団)は、この顔をこう評価しました」という点数を見せる。

そして、そのときの脳の働きを、MRIで調べました。

すると、自分の評価が集団の評価とずれたとき、脳の中の2か所——前帯状皮質の前のほう(rostral cingulate zone)と、腹側線条体(ventral striatum)——に、ある反応が出ました。

それは、学習の研究で「予測誤差」と呼ばれている信号に、よく似た反応でした。

予想と現実がずれたときに出る、「あれ?ずれているよ」という合図です。

そしてこの反応が大きかった人ほど、あとで同じ顔をもう一度評価したとき、集団の評価に近づく方向へ、自分の判断を修正していました。

研究者たちは、集団の「ふつう」は、学習の仕組みを通して、私たちの判断を合わせさせている、とまとめています。

それどういうことかというと、

周りの「ふつう」と自分がずれていると、脳はそれを、ちょっとしたエラーとして受け取る。

そして、そのエラーを小さくする方向へ、自分を少しずつ調整していく。

これは、誰かに合わせようと意識してやっていることではありません。

脳が、勝手にやっていることなのです。

脳は「当たり前」に、一番労力なく合わせていく

以前、娘の計算の話を書きました。

8たす5が、くり返すうちに13にしか見えなくなる。

脳はくり返したことをパターンにして、エネルギーの無駄遣いを減らしている、という話です。

この話も、その続きだと思っています。

脳は、ひとつひとつを特別なこととして、毎回がんばって処理するよりも、

自分の水準の「当たり前」のところに、一番労力の少ない形で合わせていこうとします。

そして、その「当たり前」の水準を決めている大きなものが、周りの「ふつう」です。

毎日ふれている会話。

毎日見ている人の動き方。

毎日聞いている、何気ない言葉。

それが、くり返しになって、パターンになって、いつの間にか自分の「ふつう」になっていく。

だとしたら、

ひとりで「当たり前を変えよう」とがんばるのは、毎回ゼロから8たす5を手順で解こうとするようなものかもしれません。

その「ふつう」の中にいれば、脳は、勝手にそちらへ合わせていってくれる。

「当たり前を変える」って、よく言われますけれども、

それって、本当にこういうことなんだよな〜と、あらためて実感する旅でした。

だから、ひとつだけ気をつけたいこと

この仕組みは、両方向に働きます。

いい環境に入れば、その「ふつう」に引き上げられる。

でも、たとえば、

「糖はこわいもの」が当たり前の場所。

「疲れているのが当たり前」の場所。

「がまんするのが当たり前」の場所。

そこにずっといると、脳はやっぱり、そちらに合わせていきます。

それは、あなたの意志が弱いからではありません。

脳が、一番労力の少ない道を選んでいるだけなのですね。

そしてもうひとつ。

新しい環境に入って、ずれを感じて、自分を調整し直す——これには、それなりのエネルギーが要ります。

以前書いたとおり、パターンを作り直すのにも、エネルギーが要るのです。

だから私は、いい環境に身を置くことと、脳にちゃんと燃料を届けることは、セットだと思っています。

助けが得られるときは、動く

もちろん、いつでも家を空けられるわけではありません。

あのときも、父が福岡から来てくれたから、行けました。

助けが得られそうなときは、こうして動く。

そして、自分がレベルアップした分は、家族に還元したり、関わってくださっている方たちに還元したりする。

そんな形で、循環させていけたらいいなと思っています。

あなたが今、「当たり前」にしたいことは、何でしょう。

そしてそれは、どんな人たちの中に入れば、ふつうに転がっていそうでしょうか。

参考文献
Klucharev V, Hytönen K, Rijpkema M, Smidts A, Fernández G. Reinforcement learning signal predicts social conformity. Neuron. 2009;61(1):140-151.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19146819/


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トゲのある一言、「フレネミー」の正体は脳のエネルギー不足。振り回されないための距離のとり方

これは「ある言葉」から考えさせられた、脳のエネルギーと心のあり方についてのお話です。

実は、もうすぐ中学生になる娘の制服を、遅ればせながら町のお店に受け取りに行った時のこと。

1. 「フレネミー」という言葉の鋭さ

町の小さなお洋服屋さん。そこは、地域のご年輩の方々の「たまり場」のようにもなっていました。
私と娘が制服を受け取りに行くと、お店の方と二人の女性が奥の方でお茶を囲んでお話しされていて。

私たちはその方々の目の前で店員さんとやり取りをすることになったのですが、最初、お一人の女性が「こんな若い子が、この店に何の用かしら?」と、なんとも怪訝そうな、冷ややかな視線を送ってきたのです。

やり取りが進み、中学校の制服を引き取りに来たのだと気づくと、
「あら、中学生になるとね?」と娘に話しかけられました。

娘が「はい…」と答えると、
「そんな風には見えんねえ(笑)」と一言。
娘は苦笑いするしかありません。

「お会計、85,050円です」と店員さんに言われ、お支払いをしていると、さらに追い打ちをかけるようにその女性が言いました。

「あんた、大きくなったら、しっかり稼いで、親に返さんばよ!」

その時点で娘はもう、その方の方を見ることなく、返事もしない状態になっていました(笑)

お店を出た後、娘がポロンとこぼした言葉が印象的でした。

「私、ついこの前、もうランドセル背負っているのが不自然なくらい(大きく)なったね!っておばあちゃんに言われたのに、今日は中学生に見えん、って言われた(涙)」

「ああいう人は、どんなことでもマイナスにしか言わないから、あなたがどうこうじゃないよ」となだめていると、娘が一言。

「それ……『フレネミー』やな」

フレネミー(Frenemy)。
「フレンド(友達)」と「エネミー(敵)」を組み合わせた造語だそうです。
「友達のふりをして近づいてくる敵」、あるいは「親しげに接しながら、チクリと攻撃してくる人」。

なるほど、現代の子供たちはそんな言葉で現象を捉えているのかと、その表現の鋭さに感心してしまいました。

2. 「不足感」の正体は、脳のエネルギー不足

なぜ、わざわざ他人の子供に対して、釘を刺したり、喜びを削ぐようなことを言ってしまうのでしょうか。

私は、その方の「心の状態」というよりも、根本的な「脳のエネルギーの枯渇」が原因だと思っています。

私たちの脳は、全身の中でも最もエネルギー(糖)を消費する臓器です。
そして、他者を思いやったり、未来をポジティブに捉えたり、広い視点を持つためには、相当な「脳のエネルギー量」を必要とします。

もし、脳のエネルギー代謝がスムーズに回っていなければどうなるでしょうか。

脳は「非常事態」だと判断し、まずは自分を守るために防衛本能を強めます。
視野は狭くなり、他人の幸せや成長を素直に喜ぶ「余裕」が失われます。

すると、自分自身の内側に「足りない」「満たされない」という【不足感】が慢性的に居座ることになります。
その不足感を埋めるために、自分よりもエネルギーに満ちた若い世代に対して「ダメ出し」をしたり、「批判」をしたりすることで、無意識にバランスを取ろうとしてしまうのです。

つまり、トゲのある一言は、その人の心の底にある「私は満たされていない」というSOSの裏返しでもあるのですね。

3. 丁寧に「交わらない場所」へ下がる

そんな「フレネミー」的な振る舞いに出会うと、どうしても残念な気持ちになったり、心がさざなみ立ったりするものです。

でも、こちらができる最善の策は、戦うことでも、相手を変えようとすることでもありません。

丁寧に、そっと、その方と「交わらない場所」へ下がること。

相手の言葉を自分の価値として受け取る必要はありません。
「ああ、この方は今、脳のエネルギーが足りなくて、世界が不足して見えているのだな」
そう客観的に捉えるだけで、自分を守るための境界線を引くことができます。

そして何より大切なのは、私たちは自分の脳と体に、たっぷりとエネルギー(糖)を満たしてあげること。

自分が満たされていれば、誰かに何かを言われても「そういうこともあるよね」と流せるし、他人の成長を「素晴らしいね」と心の底から応援できるようになります。

もうすぐ中学生になる娘には、
「世界にはいろんな視点の人がいるけれど、まずは美味しいものを食べて、自分のエネルギーをしっかり満たしておこうね」
そんな風に伝えた一日でした。

あなたの周りにも、もしチクリと言ってくる「フレネミー」が現れたら、それは相手のエネルギー問題。
ぜひ、甘い蜂蜜入りの紅茶でも飲んで、自分のエネルギーを優先してチャージしてあげてくださいね。


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計算が速くなるのは頭の良さではない|脳はくり返しを「パターン」にしてエネルギーを節約している

小2の娘が、繰り上がりのある足し算で、ずっともたついていた時期がありました。

8たす5。5たす8。

答えは出るのです。でも、頭の中でゆっくりゆっくり考えてから、やっと出てくる。

そこで、計算の練習アプリを作りました。

計算カードでもよかったのですが、スマホなら、いつでもパッと渡して「はい、ちょっと練習どうぞ〜」ができるので。

何秒かかったかが出て、間違えたら「ブブー」、合っていたら「ピンポン」。

それだけのアプリです。

娘はせっせっせっせと、ちょこちょこ練習するようになりました。

最初は40問に5分かかっていたのが、3分台になり、やがて1分台に。

この「必ず速くなる」ことの裏で、脳が何をしているのかの話です。

そしてそれは、計算だけの話ではありません。

手順で解く脳、取り出して答える脳

最初の娘の頭の中は、たぶん、こうです。

「8に2を足したら10。5から2を取ったら、あと3。だから….13」

ひとつひとつ手順を踏んで、やっと13にたどり着く。

それを何度も何度もくり返していくうちに、「8たす5」は、もう13以外に見えなくなります。

考えるより先に、答えのほうが出てくる。

毎日同じ道を車で通っていると、ほとんど何も考えずに職場まで着いてしまうのと、同じことですね。

この変化を、脳の画像で追いかけた研究があります。

2014年に『Nature Neuroscience』に出た、スタンフォード大学のグループの研究です(Qin et al., 2014)。

7〜9歳の子どもたちを、時間をあけて何度もMRIで調べ、算数を解いているときの脳の働きを追いかけました。

子どもたちの解き方は、成長とともに、「数えて解く」やり方から、「記憶から答えを取り出す」やり方へと移っていきます。

その移り変わりにあわせて、記憶に関わる海馬の働きが増え、手順を一つずつ組み立てるときに使う前頭葉・頭頂葉の働きは減っていった。

研究者たちは、この海馬の働きが、子どもの認知の発達の大きな節目——手順で解く段階から、記憶で解く段階への移行——の要になっている、とまとめています。

それどういうことかというと、

娘の「8たす5」が13にしか見えなくなったとき、娘の脳の中では、使う場所そのものが入れ替わっているのです。

毎回ゼロから組み立てていた作業が、「取り出すだけ」の作業に置き換わった。

なぜ脳は、パターンにしたがるのか

ここで、私がいちばん大事だと思っていることがあります。

脳が、くり返したことをどんどんパターンにしていくのは、エネルギーの無駄遣いを減らすための作戦だ、ということです。

脳は、体重の数パーセントしかない臓器なのに、体全体のエネルギーのかなりの部分を使っています。

そんな大食いの臓器が、同じ問題を毎回ゼロから手順を踏んで解いていたら、とても燃費が悪い。

一度パターンにしてしまえば、同じ答えを、ずっと少ない手間で出せる。

だから脳は、パターンにできることは、なんでもパターンにしていきます。

勉強はある意味、「いかにくり返させるか」の勝負です。

頭がいい、悪いの問題ではない。

くり返せば、必ずそうなる。

それが脳の仕組みなので、娘にもそのまま話しています。

「頭がいいとか悪いとかじゃないよ」

「やっていたら、必ずそうなるよ」

「それが、脳の仕組みなんだよ」

いつの間にか、「何たす何は?」と聞かれたら、スッと答えが出るようになって。

瞬時に答えられることが、本人もやっぱり面白かったらしく、とても楽しそうでした。

できるようになることは、それ自体が楽しい。

これも、見ていて面白いところでした。

ただし、パターンを作るのにもエネルギーが要る

ひとつだけ、見落とされやすいことがあります。

パターンを作る作業そのものにも、エネルギーは要る、ということです。

パターンができあがってしまえば、その後はずっと省エネで回る。

でも、そこにたどり着くまでの「くり返し」の期間は、脳にとって、むしろエネルギーを使う時期です。

だから、脳に栄養が足りていない状態でいくら練習しても、パターンになるのが遅い。

同じだけ練習しているのに、覚えられる子と、なかなか覚えられない子がいる。

それを「頭の良し悪し」で片づけてしまう前に、その子の脳に、パターンを作る余力があるかどうかを見てあげたいのです。

しっかり栄養をとらせた上で、くり返させてあげる。

順番は、こちらです。

大人も同じです。

私自身、英語で行われている脳機能の講義を、自分の理解に落とし込むために、自分用の教材を作っています。

入り組んだ内容を、くり返し聞いて、くり返し訳して、やっと自分の言葉で説明できるようになる。

大人になっても、くり返しでしか身につかないのは、変わりません。

パターンにしてほしくないものまで、脳はパターンにする

脳は、パターンにできることは、なんでもパターンにしてしまいます。

計算のように、パターンにしてほしいものだけではなく。

パターンにしてほしくないものも。

たとえば、

あの人がこう言ったら、それはきっと、こういう意味。

チラッと見られたら、「どうせ私のこと、変なやつだと思ってるんでしょ」。

こういう嫌な気持ちは、「その場で考えて出した結論」のように感じますよね。

でも実際には、脳の「予測」の結果として、先に生まれてきています。

8たす5が、考えなくても13に見えるのと同じように、

チラッと見られただけで、考えるより先に「きっと嫌われている」が出てきてしまう。

脳にとっては、どちらも同じ「省エネの自動処理」なのです。

それって、生きていく上で、とても生きづらいですよね。

なんというか、愛のない世界です。

本当は、そうではないことが、真実かもしれない。

相手はただ、ぼんやりこちらを見ていただけかもしれない。

でも、自分の脳がそうパターン化してしまっていたら、もうそれが真実だとしか思えないのです。

セッションのあとで、また同じ考えに戻る理由

だから、書き換えが必要になります。

カウンセリングやセッションで「こう捉え直してみましょう」と話して、その場ではとてもいい気持ちになった。

新しい見方が、ちゃんと腑に落ちた気がした。

でも、日常に戻って数日すると、やっぱりまた同じ考え方に落ちていく….。

そういう経験をされた方は、多いと思います。

どうして、パターンが外れないのか。

私は、書き換えるためのエネルギーが、脳に足りていないことが多いのだと見ています。

パターンを作るのには、エネルギーが要る。

できあがったパターンを外して、新しく作り直すのにも、同じようにエネルギーが要ります。

しかも、古いパターンは、省エネで勝手に回ってくれる。

エネルギーが足りない脳にとっては、慣れた古い道のほうが、ずっと楽なのです。

これは、意志の弱さではありません。

燃料の足りない脳が、いちばん燃費のいい道を選んでいるだけなのですね。

エネルギーが届くと、脳は自分から軌道修正する

逆に言えば、

脳にしっかりエネルギーが届いていると、脳は、新しい受け取り方——捉え直した言葉や出来事、本来の自分に合っていること——のほうへ、自分から軌道修正していこうとします。

新しいパターンを作る余力があるからです。

体の不調であっても。

心のクセであっても。

根っこにあるのは、やっぱり脳のエネルギーなのだな〜と、娘の計算を横で見ながら、改めて思いました。

あなたの脳が、いつの間にかパターンにしてしまっている「きっとこういう意味」は、何でしょう。

それは、本当に真実でしょうか。

それとも、燃費のいい、慣れた道なだけでしょうか。

参考文献
Qin S, Cho S, Chen T, Rosenberg-Lee M, Geary DC, Menon V. Hippocampal-neocortical functional reorganization underlies children’s cognitive development. Nature Neuroscience. 2014;17(9):1263-1269.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25129076/


この記事は、石井恵子のニュースレターでお届けした内容をもとにしています。
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「水漏れ」事件の続編。理由がわかれば破壊工事ですら安心に変わる。体の変化も同じです

ローザンヌの宿で起きた「水漏れ」事件の続きをお話しさせてください。
(実はさらなるハプニングが……笑)

その翌日は、夫が仕事で出かける日でした。
午前中に夫を送り出し、私は子どもと近くの大聖堂に歩いていったり、買い物したりしようと思っていたのですが、その後、少し経ってから、またドアをドンドンドン!とノックする音。

少しドキドキしながら「はろー?」と声をかけると、
「昨日の水漏れのことで、下の住人から頼まれて様子を見に来たものです!」
との男性の声。

恐る恐るドアを開けると、男の人が二人立っていました。

前の晩に水漏れがあったことを理解している様子で、その原因がどこにあるのかを私の部屋のバスルームから調べさせて欲しいとのことでした。

男性二人を女子供しかいない場所に入れても大丈夫かな?という思いも一瞬浮かんだのですが、ちゃんと状況をわかっている人たちで、確かにその事を解決しにきたんだろうな、と思い直し、家に入れることに。

二人のうち、一人はフランス語しか話せず、私が状況を伝えても「わからない!」ってジェスチャーで伝えてくるだけだったのですが、一人はわかりやすい英語を話してくれる方で、

今がどういう状況なのか、
今後、何が起きるのか、

など、丁寧に説明しながらことを進めてくれて、安心することが出来ました。

私の心配ポイントは、「そのビルの、私達が借りている部屋のオーナーはこのことをすべて知っているのか?」ということでした。

なので、訪れた二人が「バスルームのタイルを一部壊して、中の状況を確認するから、今から大きな音出して破壊工事するね」って言った時には、
え?それって、私が許可したことが後から問題になってくるのかしら?と思い、

「これって、この家のオーナーは知っているんだよね? 許可していることだよね?」

と確認しました。
すると、この家のオーナーより上の、このビル全体のオーナーがこの問題を解決するように、自分たちを雇っているので、これをするのは問題ないことですよ、と説明してもらい、その後の大きな破壊音にも耐えることが出来ました。

その時は、お風呂の浴槽に大きな穴が空いていて、本当に、とんだハプニングだったな、って思いました(笑)。

「今、何が起きているのか」がわかると心配が減る

でも、この出来事で思ったことは、
「今、何が起きているのか」、そして「次に何が起きるのか」を理解できていると、本当に心配が少ないってこと。

身体のメカニズムも、まさに同じ。
私の講座の中では、脳回復のプロトコールも行うのですが、その過程で起きることは、理解しているのと、理解していないのとでは、捉え方や不安が全く変わるのです。

でも、ややもすると、私達って、その理由をきちんと理解せず、表面的なことだけ見て、大騒ぎしがちです。

例えば、この時起きたことも、「男性二人が泊まっていた宿に突然入ってきて、浴槽をボコボコに壊して行った」という出来事だけを並べたら、「なんてひどい!!!」ってことにも取れるわけです。

でも、その理由や、なぜそれをする必要があるのか、なぜそれが起きているのかを理解したら、「それは起きるべくして起きていることだな」って、冷静にその過程を見ることができるわけです。

体の「工事」を、理由を知って見守る

代謝改善って、そういう部分あるよなーって思うのです。

今、体に起きている「一見不快な反応」や「変化の波」。
それは、体が壊れているサインなのか?
それとも、本来の自分に戻るために必要な「修復(工事)」なのか?

その理由(メカニズム)を理解できれば、闇雲に不安になることはなくなります。
「ああ、今、私の体もタイルを剥がして調査中なのね(笑)」と、どっしりと構えていられる。

理解は、安心を生み、安心は代謝をさらに加速させます。
あなたも、自分の体の「工事」を、理由を知ることで、安心して見守ってあげてくださいね。


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誰も悪くないのに、大事になる|「つらい」と感じる前から動いているアドレナリンの話

ある日、わが家の玄関に、警察の方がいらっしゃいました。

仕事をしていたら、子どもたちが「警察の人だ!」「おまわりさんが来た!」と騒いでいて。

何ごと?!と出ていくと、

「娘さんたちが100円を受け取りに来られたんですけど、あの派出所ではお渡しができなくて、隣町まで行っていただかないといけないんです」

と、ていねいに説明してくださるのです。

….100円を? 受け取りに? 警察に行ったの??

頭の中がはてなでいっぱいのまま、とりあえず「すみません….」と謝っていました。笑

100円が、家庭訪問になるまで

あとで子どもたちに聞いて、やっと全体がつながりました。

2ヶ月くらい前、一番下の小2の娘が、道で100円を拾って、近くの派出所に届けていたのです。

その持ち主が、結局あらわれなかった。

それで警察から「拾った方は受け取りに来てください」というお手紙が届いていたのですね。

漢字がたくさんで読めないところは、夫に途中まで読んでもらって。

これは、受け取りに行かなきゃ。

と、姉妹そろって、派出所まで出かけていった。

ところが、派出所には誰もいない。

「御用の方は、こちらにお電話ください」という貼り紙があって、それは隣町の本部につながる番号。

小4の娘がそこから電話をかけて、状況を説明したそうです。

「今からそちらに向かわせますので、待っていてください」

そして、隣町から20分かけて、おまわりさんが来てくださった。

子どもたちに「ここでは渡せないんだよ」と説明して、

「ご両親にもお伝えしておくね」と、わが家まで。

….というのが、その日の顛末でした。

全員が、持ち場で正しかった

毎日いろいろあるな〜とは思っていたけれど、こういう「いろいろ」もあるのだな〜と、顛末を知ってから、とても笑えてしまいました。

でも、笑いながら、ふと思ったのです。

大人のわたしだったら、100円を拾っても、「100円くらい」と思ってしまったかもしれない。

受け取りのお手紙が来ても、「わざわざ行くほどでもないか」と流していたと思います。

子どもたちは、100円を、100円のまま終わらせなかった。

拾ったから、ちゃんと届けた。

お手紙が来たから、書いてあるとおりに受け取りに行った。

誰もいなかったから、書いてあるとおりに電話をした。

警察の方も、決まりどおりに、ていねいに説明に来てくださった。

誰も悪くないんですよね。

全員が、自分の持ち場で、正しく動いている。

それなのに、100円が、おまわりさんの家庭訪問になった。笑

その、小さなことを小さなことのままにしない感じが、なんだか、体のほうに似ているな〜と思ったのです。

「つらい」と感じる、ずっと手前で

体も、小さなことを「これくらい」とは流しません。

1987年に、アメリカのCryer(クライヤー)先生たちのグループが、こんな実験を報告しています(Schwartz NS, Clutter WE, Shah SD, Cryer PE. The Journal of Clinical Investigation, 1987)。

健康な10人の血糖を、90 mg/dLから40 mg/dLまで、1時間ごとに10ずつ、階段を下りるように下げていく。

そのあいだ、体の中で「燃料を戻そう」とするホルモンが、どの段階で動き出すのかを測ったのです。

結果は、こうでした。

アドレナリン およそ69
グルカゴン およそ68
成長ホルモン およそ66
コルチゾール およそ58

そして、本人が「なんだか具合が悪い」と症状を感じはじめたのは、およそ53。

アドレナリンが動き出してから、本人が気づくまでに、15以上の開きがあるのですね。

論文のタイトルが、そのまま結論になっています。

「血糖を戻す仕組みが動き出す値は、症状が出る値よりも高い」

研究者たちは、この仕組みは下がりすぎた血糖を「直す」ためだけでなく、そもそも下がりすぎないように「防ぐ」ためにも働いている、とまとめています。

つまり、

体は、あなたが「つらい」と気づくずっと手前から、もう動いているのです。

わたしたちが自覚するのは、そのいちばん最後のところ。

おまわりさんが玄関に立ったところで、初めて「何ごと?!」と気づく。

でもその前に、拾う人がいて、届ける人がいて、手紙を書く人がいて、電話を受ける人がいた。

体の中にも、同じように、わたしたちの知らないところで動いている段取りがあるのです。

アドレナリンは、悪者ではない

アドレナリンと聞くと、「ストレスのホルモン」「悪いもの」というイメージを持つ方も多いと思います。

でも、この実験で見えてくるのは、アドレナリンは、燃料が細くなりかけたときに、真っ先に駆けつける係だということです。

心臓の拍動を上げる。

目を覚まさせる。

たくわえてあるものを動かして、なんとか燃料を届けようとする。

どれも、脳を守るための、決まりどおりの働きです。

ただ、その「決まりどおり」を、わたしたちは別の名前で体験しています。

胸がドキドキする。

夜中の3時に、パチッと目が覚める。

手足が冷たい。

ちょっとしたことに、イライラしてしまう….。

体の中では、係の人が持ち場で正しく働いただけ。

でも、受け取る側のわたしたちには、それが「不調」として届く。

見るのは「犯人」ではなく「最初の100円」

「大事」になると、わたしたちは、つい犯人を探してしまいます。

私の性格が弱いから。

もう年だから。

どこか、体が壊れてしまったのかも….。

でも、この1987年の実験を思い出すと、別の見方ができます。

体の中の誰も、悪くないのかもしれない。

みんな、自分の持ち場で、決まりどおりに、正しく動いただけ。

だとしたら、見るべきなのは「誰が悪いか」ではなくて、

最初の100円は、何だったのか。

のほうなのかな〜と思うのです。

お昼を、ちょっと抜いた。

忙しくて、夕方まで何も口にしていなかった。

甘いものを我慢して、ずっと気を張っていた。

体にとっての「100円」は、たいてい、それくらいの小さなことです。

体は「これくらい」と流さない

大人のわたしたちは、つい「これくらい」と流してしまう。

でも体は、あの子どもたちと同じように、小さなことをちゃんと拾って、ちゃんと届けてくれているのですね。

わたしたちは、それを「大事」になってから、ようやく玄関で受け取っているのかもしれません。

あなたが最近、「これくらい」と流している100円は、何ですか?


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なぜ代謝を上げて健康でいたいのか。ストレスが「楽しみ」のドーパミンを奪っていく仕組み

これは、旅がスタートした時の話です。その旅は、私が学生時代に1年過ごしたスイスへ。
夫が仕事で行くことになり、子供も春休みだったのもあって、私の人生でもう一回は訪ねたい場所だったので、ついていくことにしました。

「どうして代謝を上げて健康でいたいのですか?」
そう聞かれたら、私は間違いなく、
「いつまでも旅をする気力と体力を持っていたいから」
って答えるかもなって思います。

この「旅の楽しみ」や「ワクワク」って、私たちの体の中のドーパミンが働いてくれるからこそ感じられるものなのです。

これを書いたのは関西の宿で一泊した夜でしたが、そんな「ドーパミン」について、少し専門的なお話をシェアしたいと思います。

1. 楽しみを作る「ドーパミン」の本当の顔

ドーパミンと聞くと、世間では「ギャンブル依存」や「快楽ホルモン」といった少しネガティブなイメージで語られることも多いですが、実は私たちが生きる上で不可欠な「真の幸福と報酬のホルモン」です。

実は、ドーパミンは単なる「快楽」のためではなく、愛する人との絆、目標の達成、そして人生を豊かにする行動そのものを私たちに動機づけてくれる大切なホルモンなのです。

しかし、なぜ多くの人が大人になるにつれて「新しいことに挑戦する気力」や「旅に出るエネルギー(やる気)」を失ってしまうのでしょうか?

ここには、ストレスとエネルギー(代謝)のメカニズムが深く関わっています。

2. アドレナリンは、ドーパミンから作られる!?

ここで一つ、とても重要な体の仕組みをお話しします。

実は、私たちの体をサバイバルモードにするストレスホルモンの「アドレナリン」は、ドーパミンを材料にして作られています。
(正確には、チロシンというアミノ酸からドーパミンが作られ、そこからさらにアドレナリンが合成されます)

つまり、どういうことかというと……

私たちの体がエネルギー不足(糖欠乏)や、精神的・肉体的な慢性ストレスにさらされていると、体は危機を乗り越えるためにアドレナリンを大量に分泌しようとします。

その結果、本来なら「楽しみ」や「やる気」として使われるはずだった貴重なドーパミンが、ストレスに対処するためのアドレナリンにどんどん変換されて奪われてしまうのです。

ストレスが多い時や、エネルギーが枯渇している時に、「何もやる気が起きない」「どこにも出かけたくない」となってしまうのは、気のせいではなく、物理的にドーパミンが枯渇しているからなんですね。

そして、自分の内側から健全なドーパミンが得られない状態だと、私たちは買い物依存や、ギャンブル依存などで手っ取り早くドーパミンを出す行動に依存しがちになるのです。

3. 代謝を上げることは、人生を楽しむ準備

「うつ」のように心が動かなくなる状態も、セロトニンの問題というよりは「ドーパミン(とその前駆体)の枯渇」であることが実は多いのです。

だからこそ、私たちがいつまでも旅に出る気力や、人生を楽しむワクワクを持ち続けるためには、代謝を高く保つことが絶対に必要なのです。

体に十分なエネルギー(糖)を与え、細胞を本来の働きで満たしてあげる。
そうすることで、体は不必要なアドレナリンを出す必要がなくなり、ドーパミンがしっかりと本来の「幸福とやりがい」のために使われます。

私が「代謝、代謝!」とお伝えしているのは、単に病気にならないためだけではありません。
ドーパミンに満ち溢れ、自分の人生を骨の髄まで楽しみ尽くすためなのです。

スイスでの時間も、しっかりエネルギーを回しながら、ドーパミン全開で楽しもうと思っていました!
あなたも、自分の「ワクワク」を守るために、今日も美味しいエネルギーを体に届けてあげてくださいね。

代謝高く、軽やかな一日を。


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